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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第86回 続・盲導犬の同伴拒否報道について考える……

 2015年5月29日(金)に報道された「盲導犬の同伴拒否報道」について、前回に引き続き、考えてみます。


衛生管理も行動管理も、ユーザーの責任のもと
バッチリなんです!

 前回のブログに、いくつかのポイントを書きましたが、それらを知る中で、「地域性」というものを感じました。まず、【補助犬法の周知】に関しては、地方へ行けば行くほど、まだまだ徹底されていないでしょうし、それこそ「補助犬自体を見たこともない」方が、ほとんどでしょう!(補助犬全国分布

 残念ながら、この物理的なポイントは、一朝一夕に解決できるものではありません。また、障害者について考えたり、体感したりする機会も、地域によって格差があると思われます。今回、ホテルの手配を1件1件歩いて回られたという所にも、地域性を感じざるを得ません。電話口で拒否され、説明に出向くならまだしも、面と向かって断られるのはダメージも強いですし、何より徒歩で回るには件数の限度があります……。

 我々はどうしても、ほじょ犬のことに関心を持ってくださっている方々との関わりが強いので、錯覚を起こしがちですが、まだまだ、日本国内の多くは「補助犬に関する情報がゼロ」である意識を持たざるを得ないのだろうと、今回の報道で再認識いたしました。

 だとすると、そんな方々に周知徹底するには、どうしたら良いのか? 身体障害者補助犬の問題は「犬」の問題ではなく、「障害者」の問題である! ことの啓発が、まずは必要です。今回、双方にその意識がどこまであったのか……。もし、その意識が十分にあれば、受入れ側も無下に断ることはしないのではないでしょうか。また相談先としても、障害福祉課などの窓口に、すぐに相談できるようになることが理想です。受入れ側は「犬(ごとき)」と思っての拒否が多いのが現実ですが、断られた当事者は、補助犬を同伴する「障害者である自分」が拒否された!と感じてしまいます。(第73回 飲食店の大きな誤解!

 今秋に地元で盲導犬啓発イベントが企画されるとのことですので、そこで正しい情報を周知していただき、地域のホテル業組合等にも働きかけていただいて、今後は同様の拒否が行われないようにすることが、今できる最大限のことだと思われます。「室蘭から全国へ発信するくらいの動きになると良いですね♪」と北海道盲導犬協会の方ともお電話で話しました。社会全体で期待&フォローしてまいりましょう!!!

* * * * *

 先日5/22の「ほじょ犬の日啓発シンポジウム」の基調講演で、全盲の弁護士・竹下義樹先生が、このようなことをおっしゃっていました(詳細に関しましては、後日ご紹介します)。

 「補助犬法は非常によくできた法律だ」としたうえで、「障害者権利条約と障害者差別解消法と補助犬法を一緒に考えなくてはならない」と話され、「来年4月から施行される障害者差別解消法では、障害当事者側からの情報発信・提供が鍵となってくる!」とのことでした。

 残念ながら、障害者差別解消法が施行されるからと言って、すべてが解決するわけではありません。特に、今まで、『まったく障害者と関係したことのない、知識も技術もない方々』に対して、障害当事者側から「何をどう準備すればよいのか?」を伝えなければなりません。最初は、何度も同じことを説明しなくてはならず、大変かとは思いますが、社会の成長のため、頑張っていただきたい!と思います。

 もちろん、国や自治体は、何よりも周知徹底に力を入れなければならないでしょう。ただ、「法律ができました~」ではなく、基本的な道徳教育の徹底改善がすべてにおいて急務!だと感じています。「何かお手伝いすることはありますか?」との一言がスムーズに言える社会へ。あとは、経験が重なっていくことで、いつかそれらは【当たり前】になります。。。(と、文章にすると、とてもシンプルで簡単なことに感じますが、シンプルだからこそ難しいのでしょうか…)

 当事者の努力だけではなく、それを全面的に周囲の私達がサポートすることも重要です。様々な立場から地域ぐるみで学ぶ機会を作ったり、様々な受入れ業態の同業者組合や協会等に、積極的に周知徹底を多方面に呼びかけるなど、社会全体でサポートしていきましょう。何より、当事者の方々の苦労が最小限に済むようにすることが大切です。

ご寄付のお願い

 当会の使命は、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人と動物に優しい社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • ※ 2015年7月、日本介助犬アカデミーより「日本補助犬情報センター」へ名称変更いたしました。
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