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梶川義人の虐待相談の現場から

梶川 義人 (かじかわ よしと)

様々な要素が絡み合って発生する福祉現場での「虐待」。
長年の経験から得られた梶川さんの現場の言葉をお届けします。

プロフィール梶川 義人 (かじかわ よしと)

(仮称)日本虐待防止研究・研修センター開設準備室長、淑徳短期大学兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。

多専門職・多機関間協働に迷える子羊

 先日、関東学院大学の副田あけみ先生の研修を見学させていただきました。内容は、多専門職・多機関間協働の具体的な方法を学ぶものでした。私は、以前からこのテーマに関心をもっていましたから、やっと念願が叶いました。

 副田先生は、1992年、高齢者虐待に関する本邦初の全国規模の調査を行った高齢者処遇研究会(後に、「特定非営利活動法人日本高齢者虐待防止センター」となる。2013年に解散)の設立メンバーのお一人です。

 私は2000年にこの研究会に参加しましたから、14年の長きにわたりお世話になってきましたが、私の知る限り、高齢者虐待への対応法をキチンと研究開発しておられる唯一の方です。

 詳しくは、先生が代表である研究会が開発した「安心づくり・安全探しアプローチ(AAA;スリー・エー)」のホームページ(下記)をご覧ください。適当にアイデアを寄せ集めた「似非(えせ)」実践モデルとは、一線を画していることがお分かりいただけると思います。

関連情報の玉手箱や!(*画像をクリックすると「安心づくり・安全探しアプローチ」の
HPに飛びます)

 ところで、多専門職・多機関協働のスキルというと、「報・連・相」は言わずもがなでしょうし、「役割分担」などもすぐに思い浮かびます。

 しかし、研修を間近で見学すると、ブロック遊びのブロックの連結部分と同じように、「あると創造性は無限に広がるが、ないと始まらない」幅広く奥深い重要なスキルだと思い知らされます。

 私は、とくに「非認知的な能力」の必要性を感じました。具体的には、「ビッグ・ファイブ(Big Five)」理論がパーソナリティを説明する5つの要素、すなわち「経験への開放性」、「勤勉性」、「外向性」、「協調性」、「情緒安定性」を磨くとよいと思います。

 ビッグ・ファイブにはそれぞれ、いくつもの下位項目ありますから、実際はもっときめ細かいのですが、大雑把に言えば、「好奇心旺盛にして、自制心や責任感が強く、外交的で、共感性や思いやりがあり、情緒も安定している」のが理想的というわけです。

 「煩悩の犬は追えども去らず」で、迷える子羊の私にとっては、ここまでの完璧さを目指すのは難しそうですが。

 もっとも、一説によれば、「勤勉性」と「外向性」は所得と昇進に、「協調性」は所得にプラスの影響を与えているそうですから、これらの能力を向上すれば、虐待の対応だけではなく、自分自身の人生にもプラスになるかもしれません。

お知らせ
 このブログ「お弁当のような小冊子」で、その一部をご紹介した、横浜市港北区様の「高齢者虐待防止ハンドブック」が、同区のホームページからPDFファイル形式でダウンロードできるようになりました。是非、ご活用ください。