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野田明宏の「俺流オトコの介護」

男性在宅介護者への応援歌

 時々、男性在宅介護者について考えることがある。介護者の三分の一ほどの人たちが男性だと言うのだから。確かに、在宅介護現場を訪ねて男性介護者とかち合うことは増えた。とはいえ、どうにもそこまでの人数が存在する実感は湧かない。明言する。介護を実践していることと、被介護者が家族にいる・見守りだけをしていることは全く異なる世界だ。
 男性介護者のみの会もアチコチに起ち上がっている様子だけれど、今、オレは参加する気持ちはない。だって、女性がいる方が楽しいもの。心底から正直に言わせてもらえれば、女性と会話できるだけを楽しみに参加する男性だって存在して不思議ではない。美しい女性でもいれば。可愛い娘でもいれば。介護者であっても介護職員だって構わない。オレは色香が漂っている方が嬉しい・楽しい。生きてるって感じ。むさ苦しいのは勘弁。
 嗚呼! そうか。失言か? 
 奥様を介護されている方は、色香を感じに出向くのは不謹慎でもあるか? オレは母親介護だからなあ。
 もっとも、男同士でしか語れない悩みはある。在宅介護からの閉塞感。社会からの離脱。更に色々あるだろう。孤立、孤独。寂しさは込み上げてくる。
 オトコが自身の孤独をシミジミ語るとき、オレはオトコの方が良い。オレなりのプライドだけど、オンナには語れない。沽券に関わる。オトコの値打ちとでも言うか?
 偉そうに書いてしまったけれど、
 「オレ、おまえと逢えないと寂しくて辛い。心が凍えてる」
 恋愛という範疇では、失礼。もとい。片思いというレベルではありましたが、何度も何度も寂しさを訴えてまいりました。電話しながら頭も下げました。矛盾? スミマセン。
 でも、恋愛や片思いは良識・常識を駆逐するからなあ! 
 惚れる。素晴らしいことだけど、恐いことでもあります。
 まあ、多くの男性在宅介護者が、介護だけの悩みを抱えて介護しているわけではない事を記したかったわけだ。もちろん、女性在宅介護者にしても然り。
 やれやれ。何が本道で、何が横道か分からなくなってきた。
 「こんな原稿では、私の心に響きません」
 担当のT女史からお叱り、書き直しを命じられるかも? (^_^;)
 で、ここからが今回書きたかったことなのだが、とりあえず写真を見て欲しい。

71.png

トリーミング

72.png

 結果的にはこの写真、やらせモードではある。オレ的な気持ちでは、ついさっきやった事を正しく再現した、と申し上げたい。
 実は、ハッ! としたのだ。
 この後、母を入浴椅子に着座させるために両腕で担ぐわけなのだけれど、この時点では母に衣服を着せている状態。入浴椅子に座らせてから着せても良かったのだけれど、肘掛けが邪魔をする。車椅子は肘掛けが上がって衣服の着脱はやりやすいのだが、また改めて母を担ぐ必要がある。車椅子。レンタルのモノだが、2時間座るには少し幅が狭いのだ。オレは、色々考えるのですね。
 なので、ベッドに着座状態を保持しながら服を着せたのだが、維持するために、母はオレの身体にのめり込んでいる。オレの顎で、頭も押さえられてもいる。
 だからといって、この手法を変えようとは思わない。これでズーートやってきたのだし、母を身体で感じることもできる。
 母に迷惑?
 度々、そんな忠告を受ける。いや、お叱りだな。
 でもなあ!? オトコの介護なんていうのは、こんな調子で良いのでは? 誰もが、“介護ど素人”からの開始のはずだから。一所懸命なんだけどね。
 こんな調子でやってきて、7月29日が来ればオレの在宅介護も10年目に突入だ。
 不手際ばかりだったけれど、そんなオレでも長くやってこれた。オレ流。ストレスがないのだ。
 正しい介護は、ある。と思えばあるのだろう? だけど、オレ流、自分流というのは大切な気がする。
 ポリシーと表現すれば大袈裟になるが、自分を余所へ置いて長く介護はできないとオレは信じる。
 オレを、自分を信じて頑張ろう! 踏ん張ろう!
 オレ流、男性介護者への応援歌でありました。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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