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野田明宏の「俺流オトコの介護」

玉野総合医療専門学校

20101019.png

 10月13日。
 岡山県玉野市にある、玉野総合医療専門学校・理学療法学科4年生に講義をしてきた。年に1度。今年で3回目となる。
 講義と言っても、理学療法士を目指す若者へ、その専門的見地から話せる器量も経験もオレには全くない。ましてや、彼・彼女たち、この時期は就活に力を傾注しなければならない大事な季節だ。それ以前に国家試験にも臨まなければならず、それはそれは大変なのだ。
 だからといって、国家試験に役立つ講義がオレにできるわけではない。オレに講義を依頼してくれてる昔からの知人もそこは当然、理解も納得もしている。
 では、何を話すのか? 10分の休息を挟んで2時限。約3時間も!
 結局のところ、オレの経験しかない。父を看取り、現在進行形であるアルツハイマーの母の介護。この経験を核に、オレなりの人生哲学を話す。
 正直、若者たちの心を捉える・捉えた自信などない。だけど、理学療法学科では学べないコミュニケーションツールはキッチリと伝達できたと確信している。
 コミュニケーションツール?
 例えば、軍歌の一つも知っておくと、今のお年寄りなら話が弾む切っ掛けになるかもしれない? という辺りのこと。
 軍歌に「広瀬中佐」という有名な曲がある。これは、唱歌としても歌われていたので、昭和10年前後生まれまでのお年寄りなら必ず記憶にあるはずで、施設でオレが認知症の人にハミングすると口ずさみ始めるということをオレは何度も経験してきた。
 母もそうだった。というか、母に広瀬中佐の曲を教えてもらったのだ。アルツハイマー発症後に。「兵隊さん」という曲もよく歌っていたので、以下に貼り付けておく。

「兵隊さん」(1932<昭和7>年文部省唱歌)

鉄砲かついだ
兵隊さん、
足並そろへて
歩いてる。
とっとことっとこ
歩いてる。
兵隊さんは
きれいだな。
兵隊さんは
大すきだ。


お馬に乗つた
兵隊さん、
砂を蹴立てて
かけて来る。
ぱっぱかぱっぱか
かけて来る。
兵隊さんは
勇ましい。
兵隊さんは
大すきだ。

ハッキリ言って、オレは彼・彼女たちの即戦力にはならない。ただ、いつか? オレの話したことが、脳裏の片隅から蘇ってくることもあるに違いないと思いながら、オレはオレなりに自信を持って講義した。

PS
ここに写っている皆さん。
これからのご活躍を心より祈っています。
それと、オレの講義のレポート提出もあると聞きました。
恐縮です。


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コメント


野田さま

お母様の介護おつかれさまです。
娘から 兵隊さん 知ってる?
懐かしいです。
今も空で歌えますよ。
写真 今時の子たちですねえ。
これは、娘に代筆してもらってます。
今は良い時代です。


投稿者: 85歳 | 2010年10月19日 15:15

85歳さま

恐れ入ります。
確かに、良い時代だと思います。
でも、娘さんに代筆してもらえること。
こんなささやかな事が、とても幸せに思える時代です。
85歳さまが青春の頃、このささやかなことは
どこの家庭でも当たり前であったはず。
良いと言われる今の時代、どうなんでしょう。
コメント、ありがとうございました。
お嬢様にも深謝!


投稿者: 野田明宏 | 2010年10月19日 20:43

講義、お疲れさまでした。
兵隊さん…
この歌がきっかけで、野田さんにメールをしたと記憶しています。
懐かしくなってしまってコメントしちゃいました。
歌詞を憶えていた母も、最近は雲行き怪しくなって来ております。

父も懐かしいメロディーを、私が口ずさむと一緒に歌おうとしてくれますよ。


投稿者: こぶた | 2010年10月21日 12:57

こぶた さま

これはこれは恐れいります。
そうでしたね。シッカリ記憶にあります。
微妙にあやふやな箇所もあり、
軍歌に強い知人の尋ねたら、上記の内容でした。
こぶたさんとも長いですよね。
レビーのお友達より長いはずです。
とはいえ、ご両親の介護、いつも敬服しながら読んでます。
お二人ともにレビーですからね。
お父さんは強いですよね。
正直、読んでいて、
今回はお迎えなんだろうな?
と想像するも、どっこい正しく生還する。
スゴイナアと。
お姉さん、相変わらずですね。
最初のメールから変わりなし。
実は、レビー家族会 会長の宮田さんとは勉強会で顔を合わせます。私、あまり好感持たれてないみたいですが、客観的に立てば強い味方ですね。

さて、来週あたりは北海道、かなり冷え込みはじめますね。
皆、いろいろありますが、こぶたさん、ご自愛ください。
踏ん張りましょう\(^O^)/


投稿者: 野田明宏 | 2010年10月21日 17:26

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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