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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部で教員をするとともに、埼玉県立大学をはじめ他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。昨年までは、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

中央法規の『社会福祉士受験対策セミナー(実力アップ講座/最終チェック講座)』
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  • 実力アップ講座
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         11/25 (土)[専門]、26 (日)[共通]
    仙台会場:12/ 9 (土)[専門]、10 (日)[共通]
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    大阪会場:12/23 (土)[専門]、24 (日)[共通]
  • 最終チェック講座
    東京会場:12/23 (土・祝)[専門]、24 (日)[共通]
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特別編I 第29回社会福祉士国家試験 午前<共通科目>問題の講評

はじめに

 まずは皆さん、大変お疲れ様でした。試験からまだそれほど時間が経っていませんが、解答速報や問題の見直しなどをして、少し冷静に試験を振り返れるようになったのではないでしょうか?

 ただ、合格ラインはまだわかりませんので、合否に関係なく、第29回試験の振り返りをしておいてください。合格した人は、さらに現場実践での「知」となりますし、不合格だった人は、来年度の受験に向けて、反省したり課題を見つけ出したりと、準備を進めることができます。合格発表(3月15日(水))までの約50日間を有効に使ってください。何もしなくても50日。何かをしても50日です。

 それでは、今回は、「共通科目(午前の部)」の講評です。

基礎の確実な習得と、それを生かす応用力が必要でした。

 今週と来週の2回に分けて、第29回社会福祉士国家試験の講評を行いたいと思います。今回は、午前<共通科目>問題(精神保健福祉士との共通科目の問題)についてです(解答速報の閲覧登録はこちらから)。

 午前<共通科目>の試験科目は以下の11科目で、試験時間は10時から12時15分までの135分(2時間15分)でした

  • ■ 人体の構造と機能及び疾病(7問)
  • ■ 心理学理論と心理的支援(7問)
  • ■ 社会理論と社会システム(7問)
  • ■ 現代社会と福祉(10問)
  • ■ 地域福祉の理論と方法(10問)
  • ■ 福祉行財政と福祉計画(7問)
  • ■ 社会保障(7問)
  • ■ 障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)
  • ■ 低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)
  • ■ 保健医療サービス(7問)
  • ■ 権利擁護と成年後見制度(7問)

 講評ですから、短絡的に「難しい問題でした」とか「やさしい問題でした」とか「よい問題でした」とか「悪問でした」とか…、主観的なことはあまり書かないようにしたいと思いますが、そうはいっても…。まず、私が実際に解いてみた感想としては、「基本的な内容を問う問題が多く、昨年同様の難易度(やや易しい)だった」という印象です。ですので、合格ラインも昨年度同様(88点)+αと考えておきたいところです。私的には、本年度の試験レベルであれば、6割90点+αと言いたいところです。詳細をもう少し記してみると、「午前の共通科目、午後の専門科目共に、昨年同様の難易度(やや易しい印象)で、基本を押さえておくことである程度は得点ができた。ただし、各科目1~2問程度のやや難しい問題が出題された」「事例問題は、相談援助系の事例問題は全体的に易しく、その他の事例問題も、知識と実践を問う応答問題ではあるものの全体的に易しい」という印象でした。皆さんはいかがでしたか?

 過去問題や、各種模擬問題をはじめ、中央法規の集中講義などで取り上げた、基礎的な内容も問われ、制度や統計、基本的事項をしっかり押さえていた方は、かなり明確、明瞭に解けた問題が多かったのではないでしょうか。また一方で、各科目で、新たに問われた項目もありました。多少、用語や法律・通知、人名などがわからなくても、設問文をしっかり読み、その内容や時代背景、福祉の変遷や動向などをしっかり捉えることで、正答までたどり着ける問題が多くありました。そういった意味では、一つひとつの設問の誤りを指摘できる力が必要ですので、項目に対する関連知識が必要となります。このように、社会福祉士の試験では、福祉の動向や変遷などをきちんと理解しておくことが重要であることがわかります。

 さて、ここ数日、第29回試験を受けた方から感想をいただいているのですが、「しっかりと暗記しておけば、意外と解けた問題が多かったかも」という冷静な感想を多くいただいています。私も同感です。しっかりと統計や法律、用語などについて整理していた人は、あとはじっくりと、まちがえなく問題を読解さえすれば解答できた問題が多かったと思います。ただ、やはり、実際の試験となると、そう冷静でなんていられないのもまた事実ですが。

 また、前述しましたが、法律や制度についても多く出題されていました。事前に法律や制度にあたっていた人は、確実に得点できたと思います。この統計や制度に関しては、毎年必ず問われますし、非常に重要な学習ポイントであることがわかります。さらに、このような問題は、図表での出題がありませんので、過去問や模擬問題を繰り返し、文章に慣れ、問題に慣れていた人は確実に得点できたと思います。

 午前<共通科目>問題の総評として、本年度の試験の合否を分ける大きなポイントは、用語や概念、理論についてしっかりと理解できていたかどうかだと思います。本年度の試験は、用語や概念、理論にかなり忠実な問題が多かったため、しっかりと学習し、理解していた場合、明快に解答できたと思います。さらに、この基礎知識を具体的に活用する場面が事例などで出題されており、ある意味で応用的な問題であったと言えます。

 事例問題については、昨年同様に短文の事例問題がちりばめられていました。また、各問題間及び各科目間の問題の難易度にバラつきがあったため、根気よく、確実に、わかる問題を得点できたかが重要だと思います。途中で投げ出してしまったり、初めのほうに難しい問題があったので先入観で本年度の試験を「難しい」と捉えてしまった方は、苦戦したのではないでしょうか。

 それでは、各科目について、それぞれ講評していきたいと思います。