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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第43回 夏休みスペシャル企画!【ほじょ犬、水族館に行く!!!(1)】

 さて、学校は夏休み真っ最中! 色々なところへお出かけされる機会も、増えているのではないでしょうか~? かくいう私も、朝6時半から子どもたちのラジオ体操に付き合い、「THE 日本の夏休み!」な気分を満喫しております♪(笑) 近くの河川敷で実施しているのですが、ジョギングやウォーキングをしている人の多さにビックリ!……もちろん、犬のお散歩もたくさん。今朝は大きなシェパード2頭引きをしたおじさんが、体操に参加していかれました♪ ただ、ラジオ体操が終わって、子どもたちがスタンプと参加賞のお菓子(お母さん方色々と工夫されています!苦笑)をもらって帰る頃には、もう暑いです……地表温度もドンドン上がりますので、特に犬のお散歩には注意が必要ですね~(涙)

 そんな夏休みのお出かけスポットの1つが水族館! 私も大好きな場所の1つです♪ 身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)たちも、ユーザーさんと様々なところに行きます。ユーザーである身体障害者は、健常者と同じように水族館へも行きますし、映画館にも、動物園にも、アミューズメントパークにも行きます。【行きたい時に、行きたいところへ行く】のは、障がいがある・ないにかかわりません。そんな時の補助犬たちの様子をご紹介したいと思います。

さてさて、水族館ってどんなところかな~?写真提供:社会福祉法人日本介助犬協会

 当会では、補助犬同伴受け入れに関しての調査の一環で、様々なところへの検証を実施してまいりました。補助犬3種のユーザーさんにご協力をいただき、実際に施設を利用してみます。施設側の方と事前に打ち合わせ、同行いただくこともあります。何より大切なのは、検証後のフィードバックです。終了後に関係者全員が集まり、それぞれの検証結果(ハード面・ソフト面の両方)や感想を伝えます。必要に応じて、改善策のご相談を受けたり、継続的なアドバイス契約を結ばせていただくこともあります。もちろんこれは粗探しではありませんので、良い対応も大いに見つけ、その部分は更に伸ばしていただきます♪

 ポイントは、【補助犬を同伴する身体障害者への対応】です。補助犬に対して「直接何かしないといけないこと」はありません。結局のところ【障害者を当たり前に受け入れられるかどうか?】最終的にはこれに尽きるのです♪

 実際に水族館での検証を行った際には、事前に水族館側の方と、『特に検証して欲しい箇所』について話をつめました。水族館側が特に気にしておられたのが、【オットセイのショー】でした(その水族館はイルカショーの前にオットセイのショーを実施されていました)。イルカがとても繊細な感情豊かな動物であることは、皆さんもご存知かと思いますが、オットセイはそれ以上に繊細で神経質なんだそうです。屋外のショーなのですが、上空にカラスが飛んだだけで、気が散ってしまいショーに集中できなくなることもしばしばあるそうです。ですので、会場に犬がいたりしたら、まったくショーに集中できないのでは?という不安があったようです。

 水族館の方も、ショーに対してはプロ意識を持っておられ、お客様に対して最高のエンターテインメントを実施し、楽しんでいただくことを当然のことながら目標としておられます。それにより、水族館にいる生き物たちへ興味を持ってもらい、学んでいただき、結果的に海洋生物を守るための環境保全に繋がることを目標の1つとしておられます。ですので、やはり正直なところ、「不安要素は極力なくしたい」というのが本音なのだと思いました。

 実際の検証の日は、訓練事業者さんにご協力をいただき、訓練犬をトレーナーさんに連れてきていただきました。他のお客様のいらっしゃらない閉館日に検証を実施いたしました。。。

 ショーの結果は…… まったく問題なし~! でした♪

 オットセイのトレーナーさんも驚かれるくらい、まったく気にする様子はなかったので、ホッと一安心。「今後は安心して受け入れられます」と言っていただき、当会としても良い検証ができたと思っております。ま、当然といったら当然、補助犬たちはショーの間中、ジーッと足元におりますので、きっとステージのオットセイやイルカたちからは認識できてなかったのではないかな~?と思われました。

 ただ1回だけ、トレーナーさんが「アッ!」と思う瞬間がありました……それは……

 「イルカショーで、イルカが客席へ鼻先で投げてきた大きなボールに、1頭の訓練犬が反応して、追いかけそう!になった瞬間」でした…(笑)。すぐにトレーナーさんが声掛けをし、もちろん問題はなかったのですが、犬にも個性がありますので、ボールが大好き!すぎる補助犬は、水族館のショーはちょっと気をつけておかれることをおすすめします♪(笑) (^_-)-☆

 さて、次週は、夏休みスペシャル企画!「ほじょ犬、水族館に行く!!!(2)」です。お楽しみに♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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