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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第187回 SDGsと補助犬?

 各地での異常な大雨、突然の落雷や雹・・・これは日本だけのことではなく、南米チリでは数十年ぶりの降雪があったそうで、地球の悲鳴が聞こえてきそうです・・・ここ毎年の気温上昇や異常気象の様子をみていると、これは「今年が特別ではない」事がわかります。きっと、今後もどんどんと異常さに拍車がかかって行くと考えられます。とても恐ろしいことです。

 みなさんは「SDGs」という言葉を耳にされたことはありますか? 2016年1月1日「持続可能な開発目標(SDGs)」が正式に発効されました。

 このSDGsは、世界のリーダーが2015年9月の歴史的な国連サミットで採択した持続可能な開発のための2030アジェンダに盛り込まれた17の目標です。すべての国々に普遍的に適用されるこれら新たな目標に基づき、各国は今後15年間、誰も置き去りにしないことを確保しながら、あらゆる形態の貧困に終止符を打ち、不平等と闘い、気候変動に対処するための取り組みを進めることになります。(http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/17430/より抜粋)
(参照:国際連合広報センター

 今、私たち地球に住む人間1人1人に、問われている気がしています。何ができるのか?何をすべきなのか?少し、地球のためにできること、考えてみませんか?

補助犬達と一緒に、考えてみませんか?

 さて、今回は改めて、当会の活動を皆さんにご紹介したいと思います。
 日本補助犬情報センターって、どんな事をしているか?ご存知ですか・・・?

 当会のお話しの前に、まずは補助犬に関わるお仕事についてご紹介します。
 補助犬に関わるお仕事には、沢山の種類があります。皆さんもご存知だと思われるのが、テレビや本でもよく取り上げられる補助犬のトレーナーさん、つまり、訓練士さんではないでしょうか。実はこのお仕事、「犬を訓練する」という単純なものではないんです。盲導犬・介助犬・聴導犬それぞれに適性がありますので、動物行動学と動物福祉を学びながら、訓練技術を養って行くのはもちろんのことですが、盲導犬であれば視覚障害者、介助犬であれば肢体不自由者、聴導犬であれば聴覚障害者に関する知識や指導技術、心理学等様々な本格的な勉強を実施する必要があります。ですので、補助犬のトレーナーになるには、長い年月がかかるというのも理解できますよね? それぞれの障害に関する学術大会に参加して発表したり、現場における実証研究も怠ってはいけません。業界全体で成長するために、補助犬学会等も立ち上げられ、様々な関係者が連携しながら切磋琢磨されています。(補助犬学会:http://www.jssdr.net/annual-meeting-10/
 もちろん、社会福祉士さんも補助犬に関わる重要な専門職種の1つです。ご興味ご関心がおありの方は、是非とも補助犬学会のサイトをのぞいてみてください。

 そして、次に皆さんが見かけたことがある職種としては、普及啓発をされている職員さんではないでしょうか?学校での福祉授業やイベント会場にて、各補助犬のデモンストレーションを実施しているのを見たことがある方もおられるかと思います。その職員さんたちは、広く多くの方々に各補助犬の事を知ってもらうため、様々な場所でデモンストレーションを実施して普及啓発を担っておられます。

 これら、トレーナーさんも普及啓発職員さんも、各補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)それぞれの訓練事業者の職員さんです。その他、忘れてはいけないのが、犬舎管理の職員さん。障害者に対する指導は担当しないのですが、日々の犬たちの健康管理や衛生管理等の大切な業務を担っておられます。そして、こちらも目立たないながら大切なのが、事務局としてこの事業を縁の下で支えている職員さんたち。経理や総務等の業務の他、ボランティア対応等もされています。
 皆さんにあまり知られていない業務、まだまだあるんですよ。

 では、日本補助犬情報センターとは? こう尋ねられた時、私たちは「補助犬の何でも屋さん」と思ってください、とお答えしています。日本で唯一、犬の訓練をしていない、『情報提供・相談業務』を専門に実施する学術団体です(こう書いてもわかりにくいですね~)。各補助犬の訓練事業者さんはあるのですが、補助犬3種まとめて情報提供をしたり、企業研修を実施したり、また3種の訓練事業者さんやユーザーさんに協力をいただいてイベント企画・実施をしたり。また、受入れ方マニュアル&DVDの作成や、学校教育DVD&クイズブックの作成のほか、『補助犬』という切口で、様々な方からの相談に乗っています。全国のユーザーさんからも様々なご相談をいただくので、必要な行政窓口と人とを繋いだり、時に訓練事業者さんと連携をして、同伴拒否の解決をしたりしています。
 私たちが大切にしているのが、「人と人、人と犬、人と場所をつなぐハブになりたい」というミッションです。様々な方のお役に立てるよう、これからも頑張りたいと思います。そして、私達の活動では、障害者の方々の人権を取り扱い、守る活動をしています。私たちもSDGsの一部を担えるよう、今まで以上に様々な分野と連携して、更に更に成長していきたく思っております♪

 …と書いてもわかりにくい!ので、このたび、当会の活動を動画で紹介いただける機会がありました。是非、この機会にご覧頂き、現状の『補助犬を取り巻く課題』を知っていただけるととても嬉しいです♪ ⇒ https://gardenjournalism.com/project/hojoken/
 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えていって下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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