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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第23回 「ほじょ犬都市伝説 その3 ……ほじょ犬のストレス?(1)」

 東日本大震災から3年が経過しました。あらためて、震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに、今なお不安な生活を余儀なくされている方々が、一日も早く安心できる暮らしに戻れますよう、心よりお祈り申し上げます。被災地から離れていても、忘れずに、考え続けていきましょう……

 さてそんななか、ソチパラリンピックでは、素晴らしい選手たちの活躍が繰り広げられています。勇気づけられますね!

 メダルを取った選手はもちろんのこと、その他の選手たち一人ひとりにもドラマがあります。報道などでそんな情報に触れると、より感動し、勇気づけられます。

 また、東京スカイツリーも東京タワーも、パラリンピックを応援して、金メダル獲得に応じて特別ライトアップしているってご存知でしたか? そんな楽しみ方もしてみてください。。。会期は16日までです!

信号の終わりの段差を教えてくれたので、『Good~♪』とほめます。

 皆さんは「ほじょ犬のストレス」と聞くと、どう思われますか?

 よく耳にするのは、「厳しい訓練でかわいそう」「ずーっとお仕事していてかわいそう」といった声。私たちは、未だにそう思われている事を肝に銘じ、だからこそ、本当の姿を知ってほしい!と啓発活動に力を入れております。

 まずは、訓練について……

 『叱る訓練』は、もう何十年も前の話。今や世界的に、『ほめる訓練』が犬の訓練界の主流です! だから、「厳しい訓練でかわいそう」ではないのです♪

 犬の訓練の中で、『叱る』ということは、究極的なタイミングが必要!と言われています。やってはいけない行動をした瞬間に、叱らないと意味がないからです。

 例えば、犬が排泄をしてはいけない場所で排泄をしたとします。その瞬間に立ち会っていれば叱ることも可能ですが、知らないところでやっていて後で見つけて気づく、ということが多くあります。

 後から、「どうしてこんなところでしちゃったの!?ダメでしょ!」と叱ったところで、犬は何を叱られているのか、理解することが非常に難しいのです。……これって人間の子どもも一緒ですよね?

 他の犬に気をとられそっちに行きそうになった瞬間、視覚障がい者が、タイミングよく「ダメ!」と言えるでしょうか? また叱る訓練では、タイミングよく『リードを強く引っ張る』方法なども使われますが、手に障がいのある肢体不自由者には無理な作業です。そして、周囲の音からの情報が入ってこない聴覚障がい者にとっても、タイミングよく叱り続けることは難しいでしょう。

 このようなことがあるため、ほじょ犬は、『叱る』ではなく究極的な『ほめる訓練』をしていきます。ほじょ犬は、笑顔一つ、表情一つでコミュニケーションが取れ、絶えず「大好きなお父さん(お母さん)に、どうしたら褒めてもらえるかな~?」と考えているハッピーな犬たちなんですよ♪

 ほじょ犬たちと、ユーザーさんの間には、素敵な時間が流れています。今度、街でほじょ犬を見かけたら、ぜひそんな眼で見てみてください。


 次回は、「ほじょ犬都市伝説 その4 ……ほじょ犬のストレス?(2)」です。お楽しみに♪

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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