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介護漫画家・國廣幸亜は見た! 愉快な利用者と家族たち

ど・ん・か・ん

以前「見つめられて」の回で登場した無口ですごい目ヂカラを持ったおばあちゃん。相変わらず睨まれながらも通わせてもらっています。
そんなおばあちゃんが今日は意外な一面を見せてくれたのです。

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クニ「おばあちゃんこんにちは!」
おば「………」

うう、また返事をもらえなかった。。。
でも頑張って色々話しかけてみる私。

クニ「今日はお天気いいですよ〜」
   「少し涼しくなりましたね〜」
   「昨日の夜はよく眠れましたか?」

manga101012.jpg

そうだよね、そうだよね。
私とはお話したくないんだよね。。。
事務所で他の先輩の記録を読むと、色々とお話されてるようで…。
私にだけ心閉ざしているのかなあ〜!?
と心配になります。寂しくなります (´_`。)グスン
でもでも!拒絶されてないだけいいと思わなきゃ。
ポータブルトイレに座ってもらい、その後ベッドに横になってもらって本日もお仕事は滞りなく終わりました。

さてご挨拶して帰ろうか、と思ったら印鑑を押すのを忘れていました。
毎回サービス終了後に利用者さんに押してもらう印鑑です。
おばあちゃんの場合ご自分で押す事はほとんどなく承諾を得てヘルパーが代わりに押印させてもらっています。
その時もおばあちゃんはうなずくだけで何も話してはくれないのですが…。
さて今日もいつも通りおばあちゃんに承諾を得ます。

クニ「このサービス終了の欄に印鑑をいただいてもいいですか?」

また一方通行のやりとりだわ…そう思った時!

おば「……って言ったらどうする…?」

へっ?
今おばあちゃん答えてくれた!?小さくて聞こえなかったけど…
でも何か、否定的な言葉だったようなのは気のせいだろうか。

クニ「ごめんなさい、もう一度言っていただけますか?」

おば「嫌って言ったらどうする?

やっぱり聞き間違えじゃなかった〜!!/( ̄ロ ̄;)\
しかも何だかすっごく怒ってるみたい!

やっぱり私には印鑑を押させたくないのかな…。
じゃあ今まで言えなくて我慢していたのかな。

すごく悲しい気持ちになったまま事務所にとぼとぼと帰りました。
今日の記録を書くためにファイルを開き先輩達の記録を読むと
『天気の話をしきりにされてました』
『今日は表情あり笑顔もみられました』
うう、私笑ってもらったことなんかないなあ。
うーん、ますます悲しくなってきたぞ。
どうしても気持ちを押さえきれず先輩に今日のやりとりを話しました。
すると
先輩、大爆笑!!ヾ(@°▽°@)ノ
クニ「えっ?なんですか!?」
先輩「それっておばあちゃんの冗談だよ〜!」
えっ…?じょ、冗談!?
そうなんです。どうやらおばあちゃん、怒っていたわけではなく冗談のつもりで言ってくれたみたいなんです。
それなのに私ったら!!
まさかおばあちゃんがギャグを言ってくれるなんて思わないものだから。
真面目に落ち込んで謝ってしまったではないかぁ〜!!
あ〜!私のばかばか!
せっかくおばあちゃんが笑わせてくれようとしたのに…。

でも少しだけ心を開いてくれたような気がして。その後にやにやしながら記録を書く私なのでした。

それにしてもおばあちゃん、ユーモアのセンスあるなあ。
これは漫画家としても反省だあ。


コメント


普段無口な人が発言すると、説得力ありますよね。冗談か本気か分からなくなる時がある。今回も先輩の一言で救われましたね♪同じ言葉でも受け取り方によったら悲しかったり嬉しかったりする。私も勉強になりました。
おばあちゃん、歩いてトイレに行く練習は今も続けているのですか?前回はリハビリの先生じゃないと無理とおっしゃっていましたが、おばあちゃんのやる気を尊重して、ヘルパーさんも手伝えるようにはならないのですかね?


投稿者: なっち~♪ | 2010年10月13日 00:03

なっち〜♪さま

いつもありがとうございます。
物事のどちらの側面をみるか…って大切ですよね。
本当に日々勉強です。
リハビリの件ですがおばあちゃん側の色々と複雑な事情というのがあり現状は変わっていません。
あとおばあちゃんの介護度が高くリハビリのプロでない私たちがリハビリを行う事はとても危険ということがあります。先生がいてお手伝いという事なら可能かも知れないですが。。。
おばあちゃんのやる気だけは奪ってしまわないようにしていきたいです。


投稿者: くにひろ | 2010年10月13日 20:47

わっはっは!
どぎつい冗談ってありますよねぇ。
しかも、ふだんからその方の冗談に接していないと、冗談と気づかないことも。(いつもコワい顔したおばあちゃんなら、なおさらだ!)

私の母も施設にいます。
少し前、施設に迎えに行った時のことです。母を椅子に座らせる時、こんな風に声かけをしました。
「おかあさん、お座りだよー。はい、そこの椅子にお座りして。」「はい、お座りよくできましたー。」「お手!」
一瞬、まわりの職員さん達の雰囲気が凍り付いたのがわかりました。母は、よく聞えなかったらしく、きょとんとしていました。
決して母をボケばあさんとして犬のように扱った訳ではなく、「おすわり」のついでに出てきた冗談の一言です。私と母の間では、こんな冗談はよくあることなのですが。
(親子だから言える言葉ですね。職員さんには絶対に言えない言葉でしょうから。)
どぎつい冗談だったと、ちょっと反省。

初めて訪問しましたが、楽しかったのでこれからも時々、のぞかせていただきますね。


投稿者: 親不孝娘 | 2010年10月17日 18:27

親不孝娘さま

コメントありがとうございます!
私も後で考えて、普段こわもてな方だけに笑いがこみ上げてきました。
ご家族と利用者さんの会話も本当に楽しくていつも笑わせてもらったり勉強させられたりです。「お手!」は初ですが!
どんな言葉にもいろんな愛が感じられます。


投稿者: くにひろ | 2010年10月25日 08:37

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
國廣幸亜
(くにひろ ゆきえ)
1976年5月9日大分県生まれ、愛知県育ち、現在は九州女子。
幼少の頃より漫画家を志す。
1995年上京。会社員をしながら相変わらず漫画家を志し投稿の日々。
1998年講談社 BE・LOVE誌上にて「ささら」でデビュー。
現在ホームヘルパー、介護福祉士などに従事しながら創作活動を続ける。漫画『介護のオシゴト』で介護の世界をユーモアに描く。
著書に『介護のオシゴト』1・2巻『ユキ先生お元気ですか!?』『42.19GO!!~運痴女のフルマラソン挑戦記~』(以上秋田書店刊)、『晴太郎日記~いっしょに歩こう~』(講談社刊)がある。
國廣幸亜の公式ホームページ http://www.geocities.jp/ mitsutamahouse/
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