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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第226回 【災害弱者に対するサポート~災害弱者は障害者だけじゃない~】

 このたびの大阪府北部を震源とする地震により被災されたみなさまに心から謹んでお見舞い申し上げます。翌日からは雨もふり、余震も続く中、不安な時間が続いておられることと思います。1日も早く日常に戻られることを心よりお祈りしております。

大阪在住の元聴導犬レオン(左)現役聴導犬アーミ(右)

 地震発生のニュースを聞き、当会理事の半分が関西在住であったこともあり、すぐに安否確認を開始しました。当会理事の中には通勤途中の電車に数時間閉じ込められた者もおりましたが、まずは無事に車外に出ることができたと報告を受け、一安心しておりました。とはいえ、その後、数時間かけて職場のある大学まで行くのは大変だったようです。
 その後、当会のアドバイザーを務めてくださっている、聴導犬ユーザー安藤美紀さんからも報告がありました。「大阪ね、めっちゃ揺れていました。レオンは冷静、アーミは怯えていました。揺れる前に二人が3階に上がってきて、その直後、大きく揺れましたので、すぐに体勢を整えることができました。何かを感じて知らせに来てくれたようでした。」とのことでした。犬達も何か感じ、お母さんを守りに来てくれたのかもしれませんね。揺れが落ち着いたらすぐに犬達も普段どおり、お腹すいたアピールをしてきたようでしたので、安心しました♪

 それほど大きな被害報告がないかのように感じましたが、やはり時間が経つにつれ、被害報告も出始め、事の重大さがわかって来ました。
 当方でも、関西方面の補助犬ユーザーさんたちの安否確認を、各訓練事業者さん経由で実施しておりますが、現状大きな被害報告はないようです。とはいえやはり、通勤途中の電車内に閉じ込められた方がおられたり、家まで戻れたは良いものの、家の中の物が散乱していたり、ガラスが割れていたり。特に視覚に障害のある方にとって、普段とは異なってしまった自宅内の移動は危険をともなうものとなってしまい、非常に困難な状況です。もちろん、独居の障害者も多くおられますので、そのような時には是非とも周囲の皆さんで助け合い、ともに乗り越えていただきたく思っております。肢体不自由の方も、いつまた地震が来るかも知れない!と思うと、眠れぬ夜をお過ごしだと思います。また、聴覚障害者の方々は、タイムリーに情報が入ってこないことの不便さや不安を大きく感じておられると思います。
 ぜひ、皆さんお一人お一人が、「自分の周りにもサポートが必要な人が居るんじゃないか?」と想像力を働かせていただきたく思います。「何かお手伝いしましょうか?」の一言でOKです。自分の事を気にかけてくれている人が居る、それだけでも大きな支えになるはずです!

 地震発生の日に、当会ツイッターで発信した情報を紹介します。多くの方にシェアしていただき、嬉しい反響もありました♪

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 地震があった地域の皆様、夜になるにつれ不安な気持ちになったら、まずは深呼吸して下さい。
 皆さんの周りにも、障害がある方を含め様々なサポートが必要な方(災害弱者)がいらっしゃるかもしれません。高齢者や子ども連れ、ペットの飼い主、外国人の方も災害弱者です。地域で助け合い乗り越えられますように…

<視覚障害者のサポート>

 普段は地図が頭に入っている場所でも、障害物が散乱していると、方向を間違えやすいです。盲導犬がいても、頭の中の地図に当てはめながら歩くので、普段とは様子の変わった場所の移動はかなり困難。まずは「何かお手伝いしましょうか?」の一言を!今、あなたの一声が必要です!!

<肢体不自由者のサポート>

 緊急時に混雑した交通機関や施設を利用するのは心身ともに非常に大変です。「何かお手伝いしましょうか?」の一言で救われる事が多々あります!エレベーターが利用できず階段を利用する場合は、可能な限り4名で、少なくとも3名でサポートしてください!必ずその方に聞いてから!!

<聴覚障害者のサポート>

 聴導犬を同伴していれば、聴覚障害者の目印になりますが、連れていない聴覚障害者は見た目で判断できません。聴導犬が居ても緊急アナウンスの内容はわからないので、困っている様子の方が居たら「何かお手伝いしましょうか?」の一言を!スマホに文字入力して伝える事ができます!!
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 この発信をした後、コメント付でリツィートしてくださいました。「今日これをして頂いてうえの子と無事に再会出来ました。通訳して頂いた方ありがとうございます!しかも笑顔で困った時はお互い様です。と仰っていただいて天使かと思いました。」という素敵なエピソード♪こんな嬉しい発信が全国で増えてほしいですし、その先にはこの状況が【当たり前】になるよう、引き続き当会としても発信を続けていきたく思っております。
(参照:聴覚障害者の災害時に困ることって?パラパラ漫画

 どんどん、「お互い様」が当たり前の社会になりますように・・・

#補助犬 #ほじょ犬 #盲導犬 #介助犬 #聴導犬 #がんばれ補助犬 #当たり前

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 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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