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しえの好奇高齢者俳優・宍戸錠レポート

第23回 楽しいひな祭り

 3月3日 桃の節句。女の子の日です。
 父とはまるで無縁のこと・・・
 子供の頃、ひな祭りは大きなひな壇の前で、お祝いのちらし寿司やら、桜餅やら、頂いた記憶があります。しかし、父と一緒に祝った記憶はありません。

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 本日、母が実家に帰ってきました。
 父に、「ねえ、ママが帰ってきたよ」 「そんな訳ないだろう?」と、父。
 「本当に帰って来たんだってば!!」「えー。『もー、何、この散らかしよう。ちゃんとかたづけてちょうだい!!』って、言われるし、参ったなあ・・・」と、父。「うれしくないの?!」
 突然、父が母の手を取り、「しえ、車を出せ」と。「ママ、具合悪いんだから無理よ」「いいから」 私達が出演するロケ地へ母も一緒に向います。間もなく本番が始まり、「そんな下ネタを言っちゃダメ!! 娘の前でしょ」「しえも、もっと姿勢よくしなさい」
 「やっぱり、うるさいおばさんがいた方がスムーズに仕事が運ぶな・・・」と、父は照れくさそうに笑っています。
 目が覚めると、あたりは晴天で、母のレリーフに飾られている淡いピンク色の桃の小枝に囲まれた母が私を見つめています。
 やはり、母も去年のひなまつり(第5回掲載)が楽しかったのでしょうか・・・だから、夢に現れたのだと思います。

 本日、打ち合わせの仕事が終わり、父を送ろうとしたら、「今日はおひなさまだから、お祝いをしよう」と、言い出しました。洋食屋さんに入り、いつも、どのレストランに行ってもリーズナブルなものを真っ先に探す父が、「おひなさまのスペシャルコースにしよう!!」と、ガラにもなくピンク色に飾られたメニューを注文しました。
 アルコールの入った父の頬は、ほんのり淡いピンク色に染まっています。昨年、何度も、おひなさまの出来事を楽しそうに話していた父が、一切、母の話をしません。
 それもそのはず、私たちの向かいの荷物を置いた椅子の隣の椅子に、母が来ていたからです。食事を終えて、父を送り、「じゃあね」と、私が言うと、「じゃあ」と私に返し、今度は上を見ながら、「じゃあ」と、母にも言いました。私も「じゃあね、ママ」と、夜空に向って言うと、母は笑顔で上の方に歩いて行きました。星がキラリと光ったように見えたのは、父と私だけだったのでしょうか・・・

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「主婦と生活」より、25年前


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プロフィール
しえ
1963年東京生まれ。83年、20世紀バレエ団附属芸術学校ムードラ(ベルギー・ブリュッセル)にて特別研究生としてモダンバレエを学ぶ。パフォーマンス・アーティストとして活動。女優としてもドラマに出演。93年より俳優のマネージメントを始め、現在、宍戸錠事務所にて父・宍戸錠ほか俳優陣のマネージメントをするほか、エッセイストとして活動。連載エッセイ「しえの がんルネッサンス」(「月刊がんサポート」エビデンス社)、著書に闘病記『がんだってルネサンス』(母で作家の宍戸游子と共著、中央法規)がある。朝日新聞社医療サイトApitalに連載エッセイ「しえの子宮頸がんから始まる新しい旅」3/7(月) スタート。
http://www.mauamoanamana.com(公式サイト)
宍戸 錠 (ししど・じょう)
俳優。1933年生まれ。日大芸術学部中退、日活にニューフェイス第1期生として入社、日活黄金時代に石原裕次郎・赤木圭一郎・小林旭らとダイヤモンドラインとして活躍。“エースのジョー”の愛称で親しまれる。その後はテレビ「巨泉・前武ゲバゲバ90分」「食いしん坊!万才」などでも活躍。最近の出演作品にNHK大河ドラマ「天地人」、映画『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』、『ケータイ刑事 THE MOVIE 3』(公開中)など。
http://www.joeshishido.com(公式サイト)
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