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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部で教員をするとともに、埼玉県立大学をはじめ他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。昨年までは、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

中央法規の『社会福祉士受験対策セミナー(実力アップ講座/最終チェック講座)』
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  • 最終チェック講座
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第36回 クローズアップ~相談援助の基盤と専門職

 今回は、「相談援助の基盤と専門職」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。

「相談援助の基盤と専門職」のポイントの振り返り

 本科目は、「相談援助の理論と方法」とセットの科目といえます。本科目は、相談援助の知識や技術といった理論的な内容よりも、相談援助の基礎となる概念や理念をはじめ、相談援助に携わる社会福祉士(精神保健福祉士)の役割や意義、さらには相談援助の専門職としての倫理や価値、倫理的ジレンマが中心となっています。

 なかでも重要な内容として、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)によるソーシャルワークの定義(特に、2014年のグローバル定義)は必ず確認しておいてください。なぜなら、本科目は、この定義を詳細に解説した科目とも言えるからです。加えて、社会福祉士の倫理綱領や行動規範(公益社団法人日本社会福祉士会)、社会福祉士及び介護福祉士法の2007(平成19)年改正における社会福祉士の役割への期待などについても確認しておきましょう。

 過去の問題を見てみると「社会福祉士の義務」「社会福祉士の役割」「社会福祉士の相談援助におけるアカウンタビリティ」など社会福祉士の役割や機能、価値や倫理に関する問題が多く出題されています。このほか、「相談援助の理論と方法」にも関連する「慈善組織協会」「セツルメント運動」「ミルフォード会議報告書」「アメリカにおけるソーシャルワークの専門職化の歴史」など、ソーシャルワークの形成過程に関する問題も出題されています。さらに、「ソーシャルワークの統合化」「ジェネラリスト・ソーシャルワーク」「チームアプローチ」などについても整理が必要です。

 よって、本科目は、次の「相談援助の理論と方法」と関連づけて学習すると理解が促進されます。

 また、本科目では、ソーシャルワークの誕生から、1800年代後半の貧困問題や産業革命とソーシャルワーク、その後、「診断」や「病理」をキーワードにして「個人」に支援ターゲットが傾倒した時代、そして統合化というソーシャルワークの変遷についてよく理解しておいてください。今回は、このソーシャルワーク、特にケースワークの歴史について整理しておきます。

 あと、事例問題は、毎年2問程度出題されていますので、過去問ベースでいいので整理しておきましょう。

 さて、ソーシャルワーク誕生からその変遷を整理していく前に、国際ソーシャルワーカー連盟のソーシャルワークの定義を確認しておきましょう。今回はふれませんが、社会福祉士の倫理綱領についても、必ず一読しておいてください。

ソーシャルワークの定義
 ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワメントと解放を促していく。ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。
(2000年、国際ソーシャルワーカー連盟)

 2014年、IFSW総会で、「グローバル定義」の改定がされましたが、前述した2000年定義については、社会福祉士の倫理綱領でも示されており、本定義は、社会福祉士にとっても非常に重要なものです。

 本定義では、我々ソーシャルワークの目標は「人々の福利の増進」とし、その解決に「社会変革」「エンパワメント」をあげています。さらに、介入ターゲットは、「人」と「環境」の「接点(交互作用面)」であることも重要です。これらの方策、手だてをもって、「人々の福利(ウェルビーング)の増進」に寄与しますが、「人権」と「社会正義」の原理に則り遂行することが謳われています。

ソーシャルワーク・グローバルの定義
 ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかける。この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい。
(2014年、国際ソーシャルワーカー連盟)

 グローバル定義(2014)について、少し整理しておくと、我々ソーシャルワーカーの大目標は、ウェルビーングの増進、高めることについては、旧定義(2001年)と同じですね。その手立てとして、社会変革と社会開発、社会的結束および人々のエンパワメントと解放を挙げています。ソーシャルワークのメゾ、マクロレベルへの介入技術が強調されていますね。さらに、ソーシャルワークの専門的知識としては、ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知が挙げられ、根拠に基づく科学の「知」と共に、クライエント自身の今までやってきたやり方といった「知」やその土地や地域に根づき、伝承される「知」をも含むものとされています。

 最後に、一つ強調しておくこととして、このグローバル定義は、世界規模(グローバル)の視点と共に、各国(ナショナル)、各地域(リージョナル)の視点を重視し、この定義を展開していくこととしています、リージョナル(各地域)とは、世界を「アジア太平洋」「北アメリカ」「南アメリカ」「ヨーロッパ」「アフリカ」の5地区に分けています。つまり、この地区での問題解決も、ソーシャルワーカーの使命と言えます。