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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter61「複数の治療法から一つを選ぶようにいわれたが… その1」

 医療コーディネーターの実践を通してまとめた「患者が悩む意思決定トップ5」のなかから、今回から、「医者に複数の治療法を示され、そのなかから一つを選ぶようにいわれても、現実にはなかなか決められない」ことについて実際の相談事例をもとに解説します。

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 医療コーディネーターに寄せられる治療法に関する相談は、ほぼ2種類に集約されます。一つ目は、「○○という治療法を勧められたが、本当にそれでよいのだろうか?」という相談。二つ目は、「○○、△△、□□といくつか治療法があるが、そのうちのどれがよいか、次回の受診までに決めておいてくださいと言われたのだが、選べなくて困っている」という相談です。

 インフォームドコンセント(納得できる医療を患者自身が選択すること)の広がりに伴い、医療者は必要な情報を提供し、患者さん自身が意思決定をするという流れが重視されてきています。しかし、選択肢があれば人は決定ができるのでしょうか。残念ながら、簡単なことではありません。

 人が何かを決める際には、一般的な情報だけでは不十分です。その情報を自分自身に当てはめて考えてみることが必要となります。つまり、○○という治療法についての概要が理解できることは重要ですが、それ以上にその治療法が自分にとってどのようなメリット、デメリットを招くのかを知る必要があります。また、医師との信頼関係も重要です。この先生なら一緒に治療に向き合えるというものです。つまり、治療する医療者との信頼関係をいかに作っていくのかという点もおさえる必要があります。

 こうした点を中心に、次回からは実際の相談事例をご紹介します。


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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
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