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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第138回 よくわかる!補助犬同伴受け入れ方特集!~他のお客様への応対~

 さて、基礎編が終わりましたので、今回は『他のお客様への応対』について考えます。

「他のお客様のご迷惑になりますので・・・」と言われます。。。障害者が利用することは迷惑ですか?

 よく、同伴拒否に遭う際に、「他のお客様のご迷惑になりますので・・・」と言われます。お店の方はもちろん悪気はないと思います。ただ、実際にその『他のお客様たち』がどうおっしゃるか? その場で聞いてくださったことはありません・・・。ぜひ一度、聞いてみていただきたいな~と思ってしまいます。
 そして何より、目の前で断られた補助犬ユーザーさんにとっては「補助犬が断られた」=「自分が断られた」という意味なのだ! ということを、是非、意識いただきたいです。

 実際にユーザーさんが体験した話ですが、店員さんが「他のお客様のご迷惑になりますので・・・」と入り口で断った際に、それを聞きつけた店内のお客様が「オレは迷惑なんかじゃないよ。皆さんどうですか?」と店内のお客様達にお聞きくださり、誰も反対されなかったので、入店できたとの経験があったそうです。そんなことは、とてもまれなこと。このように周りの方から「大丈夫だよ」と言っていただけると、どんなに心強いでしょう・・・。

 『補助犬』に対するイメージはとても肯定的なものだと感じます。ユーザーさん達と街を歩いていると、あちらこちらから「お利口ね~♪」「偉いわね~♪」というプラスの言葉ばかり耳にします。なのに、こと受入れ側になった途端、「他のお客様にご迷惑になりますので(拒否)」となってしまいます。この違いはなんなのだろう? といつも考えています。

 もちろん、お店はビジネスとして成り立って初めて意味がありますので、「お客様がすべて!」なわけです。そこに立ちはだかるのが『リスク』です。
 「補助犬 → よくわからない → 不安 → 他のお客様にご迷惑? → リスクがあるかも? → 拒否 → いつまでも周知徹底されない」という悪いサイクルから抜け出せない感覚があります。

 もちろん、社会には『犬嫌いな人』『犬アレルギーの人』がおられることを、我々補助犬関係者は忘れてはならないと常日頃思っております。その上で、それらの犬嫌いやアレルギーの人も、補助犬を連れている障害者も、同じ1顧客として扱っていただき、共存できる方法を、ともに考えられればと思っています。
 正しく、知っていただけさえすれば、補助犬は安心して受入れて頂けることが、わかると思います。


 あとは、他のお客様に正しく説明ができるかどうかです♪

(対応例1)
  • お客様「なんで店の中に犬がいるの?」
  • 従業員「この犬はペットではなく、障害者の方々をサポートする犬です。身体障害者補助犬法という法律に則った同伴受入れとなりますので、どうぞご理解いただけますよう、お願いいたします。」

(対応例2)
  • お客様「私、犬が苦手なの。」
  • 従業員「かしこまりました。補助犬と離れたお席をご用意させていただきます。」

(対応例3)
補助犬ユーザーを席にご案内するとき
  • ユーザー「大人3人と子ども1名、介助犬同伴ですが、席は空いていますか?」
  • 従業員 「少々お待ちください」
  • (ご案内する席の近隣のお客様に対して)
  • 従業員 「お食事中、失礼いたします。お隣のお席に、補助犬をお連れのお客様をご案内しますが、よろしいでしょうか?」
  • お客様A「私、申し訳ないけどアレルギーがあるので・・・」
  • 従業員 「かしこまりました。それでは別のお席へご案内いたしますので、ご安心ください。」
  • お客様A「ありがとう」
  • (違う席に行って同じ質問)
  • お客様B「いいですよ。」
  • 従業員 「ありがとうございます。では、ご案内させていただきます。」
  • (ユーザーさんに対して)
  • 従業員 「お席にご案内しますので、どうぞ。」
  • ユーザー「ありがとう」

 このような感じで、受入れ店舗の皆様が、少しの声かけで、双方が安心して快適に利用できるようになるのです。障害者に優しい施設は、高齢者を初めとするすべての人々にも優しい施設だと感じます。是非、障害のある人もない人も、補助犬を連れている人も、連れていない人も、「みんな違ってみんないい♪」の障害者差別解消法の根本理念に基づいて、積極的対話により、社会参加促進がスムースになるよう、私達も引き続き、正しい情報発信、啓蒙活動に力を入れてまいります。

ご寄付のお願い

 当会の使命は、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人と動物に優しい社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • ※ 2015年7月、日本介助犬アカデミーより「日本補助犬情報センター」へ名称変更いたしました。
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