退院ボケ
昨年12月に急性硬膜下血腫で入院・手術を行いました。
一昨年、脳梗塞になったときは通院で済ませたので、入院は生まれて初めて。ですが、入院までの経緯は全く記憶にありません。発症した日、午前中はリハビリ施設へ見学にでかけたらしいのですが、それさえも覚えていない。気絶から醒めたら、病院のベッドで寝ていたというのがボクにとっての真実。
入院生活のイロハを知らないこともあり、病院ではかなりトンチンカンなことをやっていたようです。
例えば──。起き上がって休憩室に行こうと廊下をペタペタ歩き始めたら、看護師さんの声が後ろから追いかけてきました。
「クツを履いてくださーい!」
素足で歩くほうが気持ちいいんだもの。理不尽だなあと思ったけど、言うとおりにしました。
入院も最初は興味津々。お風呂の予約を入れたり、売店を探しに行ったりと、面白がっていたのですが、1か月を過ぎると飽きてきて、退院のことばかり考えるようになる。仕事もしたいし。
ようやく「退院してよろしい」との通達があって、そそくさと荷物をまとめたら、手提げの紙袋にたった2個。少ないもんですな。1か月以上暮らすのに、必要なモノって実はたいしてないのですね。
退院オーケーで自宅へ戻っても、頭が元通りになったわけではない。頭痛や、ぼんやり感は残る。それらが消えるまで3か月程度かかりました。その間、通院しながらの脳外科の先生とのやりとりも、イマイチ、シャキッとしないものでした。
「頭がユラユラした感じなんですけど」
「そんなもんですよ」
「手足にシビレがあるんですけど、こんなもんなんですかねえ」
「そんなもんですね」
頭の中が前と同じように動き始めるには3、4か月かかるでしょうという説明はされたけど、高次脳機能障害についての情報はなぜか伝えてもらえませんでした。
さて、現在、急性硬膜下血腫になる前と比べると、症状が変わってきたように感じています。
まず動作がゆっくりになった。すべてにおいてスピードダウン。やる気も出ない。頭の中では、こうしようといろいろ考えるのだけど、実際に動くのはおっくう。
困ったのは計算がうまくできないこと。引き算や時間の見積もりがうまくできない。脳トレをしようとすると、頭の中がパニクる。
困っているボクと、それを笑いながら見ているボクがいるから、よけい困りものです。
次回は2010年5月11日(火)、更新予定です。
近所の地域活動支援センターで見つけた消しゴムたち。使うのがもったいなくなるほどかわいらしい
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