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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第114回 障害者に関するマークが増えました!

 一気に冬の寒さがやってきましたが、皆さん、お風邪など召されていませんか? きっと、これが本来の1月の寒さだったはず、とも思いながら、寒暖の差に身体がついていくのに必死です……。
 そんななか、連休の中日に、軽い登山に行ってきました。金時山という金太郎発祥の地。想定外の5歳の息子が登るスピードに付いていくのに、これまた必死でした。恐るべし5歳児……。日頃の運動不足を感じると同時に、息子の確かな成長を感じた週末でした。

障害者に関するマークが増えました!
「白杖SOSシグナル」

 白い杖を体の前に高く掲げ、立ち止まる人。

 これが何を意味しているのか、皆さんはご存知でしょうか?
 東京新聞(2015年12月8日朝刊)でも取り上げられたので、ご覧になった方もおられるかもしれませんが、これは視覚障害者が助けを求めるポーズで、「白杖SOSシグナル」と呼ばれます。
 ポーズが考案されてから40年近く経つようですが、一般的に知られていないばかりか、当事者の白杖使用者の間でもまだ一般的ではないようです。今後は関連団体がさらに普及に努めるということですが、現在はこのシグナルだけが一人歩きしている状態なのかもしれません。
 障害者マークについては、以前のブログでもご紹介しましたが、昨年10月より、この新しいマークが、内閣府のホームページに追加されています。

 前述の新聞記事には、東京新宿の雑踏の中、白杖をまっすぐ掲げた視覚障害の男性が中央に立ち尽くす様子が紹介されています。周囲が全く気にせず行きかうスピード感も感じられ、何とも切なくなる写真です。
 以前のブログでも紹介しましたが、視覚障害者の方は、頭の中に「メンタルマップ」という地図を思い描かれ、その地図の中では白杖または盲導犬と共に行動ができるのですが、知らない場所であったり、いつもと違う道に迷い込んでしまった場合、身動きが取れなくなります。

メンタルマップについて

 そんな時には、必ず誰かの助けが必要となります。ただ、視覚障害者にとって、「人がいつ通るのか?」を目で確認することができないので、声をかけるタイミングがとても難しいのです。

 例えば、皆さんが観光地などで、誰かに写真を撮ってもらいたいと思った時はどうされますか? 周囲を見渡し、自分と同じ家族旅行のFamilyやデート中のカップルに声をかけませんか? しかも、できるだけ感じが良さそうな方を……(笑)。
 視覚障害者は、このような行動が取れません。気配を感じてからでは、通り過ぎてしまったり、ましてや感じがよいかどうかなどは、見えないのですからどうしようもありません。視覚障害者の中には、「ずっと、『誰かお手伝いをお願いします!』と声をかけ続けるよ」という方もおられますが、これも大変なことです。

 今回の報道で皆さんに知っていただきたいのは、「同じ社会で困っている人がいるんだ、自分にも手伝えることがあるんだ」という事実です。
 目の不自由な人がいたらほんの少し注意して見守り、困っていると思ったときはもちろん、たとえ困っているように見えなくても、このままでは危険だと思ったときには声をかける、というさりげない配慮ができる大人が増えれば、子ども達も自然と身に着けてくれると感じています。
 本当は、「補助犬マーク」同様、このようなマークがなくとも、困ったときには「当たり前に」サポートを受けられる社会が理想ですよね♪

 新聞記事の最後に、日本盲人会連合の鈴木孝幸副会長のコメントがありました。
「日盲連の鈴木孝幸副会長(59)は『近年は歩きスマホの人がぶつかったり、その結果、白杖が折れるトラブルも起きている』と、社会の無関心を懸念する。『欧米やアジアでは、普段から健常者に声を掛けてもらうケースが多い。日本でも、私たちのことを気にかけてもらえれば』」(東京新聞2015年12月8日朝刊記事より抜粋)
 そういえば、私もマタニティマークを付けていた時、電車内で席を譲ってくださったのは、外国人男性でした。

 今年の4月からは、障害者差別解消法もスタートします(「障害者差別解消法リーフレット(わかりやすい版)」)。
 2020年の東京パラリンピックまで、あと4年。今一度、私たち1人1人ができることを考えてみたいですね♪ まずは、正しく知っていくことから始めましょう。

ご寄付のお願い

 当会の使命は、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人と動物に優しい社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • ※ 2015年7月、日本介助犬アカデミーより「日本補助犬情報センター」へ名称変更いたしました。
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