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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部で教員をするとともに、埼玉県立大学をはじめ他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。昨年までは、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第17回 「相談援助の理論と方法」のポイント(1)

 さて、今回は、「相談援助の理論と方法」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で整理していきます。

 この科目については、2回にわたって解説していきます。

本科目のねらい

 本科目の出題基準によると、大項目として、1.人と環境の交互作用、2.相談援助の対象、3.様々な実践モデルとアプローチ、4.相談援助の過程、5.相談援助における援助関係、6.相談援助のための面接技術、7.ケースマネジメントとケアマネジメント、8.アウトリーチ、9.相談援助における社会資源の活用・調整・開発、10.ネットワーキング(相談援助における多職種・多機関との連携を含む。)、11.集団を活用した相談援助、12.スーパービジョン、13.記録、14.相談援助と個人情報の保護の意義と留意点、15.相談援助における情報通信技術(IT)の活用、16.事例分析、17.相談援助の実際(権利擁護活動を含む。)の17項目があげられています。

 今回は1から8までを、次回は9~17を解説したいと思います。

第28回試験をみてみると…

 本科目は、「相談援助の基盤と専門職」とセットの科目といえます。関連する項目も多々ありますので、相互に関連づけて学習を進めるとよいでしょう。

 本科目の問題数は全21問と、全科目のなかで一番配分の大きな科目です。そして、本科目でしっかりと得点できていることが合格の必須条件だと思います。また、全21問中、約半分の10問が事例問題で、この事例問題はいずれも短文の事例問題でした。事例問題は、受験生の応用力や対応力を確かめるうえで重要ですが、本科目の事例問題に関しては、もう少し工夫が必要そうです(よい事例問題もたくさんありましたが)。何故ならば、どの知識や理論、技術、倫理価値を根拠に答えるのかを、設問文や事例である程度明確に示す必要があると思います。しかし、それを余り露骨に示すと「簡単に」なってしまうかもしれませんが、受験生が事例を読んで、ソーシャルワークの専門的知識、技術、倫理価値といった原則に立ち返り、これから専門家として歩み出すための「原理・原則(ソーシャルワークの価値や倫理)の確認」といった意味での出題があってもよいかと思います。これから他職種と連携・協働し、チームケアをしていくわけですから、社会福祉士が大切にしている原理原則は、社会福祉士自身がしっかりと身につけておくことが重要だと思います。

 具体的に問題の内容を見てみると、理論・アプローチ、モデルに関する問題や、相談援助の過程に関する問題、スーパービジョンや記録、ケースマネジメントなど、例年同様に多く出題されました。アプローチについて少し整理しておくと、例えば、「危機介入アプローチ」や「行動変容アプローチ」「システム理論」などが問われています。このほか、過去問を含めて列挙しておくと、「心理社会的アプローチ」「課題中心アプローチ」「ストレングスモデル」「機能的アプローチ」「エンパワメントアプローチ」などが出題されています。さらに、「実存主義アプローチ」「問題解決アプローチ」「フェミニストアプローチ」「ソルーションフォーカストアプローチ」などがあげられます。また、グループに関するソーシャルワークについても出題されています。現代、そしてこれからのソーシャルワーカーは、グループを活用したソーシャルワークは必須の知識、技術になりますので、必ず整理しておきましょう。

 以上をみてみましても、本科目はかなりのボリュームですが、過去問解説集模擬問題集などでしっかりと学習しておけば、得点できる問題が多いと思います。また、今のうちに不明確な用語については、社会福祉用語辞典を活用して整理しておいてください。では、出題基準で取り扱われる17項目のうち、今回は8項目を整理していきます。