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野田明宏の「俺流オトコの介護」

もし、母と私二人ならば

 この度の地震・津波でお身内を亡くされた多くの皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。
被災されたあまりの多くの皆さま。お見舞い申し上げますとともに、お疲れ出されませんようにと願うばかりです。

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 さて、巨大地震が起きた3月11日早朝、母は爆睡していた。噎せることもなく異常発汗もなし。あまりに可愛く見えたもので写真に納めることにした。日の出も早くなり、背景が良い塩梅なので真横から。
 この瞬時、母と二人切りのの生活だけれど、なぜか幸せが込み上げてきた。母の頬を撫でながら、この瞬時の幸福感が失われないように。まだまだ継続できることを切に願った。

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 この日の前日になる3月10日。オレは母の写真を撮りにデイサービスへ出向いていた。
 なぜ? 母の排便の日なのだ。排便を促すためにヨーグルトを食べてからを、今も実践してくれている。母は1週間に1度排便する。させる、が正しい表現かもしれない?
 実は、昨年8月27日にも同様の事を記している。ただ、あの日以降、母に大きな変調があったり引っ越しもした。そんなドサクサを駆け抜けてきたものだから、ヨーグルトを飲むという慣習は無くなっていると勝手に思い込んでいた。
 写真を撮りながら驚いた。母が、必死の形相で食べている。一生懸命そのものだ。でも、これは昨年8月も同じだった。ただ、母が口にしているヨーグルトのトロミ具合。サラサラ感が一層サラサラとしているように見えた。
 嚥下障害。喉を上手く通過させるためには、個人の障害程度によって固形化に配慮・気配りしなけらばならない。オレも極めて注意した。だから、母にこんなサラサラを飲ませた記憶がオレにはない。
 「ワアー! まだこんな飲み物らしいトロミ食が飲める? 食べられる? んだー」
 サプライズ。まだまだ行けるぞ、を体感。母の燃え尽きていないエネルギーを垣間見た気がした。
 
 話を巨大地震に戻します。
 今、被災した方々は、日々を生き残ることだけに精一杯なはず。若く健康な人でさえ、耐え抜くこと尋常ではないと想像できます。
 もし、母と私が同じ境遇下にいたとしたら、二人で生き残ることは可能なのだろうか?
 母を捨ててしまうのではないか?
 深く、真摯に、他人事ではなく、考えさせられる今です。
 

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コメント


はじめまして
ふかふかと申します。
ブログを拝見させて頂いております。
アルツハイマーの家族を介護している、素人です。
プロの方が読まれましたら、訂正願います。
お母様は気管切開をされておられない様ですね。ご自分の唾液を飲むお力がおありなのでは…だから ゆるいヨーグルトが召し上がられるのでは…
日に一リットル以上の唾液を飲まれているのです。
ただ機能は落ちてきますよね。
逆流防止の為に、栄養剤を半固形化するのも、おぼれない一つです。ゼラチンで固めたり、キサンガムタム系のトロミを0,5〜1%つけるとか…
また、体位は?ベッドはフラットになっていませんか?足を上げてから頭をあげると滑りません。又食後は30分から1時間ぐらい起こしてありますか?
吸引器の圧は医療者と相談していますか?
体重に合わせて、カロリーと水分を調整しないと、おぼれて肺炎、腎、膀胱、内臓に、負担をかけることにに…いついつまでもご一緒に!


投稿者: ふかふか | 2011年03月16日 09:09

ふかふか さま

はじめまして。
コメントありがとうございます。
とても素人の域ではありませんね。
半固形は実践していません。
ありがたいことに、胃そのものと内蔵はシッカリしているとのことなので。心臓も含め。
滴下のとき、もちろんギャッジアップ。左側位にはナーセントパッドを差し込んでいます。
体重に併せての調整ですが、これが難しいのです。
周囲でも判断はマチマチです。
母は尿路感染があり、私的には、オシッコをたくさん出させて菌を排除。
でも、当然、噎せとなって跳ね返ってきます。
今少し、勉強してみます。
お気づきあれば、またご指摘ください。
改めまして、ありがとうございました。


投稿者: 野田明宏 | 2011年03月16日 11:56

こんにちは
お変わりありませんか?
医者でも無く、お母様にお会いした事もない者からのコメントで、御免なさい。
他の介護者や専門家や教科書どおりにいかない、オーダーメイドなところにも介護の大変さがあると思っています。話しを半分以下で聞いていただけますか?
滴下の時の体位
①右下は胃排出の促進という点からはよいかもしれませんが、胃液湖(胃液の溜まる一番低い部分)が噴門部(ふんもんぶ)に移動することによって、かえって嘔吐しやすい。
②腹圧がかかっていませんか?
③背が丸まってませか
④腕で胸を圧迫していませんか
『胃ろうのケア』岡田晋吾
『らくらくシンプルポジショニング』田中マキ子 参考

食道から胃に入るところの筋肉(下部食道括約筋)が年齢とともに緩んでくる為に逆流が起こりやすいそうです。逆流した物が、気管から肺に入ると肺炎が起こりやすいそうです。半固形化するのは、我が家でも手間がかかると思いましたが、取り入れました。体位、トロミ、量、原因は何でしょうか?

尿路感染 心配ですよね。
我が家では朝晩、ポータブルにて、シャワーボトルで陰部洗浄をしています。入浴は週二回です。便はデイでなさるそうですが、家で拭く時は前から後ろに拭く。軟便の時も洗浄すると良いと思います。すでになさっていらっしゃると思いますし、お一人で介護されておられ、負担ばかりが増える…………話しばかり御免なさい。

又お付き合いくださいませ。
乱文失礼いたしました。


投稿者: ふかふか | 2011年03月18日 11:44

ふかふか さま

胃ろう造設して3年8ヶ月。
大きなトラブルなく今日まで来ました。
実は、私も岡田先生の 
胃ろうのケアQ&A
で勉強いたしました。
胃ろうにしても百人百様。
かといって、先輩方の声も貴重です。
気軽に寄ってください。
ありがとうございました。


投稿者: 野田明宏 | 2011年03月18日 15:43

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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