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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第171回 インクルーシブ防災と障害者差別解消法・・・

 さて、明日3月11日、忘れることのできない日が、今年もやってきます。あれから6年です。
 震災直後に約47万人だった避難者数は、翌年2012年4月に約34万4000人となり、2016年01月時点では約18万人まで減少しました。しかし、いまだに避難生活を余儀なくされ、また生きづらさを感じておられるたくさんの方がおられることを、私達は忘れてはいけません。

 また、同時に東日本大震災は、「インクルーシブ防災」の大切さを教えてくれました。(参照:第132回「防災と補助犬~障害インクルーシブ防災から学ぶ~」報告(1)

 皆さんもご自身やご家族のためにできること、するべきこと、そして地域・社会のためにできること、するべきことを改めて考えてみましょう。

補助犬たちは避難所でも心強いパートナーです!

 さて、インクルーシブ防災の基本は、「日頃の備え」です。日頃からのコミュニケーションがとれていなければ、いざ有事の時に、地域で『様々なサポートが必要な人を守れない』のです。
 ですから、日頃からのコミュニケーションを、サポートする側、される側、相互コミュニケーションをしていきましょう。
 難しいのは最初だけ。最初の1歩を踏み出せば、その後は自然に受けいれられるはずです♪
 そんな社会を作ろう!という1つの大きな指針が、『障害者差別解消法』です。

 当事者悲願の『障害者差別解消法』が昨年4月に施行されてから、まる1年が経とうとしています。皆さんの周りではいかがでしょうか? 少しずつ馴染んできて、変化が見られる頃かもしれませんね。

 とはいえ、当初心配していたほどのことでもなく、とても「普通」のことなのだ、と気付いていただけている人が多いのでは? と思っております。そう、この法律、特に難しいことを言っているわけではなく、当たり前のことを言っているだけなのです♪
 『障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら、共に生きる社会』をつくることを目指しています。そもそも、身体障害者補助犬法が目指してきた社会とも同じです。本当は、法律がなくても、目指すべき社会だと思っています。

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 ちょうど差別解消法施行直後に、「渋谷のラジオ」第1回ゲストとしてお呼び頂き、お話をさせていただきました。改めて1年経った今、皆さんの心にどんな風に届くのか? 是非、聞いてor読んでみてください。「そうそう、当たり前のことだよね~」って思っていただけるとうれしいです♪

  • 【文字情報】いまなら「ごめんなさい、ちょっと不勉強で」と言ってもいい。2020年には、どこでも補助犬を受け入れられる社会に。(渋谷のラジオ)
    https://note.mu/shiburadi/n/nfba60f296b18
  • 【音声情報】いまなら「ごめんなさい、ちょっと不勉強で」と言ってもいい。2020年には、どこでも補助犬を受け入れられる社会に。(渋谷のラジオ)
    https://note.mu/shiburadi/n/n063078fccf37

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 昨年から、障害者の不運な事故が続いたこともあり、メディア等で目にすることも多く、社会の皆さんの関心が高まったことは間違いありません。実際に、視覚障害者の方々は「駅のホームや街中で、とても声をかけられることが多くなった!」とおっしゃいます。とてもありがたいとともに、『困っていない時の断り方に、とても苦労しておられる』様子も伺えます。
 声かけをした人は、勇気を振り絞った最初の一声「お手伝いしましょうか?」だったかもしれませんが、視覚障害者にとっては、その日20回目かもしれない。そんな時に障害者の方は「今後も勇気を出して声かけしていただきたいので、むげに断ったら申し訳ない。。。」と思われる方も少なくありません。その辺りが難しい・・・
 そんな時にも、「あ、今は困っていないので大丈夫です♪」と気軽に言えて、言われたほうも「せっかく声かけたのに!」ではなく、「では、お気をつけて。(大丈夫ならよかった)」と簡単な挨拶程度のコミュニケーションが当たり前にできるようになると、もっともっと、障害者だけでなく、さまざまなサポートが必要な方々が、気軽に社会参加できるのにな~♪ と思っております。

 まずは、社会にいろんなサポートを必要としている方がいることを知ることから。そして、「何かお手伝いできることありますか?」の一言を♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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