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野田明宏の「俺流オトコの介護」

今まで以上に信頼・安心して

 8月末に東京に出向いている間、いつも利用するショートステイに母を託していた。東京では充実した時間を過ごし、この連載担当のT女史とも二人でお茶などもした。
 東京ではタイトでハードなスケジュールだったので、母には四泊五日ショートステイでお泊まりしてもらった。過去、最長は三泊四日だった。
 東京から帰宅し、直ぐにメールチェック。何件か入っている中に、ショートステイ先からのメールもあった。これは一番に開かないといけない。過去、こんなケースは皆無だったから。
 開いた。ショートステイのケアマネジャーからで、母が表皮剥離をしたとある。そして、申し訳ありません、と。直ぐに電話を入れた。電話では要領を得ない。翌日がショートステイから帰宅日だったので、ケアマネジャーに一緒に我が家へ来て説明して欲しいと命令調で問うた。伺います。との返事。
 翌日、ケアマネジャーが運転する車で母は帰宅した。表情は普段どおり。母をベッドへ寝かせ、表皮剥離したという背骨の部分を確認。以下の写真のようになっていた。

20100907.png

 ケアマネジャーの説明では、車椅子に座ってもらっている2時間ほどの間に起こってしまったとのこと。
 オレは反論した。母を最初に預けたとき、同じような表皮剥離を太腿に作って帰宅した経緯もある。職員も一生懸命なのは理解できる。が、一生懸命やって事故となると技量が足りないのでは? と疑いたくもなる。
 とにかく、オレは15分ほど怒りも混じった問い掛けをした。とはいえ、筋違いな発言をするほど沸騰してたわけではない。
 まず、誰が母を車椅子に座らせたかを教えて欲しい。次に、誰が母を車椅子からベッドへ移し、背中の表皮剥離を確認したのかを教えて欲しい。
 問いただされている側には厳しいことは間違いない。ただし、オレは犯人捜しをしているのではない。一人ひとりのその場の行動が把握できれば、次に関わった人に繋がるからだ。
 というのも、このとき、ケアマネジャーからの説明があまりに具体性に欠けていたから。
 車椅子に座っていることもそうですが、いろんな流れの中で…、という事だったので、オレは具体的・詳細な説明を求めたのだ。
 結局、明確な回答が得られないままにケアマネジャーには帰路についてもらった。
 翌日、ケアマネジャーから電話が入った。今回の件の検証を職員皆で行ったとのこと。そして、普段使用してるエアマットではなく、低反発マットを利用していたことも表皮剥離になった一因であるのではないか?
 夜間の体位変換を定時で行ったという確認がとれない等、ショートステイ側としては言いづらい・認めづらいことを詳細に報告してくれた。
 オレは納得した。
 「分かりました。この件はこれで終わりにしましょう。ありがとうございました」
 で、長々とオレはここに記してきたが、何が言いたいか?
 聞く耳をもつ姿勢。利用者本位を貫く姿勢。
 確かに、事故は起こしたが、その後の姿勢が嬉しいのだ。人間関係。デジタル化などあり得ない。気持ち。心。全てアナログだ。
 オレは、これからも今のショートステイに母を託す。今まで以上に信頼し安心して。

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コメント


 初めまして。6月くらいから拝見させていただいてます。北海道で介護員をしている者です。お母様の正しく生きる様子にただ頭が下がる思いで毎週見ています。
 以前、ショートステイに勤めていたので剥離や変色等は神経を使うのが当り前でしたが、今の職場では報告書や家族への謝罪という事すら存在しません。すり傷の報告をしても「ふーん」みたいな感じでとられたりします。おかしいですし、とても嫌です。利用者さんの体を守る仕事のはずなのに…
 誰もが介護のプロとして自信と責任を持って仕事をして欲しいし、自分も安心・安全・安寧な介護を提供したいと思っています。心からの笑顔とともに。


投稿者: みき | 2010年09月14日 13:38

北海道の みきさま

はじめまして。
コメントありがとうございました。
実は、いろいろ調べてみたんです。
ショートで骨折、転倒など、いろいろあることは事実ですから。
見舞金。病院へとなると、治療費負担等々。
こういう軽い場合、大袈裟にしたくもないし、する気もありません。
ただ、帰宅してからは家族介護者の負担は増すんですよね。

で、みきさんは介護職。介護職の方に読んで頂けると特に嬉しいです。家族介護者には通じるんです。
でも、仕事として介護するということ
在宅で、家族として介護するということ
大きく異なります。
これからもヨロシクお願いします。


投稿者: 野田明宏 | 2010年09月14日 15:58

身につまされます。
介護に仕事で関わっている私はどきっとしました、ほんとに。この間野田さんの講演でも家族の想いの強さを実感しました。とても迫力ありましたよ。私の母を入所させたときは私もぴりぴりして施設スタッフの説明を聞いていたことが頭に浮かびます。
このように文字になると家族の想いがより強くつたわります。仕事として介護するということに改めて真剣に取り組みたいです。


投稿者: ま | 2010年09月17日 18:50

ま さま

講演に来ていただいて ありがとうございました。
過去の講演と比較しても、上々でした。
550人を前に、スカッとしました。
私が書いた対象施設からも来てくれ、
良かったです と言ってもらえ安堵しております。


投稿者: 野田明宏 | 2010年09月20日 15:14

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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