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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

第85回 盲導犬の同伴拒否報道について考える……

 すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2015年5月29日(金)、とても残念な新聞報道がありました。。。


身体障害者補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)の同伴受入れは義務です!

 当会も取材を受け、コメントをお伝えしましたが、なんとも時代を逆行するような内容に、正直初めは耳を疑いました。Facebookでお伝えした際も、多くの方がシェアしてくださり、心強いコメントをくださった一方で、長年がんばって来られた補助犬ユーザーさんのコメントには、「この10年以上の啓発は何だったのだろう?」と落胆の色を隠せない投稿もありました。本当に悔しいです……

 ただ、私はこの報道に、もの凄く違和感を覚えました。正直、受入れ難かったのも事実でしょうが、単なる単純な受入れ拒否とは思えなかったのです……

 以前にもこのブログで、同伴拒否を受けた補助犬ユーザーさんの気持ちを紹介しました(「第73回 飲食店の大きな誤解!」)。これはまさに、この同伴拒否をされた時の「当事者の気持ち」を、皆さんに知っていただきたく書かせていただきました。

 今回、最初に「宿泊先3軒に盲導犬同伴を断られて、卓球大会が中止になった」と聞いただけでは、どうも腑に落ちないところがありました。ですので、記者さんに掘り下げて聞いてみたのです……。すると、いくつかのポイントが見えてきました。

  • (1)「補助犬法」の周知徹底がまったく足りていない!(何より重大な問題です!)
  • (2)ホテルの手配は当事者ではなく、現地大会運営メンバーの1人が取りまとめて担当。3軒のホテルを徒歩で確認して回られ、立て続けに断られて断念した。拒否された際に、「正しい補助犬の説明がなされていない」であろうことが考えられる。
  • (3)同伴拒否された際に、自治体の相談窓口や盲導犬訓練事業者等の機関への相談がなかったため、正しい理解を求めることすらできなかった。
  • (4)宿泊手配から大会当日まで日程の余裕がなかった

 当会では、様々な窓口に相談しても解決しなかったような、複雑な同伴拒否事例のご相談を受けてまいりましたが、今回の事例は、「卓球交流会を中止にしなければならないほど」のトラブルだったのだろうか?と考えてしまいました。

 何度か、正しい介入ができるチャンスはあったと思われますが、それらすべてが上手く機能できず、「中止」という最悪の結果に繋がったのだと思います。また、ホテル側が最初に拒否したとしても、正しく説明をし、正しく理解してもらった上で、補助犬同伴の利用がかなえば、何よりの啓発になったであろう絶好のチャンス!も、ないままになってしまったことが、何より残念でなりません。

 ですので、今回の事例に関しては、決して、同伴拒否したホテル側だけの非ではありません。周知徹底が実施できていない国はもちろんのこと、地方自治体、そして訓練事業者、主催団体の準備・情報収集と地域・参加者との連携、そして情報提供・相談機関である当会、各方面に各種の課題を与えられたと感じています。そこには、全国各地に存在する地域格差なるものも、見え隠れする気がいたしました。

 私たちは、どうしても自分の周囲の環境をベースに物事を考えがちです。しかしながら、社会環境の地域格差はとても大きく存在すると思うのです。今一度、今回の問題が起こった「室蘭」という地域性も考慮した考え方をしないといけないと思いました。

 続きは来週のブログで……

ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より

 当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
 皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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