メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

梶川義人の虐待相談の現場から

梶川 義人 (かじかわ よしと)

様々な要素が絡み合って発生する福祉現場での「虐待」。
長年の経験から得られた梶川さんの現場の言葉をお届けします。

プロフィール梶川 義人 (かじかわ よしと)

日本虐待防止研究・研修センター代表、桜美林大学・淑徳大学短期大学部兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。

諸行無常の響きあり

 最近、時代による変化の大きさと小ささの両極端を実感する機会がありました。

 まず、時代の変化の大きさについては、手のひらサイズの音声翻訳機を買い使ってみて実感しました。日本語で機械に話しかけると、ほんの数秒で外国語に通訳してくれます。普段なら主語を省くところを、あえて省かずに話すなど、翻訳の精度をあげるには少しコツがいりますが、外国語を日本語に翻訳もしてくれますから、発音の練習になります。

 嘘か真か「辞書は食べて覚えるもの」とか「外国人を恋人にすればすぐ話せるようになる」と言われていた私の学生時代とは、まさに隔世の感があります。こんなに身近なところで時代の大きな変化を実感しようとは思ってもみませんでした。

 一方、「本当に数十年前と何も変わっていない」と感じさせたのは、医学部入試の女子差別問題の報道です。

 というのも、私の周辺だけかもしれませんが、ずっと以前から多くの人が「女性の方が優秀」だと認めていたように思うからです。しかも、女性の合格率を一律に低くする計算法まで用いるというのなら、「科学的に優秀さは女高男低だと言える」というのでしょうか。

 また、女性医師は子育てなどで離職して長く働けないなど、就業期間を考慮して女性の合格率を減じるのは、「子育て支援が不十分なまま何十年間も経過している証明だ」ということでしょうか。

 さらに、女性は男性より力が弱く、力のいる医療行為には向かないから、女性の合格率を減じるというのは、「医師という仕事の、肉体的、精神的な重労働さが、何十年間もいっこうに改善されていない証拠」なのでしょうか。

 もし、こうした私の疑問が正しいのなら、合否判定の際に考慮される事項が受験生に知らされない問題や女性差別の問題以外にも、由々しき問題の存在を考えざるを得ません。

 つまり、わが国がいくら一億総活躍社会を標榜しようとも、「優秀な人材を活用しない」という大きな力は相変わらず働き続けている、という点です。

 労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較2018』「3-3 就業者及び管理職に占める女性の割合」(89頁)をみると、日本は就業者43.5%、管理職12.9%であり、どちらも世界ランキングのずっと下のほうに甘んじています。プロテニスプレーヤーの大坂なおみさんにあやかって、一気にランクアップと行きたいものです。

 あっ!ここでもやはり女性だのみ…

「平清盛さんですよね?」
「ただの驕れる男です」

【前の記事】

困った前提

【次の記事はありません】

ホームへ戻る