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野田明宏の「俺流オトコの介護」

バス車中で

 母が3泊4日のショートステイに出陣した間の夕刻。独り呑む晩酌の量は多くなる。独りで呑むことには慣れた。まずは解放感。そして若干の寂しさ。次第に人恋しさも湧いてくる。まあ、それなりに哲学しながらチビチビとやる。
 冬場にズーーート継続してきた日本酒一筋から、最近はビールを加えた。もっとも、シャワーを浴びて直ぐの350ml1缶のみ。
 美味い! 
 季節の変化を五臓六腑に染み渡らせながら。
 その後、冷やしてある安価な日本酒を2合ほど呑む。肴はカツオのタタキが中心だ。人恋しさを募らせながらも、それに耐えつつ。独居老人の走りを体感しているようなものだ。
 友人を誘って呑みに出ることも考える。が、外に出て呑むことにも疲れるのだ。先に独居老人の走りと記したが、老人の走りなのかもしれない。
 ハー。やれやれだ。なんか、ちょっと弱気?
 梅雨入りがとんでもなく早かったし。かなりジメジメしている。ただ、外の雑草に目を向けると、それなりの風情もあった。真ん中の水滴。ヨーク観ると、オレが写っているのが分かるかなー? \(^O^)/

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 さて、昨年末に引っ越しをしてから、オレにとってのJR最寄り駅というのが無くなった。以前は、ママチャリ漕いで5分の距離に、岡山と兵庫県の赤穂を結ぶ赤穂線の駅があり、この駅を中心にしてオレは動いていた。
 ところが今、最寄り駅となるとママチャリ漕いで30分以上かかる場所になる。もはや、これは最寄り駅という範疇から逸脱。ローカルなのだ。
 だから、まずはバスに乗って動くことになった。これもハンディあり。以前のバス乗り場は始発駅。ほぼ確実に座れた。今、停留所はバス路線のほぼ中間に位置しており、通勤時は間違いなく座れない。若い頃、座ることなど全く意識していなかったのに。
 そして本題。
 バス停留所から乗り始めて気づいたことがある。いや、以前から気づいてはいた。ただ、体感として気づき始めたということになる。
 プライベートでも取材でもバスだから、アチコチの病院前の停留所から乗車してくる人たちを見る。老人。障害者。特に、脚の弱っている老人。脳疾患関係からか? 麻痺を持った人たち。
 この方々、乗車することに健常者よりかなり時間を必要とする。致し方ないことだ。ゆっくりマイペースで良いのだ。権利はないけれど、世間のおおらかな視線と慣習で補える。と記しつつ、ときにイライラするオレがいる。
 で、乗車することに時間が必要ということは、下車するのにも時間が必要となる。これを、障害を持っている人たち、ご本人自身が一番良く理解している。だから、バス後部に空席が目立っていても、前部へ前部へと視線が向く。皆が皆ではない。でも、失礼極まりないかもしれないけれど、オレは興味を持ったので観察してきた。乗車して前部を意識してる人ばかりだ。
 つまり、これは、他乗客に迷惑を掛けたくないことからの姿勢なのだ。オレも座骨神経痛で5分の歩行継続が困難だった頃、バス乗車の乗降口の段差がキツカッタし、自然に乗車してから空席探しは前部であったから。
 障害を持つということ。持ちながら世間と繋がっているということの厳しさと謙虚さ。なにげないバス車中風景から勉強させてもらった。
 ところで、なんだか暑い。岡山では平年より暑い日が続く。今夏、たぶん厳しい暑さなのだろう。酷暑。
 だけど、日本国のエライ政治家さんたちの発想によると、電力節約につき、エアコンは止めて扇風機で乗り切ろう案が浮上している。家庭での生活においてだけれど。
 オレが想像するに、お年寄りには絶対にキツイ。オレもシンドイぞ。だけど、生誕した瞬時からエアコンと共に生活してきた世代である若者の方が耐えることにキツイような...
 なんだか、とんでもない時世になりつつある予感がしているのはオレだけだろうか?

帰宅だー それー

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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