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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第182回 【FM radio J-WAVEで補助犬特集!】全文テキスト掲載!

堀:一方で、先ほど海外からの問い合わせということもありましたけど、海外からの補助犬についての日本の整備は万全なのか。急増する旅行客、そして2020年オリンピック、パラリンピック控えてますからね。現状、どうですか?

橋:そこも一つ大きな課題としてありまして、実は厚生労働省の方と連携して5月、先月ですね、海外のユーザーさんに向けて、日本の補助犬法のことを知っていただく、『海外のユーザー向けのポータルサイト』を制作いたしまして、厚生労働省のサイトにアップしていただいたのが、まさに先月なんですね。

堀:それは、日本国内の状況を海外に発信するということですか?

橋:そうです。まずは補助犬法というものがあるよ、ということを知っていただくということが最初ですし、また日本の気候状況とかも考慮して頂かないと、連れてきた時に、日本の真夏、アスファルトの上を歩かせるというのは大変なので。

堀:たしかに。

橋:実は私たち、オリンピック、パラリンピック大変だぞ、と思っていて。その時期 ちょっと犬も障害者も辛い、と思うので。

堀:そうかー、真夏にね。ペットを飼われてる方はぱっとわかると思いますけど、散歩やっぱり、日中のガンガン日が照ってる時は火傷しちゃいますもんね。

橋:ユーザーさんたちもそこは気をつけておられて、いつもの散歩の時間をかなり早朝にするとか、夜にするとかされているので。そのあたりは、日本のあらゆる情報を入手したうえで、万全を期して来日していただきたいので。いろんな情報を組み込んだポータルサイトになっています。

堀:そういう意味で言うと、国内の状況でもこれまでのところ、法律施行から15年。入店、何らかの拒否などにあった方、アンケート調査によると6割っていうのを聞くと、海外から、日本は法律があるんだ、大丈夫なんだ、って来て、色々な課題に直面すると、がっかりしちゃうっていうのは、そういう思いはして頂かないようにしたいですよね。

橋:はい。

堀:おもてなしを打ち出した、オリンピック、パラリンピックですから。
橋爪さんたちの取り組みによって、僕がなるほどな、と思ったのは、ホテルや宿泊施設の敷地のところに、補助犬用のトイレを設置するような事も、事業者さんと利用者さんとのハブになって設置されたりとか。こういう取り組みもやはり、これからもされ続けて、拡大していく?

橋:そうですね。本当に各所からお問い合わせ頂いていて、どういうものを作ったらいいんでしょう?という問い合わせが増えてきています。みなさんそういう、受け入れるお気持ちを持ってくださるのはすごく有難いなと思っているんですが、費用をたくさんかけて作って!と言っていることではなくて、受け入れる準備があるんだよというお気持ちが何より大切なんです。例えば、特別に作れなくても、駐車場のこのエリアはOKですよとか、こちらの植え込みはOKですよ、というご案内を頂ければ十分だと思っているので。その辺、色々悩まずにお気軽に御相談下さったらいいかなと思っています。

堀:そうですね。モコモコさんから、日本最初の盲導犬はシェパードのチャンピィ。子供の頃、ドキュメンタリーの文庫本を擦り切れるまで読んだ!という話もあって。

橋:ありがたいです。

堀:政治の世界ではどうですか?2020、レガシーっていう文言もありますけど、補助犬の分野に関しての反応は?

橋:補助犬議連という、法律が議員立法なので、補助犬議連がありまして、2002年の成立した時には、橋本龍太郎先生が会長を務めてくださっていて、ものすごく強力に推進してくださったんですね。すごく珍しいんですが、補助犬議連は未だに活動を続けています。

堀:そうですか。

橋:ほとんどの議連は法律ができた事で解散、となるんですけど、橋本龍太郎先生が「法律を作って終わりではない」と。この法律がきちんと、社会に理解されるまで活動を続けるんだということを言って頂いて、今も尚、毎年活動を続けていて、本当に実効性のあるものにしていこうと思っております。

堀:そういうことをちゃんとやってる政治家の皆さんは信頼して、次も頑張っていただきたいと思いますよね。

橋:本当に皆さん、いい先生ばかりで。

堀:改めてですが、どうやっていけば皆さんにとって過ごしやすい社会になるのか。この番組を聞いているリスナーの皆さんには、どんなメッセージを投げかけたいと思われますか?

橋:まずは一声かけて頂きたいんですね、補助犬のユーザーさんを見かけたら。その時は犬でなく、まず障害者の方に声をかけるというのをやってみて頂きたいなと思います。ただ、すごく勇気がいるんですよね、これって。

堀:そうですね、どんな一言目をかければいいのかなとか。

橋:まず、かけていただきたい言葉は、「なにかお手伝いできることはありますか?」この一言でいいんですね。その時に、もしかしたらその障害者の方にとって、声かけが20回目かもしれない。「もういいよ」って思われることもあるんです、障害者のかたも。その時に、「もう結構です」って言われたら、「せっかく声をかけたのに」とは思わず、そこは、「困ってなくて良かったー」と思って頂いて、また次声をかけていただいたら、きっと「たすかります、お願いします」と言ってもらえるチャンスはあるので。そういうお声がけをして、「今は結構です」「ありがとう」ということが、双方気軽に言えるような社会を目指したいなと思っています。

堀:本当ですね。今日は色々なお話聞けてよかったですよ。法律を作ったら終わりではない。これは本当に政治家の皆さん一人ひとりに、どんな法案であっても心がけて。我々もそうですし。僕らガーデンという取り組みを起こしまして、そこではNPO,NGOの活動の現場を取材しているんですが、そのガーデンの取り組みで日本補助犬情報センターの皆さんの現場を動画で、我々取材させて頂きまして、それが掲載されていますので、ぜひアクセスしてみて下さい。やはり、資金もみなさんからの寄付によって賄われている部分はありますもんね。

橋:そうです。みなさんのご支援によって、私達は活動ができていますので、もっともっと全国のユーザーさんたち、補助犬たちのために、活動を展開していきたいので、よろしくお願いします。

堀:ということで、橋爪さん、今日は貴重なお話ありがとうございました。

橋:ありがとうございました。

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 放送終了後、実際に「ラジオを聴いて、支援したいと思いました!頑張って下さい!」のメッセージとともに、こちらのサイトからのご寄付もありました。本当に有難い反響です。

 これからも、支援者の皆様の想いを全国のユーザーさん達に伝えらるような活動を展開し、全国の補助犬ユーザーさんと補助犬たちが、安心して活き活きと活躍できる社会の実現を目指して行きたいと思います!

 是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪


ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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