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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第87回 最もシンプルで、最も大切なこと……?

 前々回、前回と、2015年5月29日(金)に報道された「盲導犬の同伴拒否報道」について、書かせていただきました。が、当然回答があるわけでもなく、私の中でも、まだ少しダメージを引きずっています。なんとも残念すぎて……


 とにかく、「盲導犬同伴拒否がありました。残念です」で終わらせるのではなく、これを生かして、次に繋げなくては……

子どもの想像力は無限です!
ほじょ犬たちは、たくさんのことを教えてくれます♪

 数日前のお風呂の時間、小2になる娘が髪の毛を洗っている時に、4歳の弟がおふざけをして電気を消してきました。怒ってもまた消すだけなので、しばらく放っておきました。そのとき、ふと娘が暗闇で髪の毛を洗いながら、「目が見えない人ってずっとこうなんだよね~」と一言。。。その後、シャンプーとリンスのボトルのギザギザを手の感覚で確認し、「こっちがシャンプー」と自慢げに教えてくれました。以前、伝えたことを覚えていてくれたことと、そんな発想を自発的にしてくれたことに、わが子ながら感心しました。

 その後、私の友人の話をしました。「あなた(娘)がお腹に来てくれたまだ豆粒くらいのときに、ママのお友達の盲導犬ユーザーさんとね、1年ぶりくらいに久しぶりに会ったの。そのときに『○○さん久しぶり~』と最初に挨拶しただんだけど、その一声で、太ったか?妊娠したか?だな~って、わかったんだって~」(第11回 盲導犬ユーザーから学んだこと…「太ったことがバレる?」)と話したら、すかさず、キラキラした眼差しで、「すっごいね~♪」と。。。

 最近、特に感じます。この子どもの頃の感覚こそが、何より大事なのじゃないかな~?と。この想像力をそのまま伸ばしていってやることが大切なのだろうな~と。

 うちの子達は、母がこんな仕事をしているので、障害者の方々とよく会います。母の友人には、ステキで格好良い障害者のお友達がたくさんいます。そして、母はそんな友人達と【当たり前】に楽しく話しています。そんな姿を見ているうちの子達は、聴覚障害の友人に「聞こえないの?」と面と向かってニコニコ聞いたり、「なんちゃって手話」で話してみたり、点字ブロックの上を目をつむりながらどこまでわかるか?やってみたり、ママに「盲導犬になって」と言って目を瞑って手をつないできたり……。

また、車椅子をジーっと見て「かっこいい~♪」って思ったり、違法駐車の自転車を見ると「車椅子の人が通れない!」って怒ったり、階段の近くにスロープを探してみたり、街中でお散歩中の大型犬を見ると「介助犬?」と聞いてきたり、お散歩中の小型犬を見ると「聴導犬?」と聞いてきたり……(笑)。

 皆さんは、2014年にノーベル平和賞を受賞した、マララ・ユスフザイさんをご存知でしょうか?そのママラのお父様がこんな事を仰っていました。(http://www.ted.com/talks/ziauddin_yousafzai_my_daughter_malala?language=ja

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 周りの人達から マララみたいに強くて 勇敢で雄弁で 落ちついた子供の 育て方の秘訣を聞かれます 私の答えは 「私が何かしてあげたのではなく あることをしなかったお陰でしょう 彼女の『翼』を切り取らなかった それだけです」
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 子どもの想像力は、無限だと感じています。その翼を最大限に伸ばしてやれるか、切り取ってしまうかは、親を始めとする周囲の大人たちにかかっていると思います。子ども時代にどういう体験をしているか? そしてその体験がどう生きているか? そしてその時の想像力を持ち続けていられるか?

 補助犬の問題だけではなく、障害者を始めとするマイノリティと言われる方々の問題や、最近よく問題視されている貧困問題、強いては環境問題も、戦争問題も……すべてに共通して大切なキーワードは、「相手の立場に立って想像できる心」なのじゃないかな~と、最近特に感じています。

 これからも、社会に対して、「いろんな人がいて、すべての人がそれぞれにステキな存在♪」そして、「障害のあるなしに関わらず、各自ができるお手伝いを当たり前にできる社会♪」を目指して情報を発信していきたいと思います。これからも、応援よろしくお願いいたします。

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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