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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部で教員をするとともに、埼玉県立大学をはじめ他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。昨年までは、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

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第21回 「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」のポイント

 さて、今回は、「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で整理していきます。

本科目のねらい

 本科目の出題基準によると、大項目として、1.児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力(DV)、地域における子育て支援及び青少年育成の実態を含む。)と実際、2.児童・家庭福祉制度の発展過程、3.児童の定義と権利、4.児童福祉法、5.児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)、6.配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)、7.母子及び寡婦福祉法、8.母子保健法、9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法、14.売春防止法、15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際、17.児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際、18.児童相談所の役割と実際の18項目があげられています。

 上記の項目は、それぞれ独立しているというより、他項目と関連しています。そのため、それぞれを関連づけて学習していくことが重要です。

第29回試験をみてみると…

 本科目は、昨年度と同様に、全7問中1問が短文の事例問題でした。内容としては、「児童扶養手当」に関する担当者の説明を問う事例問題(問題141)が出題されました。また、近年の動向としては、他の科目でも出題されている統計の問題として出題されました。本科目では、「保育所等関連状況取りまとめ」(厚生労働省)における「保育需要及び供給の状況」について問われています。また、第28回試験では、「平成25年度福祉行政報告例」(厚生労働省)における「児童相談所における児童虐待の対応件数」について問われています。さらに過去の問題を見ておくと、第27回試験では「平成23年度全国母子世帯等調査(厚生労働省)」から「母子世帯等の状況」について問われ、第26回試験でも「平成23年度国民生活基礎調査(厚生労働書)」から「児童のいる世帯状況」に関する内容が問われています。この他、例年出題されている「児童・家庭福祉制度の発展過程」では、我が国の児童福祉の歴史について、人名と功績(事業・活動内容)を選択する問題が出題されています。制度としては、「児童福祉法」をはじめ、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」「母子保健法」「児童虐待防止法」が問われています。過去問ベースで、まずは制度や法律について整理しておいてください。

 今後は、やはり、子どもや女性の権利や児童虐待防止法等に関する問題、さらに、スクールソーシャルワーク(ワーカー)、保育所や他の子ども家庭福祉に関する施設や制度など、他(多)職種の連携協働を重視した事例問題等の出題が想定されます。

 では、出題基準で取り扱われる18項目を、ここでは8つに大別して整理していきたいと思います。

各項目の詳細について

(1)子ども・家庭の生活実態
1.児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力(DV)、地域における子育て支援及び青少年育成の実態を含む。)と実際

 本項目の児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢については、『厚生労働白書』(厚生労働省)などを利用して、整理しておくとよいでしょう。具体的には、少子化の進行、いじめ、少年犯罪、家庭の育児機能の低下などがあげられます。

 また、児童・家庭の福祉需要については、一人親家庭の実態、児童虐待の実態、家庭内暴力(DV)の実態、地域における子育て支援及び青少年育成の実態などについて整理しておく必要があります。

 第29回試験では、前述の通り「保育園の需要及び供給」について、具体的な数値が問われています。また第28回試験では、「児童相談所における児童虐待相談の対応件数」について、具体的な数値が問われています。少し整理しておくと、児童虐待の件数は約7万件を超え、統計公表当初の約一千件から右肩上がりで増加を続けています。また、虐待相談種別では、「心理的虐待」が最も多く、全体の半数を占めています。このほか、主な虐待者別では、「実母(50.8%)」が最も多く、「実夫(36.3%)」へと続きます。最後に、被虐待者の年齢別を見ておくと、最も多いのは「小学生」で全体の4割弱(34.7%)を占め、ついで、「3歳から学齢前(23.0%)」、「0から3歳未満(19.7%)」、「中学生(14.3%)」、「高校生その他(8.3%)」と続きます。このように、虐待相談に関する統計については、過去問ベースで整理しておきましょう(平成27年度「福祉行政報告例」)。さらに、過去の問題を見ておくと、第27回試験では、「母子世帯等の状況」について問われました。具体的な内容としては、母子世帯になった理由は、生別世帯が92.5%に対し、死別世帯は7.5%(父子世帯:「生別」83.2%、「死別」16.8%)となっており、母子世帯の母の就業の割合は80.6%にのぼります。ちなみに、第25回試験では、子どもの死亡原因について問われました。子どもの死亡原因順位を年齢階級別にみてみると、0歳では、1位:先天奇形等、2位:呼吸障害等、3位:不慮の事故と続きます。その他の年齢層である1歳~19歳までの1位はすべて不慮の事故です。また、15歳~19歳では死因の第2位が自殺となっています。さらに問題137では、社会的養護について問われていますが、里親認定を含めた法制度や、社会的養護の実態や政策動向について問われています。この社会的養護については、今後も出題されると思いますので、必ず用語と内容を整理しておいてください。