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荒川区男性介護者の会の「オヤジの介護」

仕事観

 7年前に亡くなった父親を介護していた頃は、出張など自分の仕事の都合でデイサービスやショートステイという介護サービスも度々利用した。正直言えば今の状態でもたまには母にそうしたサービスを受けて欲しいと思う事がある。しかしこの件に関しては母の同意が得られない。私が仕事で帰れないなら知的障害のある弟と二人でなんとかするから心配せず出張にでたらいいと言う。「心配せず」というのは無理な話だ。普段でも私の仕事中に「すぐ帰って来てほしい」と連絡を入れてくるのは誰なのだ?

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 私の家の近くでは午前中、母をクリニックに送迎する際もデイサービスを利用する高齢者を施設の車両が迎えに来ているのをよく見かける。利用しているのは認知症を患った高齢者が多い。母の認識では「頭がしっかりしている間は利用するものではない」と思っているらしい。亡き父が利用していた頃の印象が強いのだろう。
 私自身はまだ働き盛りである。たまには思いっきり集中して仕事に没頭したいと思う事もある。
 社会人になって10年間は普通の会社務め、その後社員としての身分は一応保障されているもののフルコミッションの業界へ転職。全ての仕事を自分で組み立てる環境があったから、両親の介護もしてこられた。「介護リーマン」なんて言葉もあるように普通の会社務めをしながら介護をしている方もいるが、私の場合父が生きていた頃は、父要介護5、母要介護1、弟愛の手帳3度である。9時~5時の会社勤めをしながらの介護は少なからず私には不可能だった。
 介護を始めるまではサラリーマンに戻りたいなどと思った事はあまりない。絶えず周囲の状況に左右され仕事に追われるサラリーマンよりも全て自己責任で仕事を追いかけ、挙げた成果の分だけ報酬をとるという世界に満足していた。皮肉なものでこんな環境になってみると普通の会社務めをしていた頃が懐かしい。今もサラリーマンだったらどのくらいの役職に就けていたのか部下は何人くらいいたのかなどと想像してしまう。やはり「戻れない」という状況になると「戻りたい」と思うのが人情なのか? 趣味で参加しているソシャールネットワーキングサイト(SNS)mixi(ミクシィ)の日記でもついサラリーマン時代の仕事の話を書いてしまう。
 男性介護者は増え続けている。要介護者に対する虐待は女性が介護している場合よりも多い。多くの男性がもつ狩猟本能が介護という農耕民族的作業に抵抗感を抱いている事は否めないのではないだろうか。


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プロフィール
荒川区男性介護者の会
(通称:オヤジの会)
妻や両親を介護している男性、介護をしていた男性を中心とした「男性介護者の会」の先駆け。東京都荒川区を中心に、住み慣れた地域で暮らす家族介護者の支援を展開している。定例会での介護の悩みや意見交換のほか、行政や地域の企業や商店、研究者、他の介護者の会などと連携をしながら、様々な情報発信を行っている。
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