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私はこうして合格しました!

国家試験を突破して晴れて社会福祉士の資格を取得した皆さんに、効果的な勉強法や仕事をしながら勉強を続けるコツ、資格を仕事に活かす展望などについてうかがいました。

第88回 坂田泰邦さん

第88回 坂田泰邦さん
障害者グループホーム勤務

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坂田泰邦さんが使った参考書

社会福祉士国家試験過去問解説集
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=編集
中央法規出版
社会福祉士国家試験模擬問題集
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟=監修
中央法規出版


坂田泰邦さんの合格までの道のり

日程勉強内容等
2016年4月専門学校の通信課程へ入学
働きながら勉強
レポート提出に終われる日々
2017年12月受験勉強本格化
過去問題・模擬問題・模試問題を解く
2018年1月禁酒&受験勉強
2018年2月国家試験
2018年3月合格発表
現在障害者グループホーム勤務

坂田泰邦さんが考える必勝3か条
  • 「合格する」という強い気持ちを持つ
  • 勉強しやすい方法・時間帯を見つける
  • 1つのことにこだわりすぎない

社会福祉士の資格取得を目指すきっかけ

 更生保護分野のNPOでの経験があったことや、両親の介護を通じた福祉関係者の方々との出会いで、社会福祉士の存在は知っていました。はじめから資格取得を考えていたわけではないのですが、福祉関係者の中に「社会福祉士になるべきだ」と言ってくださる方がいたことで、私は真剣に社会福祉士の資格取得について考え出しました。

通信課程での学びを開始

 その後、仕事を続けながら資格取得ができないかと調べ、1年7か月の通信課程で勉強することに決めました。2016年4月に専門学校の社会福祉士養成通信課程に入学し、そこから2か月に1度、4本ずつレポートを提出する日々が始まりました。
 仕事をしながらの挑戦だったので、仕事帰りに図書館に寄りレポート作成に勤しみました。参考文献を調べたり、仕事の合間に見る文献を準備したり、レポートの下書きをしたりと、閉館時間まで居座ることもあり、図書館に寄るのが日課となりました。
 平均すると、平日は1日1時間くらい、休日はそれ以上の時間をこういった作業にあてていました。

受験勉強にたどり着かずに過ぎた日々

 2016年8月には有給休暇を使いながらスクーリング授業を受け、またレポートを提出する生活に戻り、最初の1年はあっという間に過ぎていきました。
 2017年5月には、特別養護老人ホームで1か月間の実習を体験しました。「これはよい機会」と思い、受験勉強のアドバイスもいただこうと勉強方法を聞いてみたのですが、「寝る前に子どものパソコンを借りて問題を解いていた」「試験前に受けた模擬試験が本試験とほとんど同じですんなり合格した」など、わりと簡単に合格したとおっしゃる方が多く、私にはあまり参考になりませんでした。
 ただ、「中央法規の過去問と模擬問題集は使ってよかった」という意見があったので、過去問と模擬問題集をベースに勉強していこうと決めました。それでも、19科目のレポート提出が済む2017年11月までは受験勉強らしいことはあまりできず、続いたことは、通勤時間を利用して合格アプリの過去問コンテンツを見ることくらいでした。

仕事と親の介護を続けながら勉強ができたワケ

 途中、親の介護を理由に仕事を離れようかと悩んだ時期がありました。しかし、社会福祉士の勉強を進めているなかで育児介護休業法を学んでいたので、介護休業制度を利用すると93日を上限に介護休暇を取得できることがわかり、仕事を続けながら親の介護と通信課程の勉強をすることができました。
 具体的には、実習が行われた1か月間と試験前の2か月間に介護休暇を取得することができました。資格取得のための勉強をしていなければ、知らないまま離職していたかもしれません。社会福祉士として活動するうえで制度情報の活用が重要だということを身をもって学ぶことができました。介護休業給付額が、月収(標準報酬月額)の40%から67%に上がったタイミングだったことも非常に幸運でした。

自分なりに受験勉強を本格化

 2017年の12月に入って、介護休暇を取得した時期から、じっくり机に向かって受験勉強をするようになりました。親の介護をしながらも、朝方に3時間、午後5時間ほど勉強時間をとることができました。
 勉強方法は、特別なことではありません。過去問(3年分)、模擬問題、模擬試験の問題を解いて、理解が充分ではない部分を、まずは解説を読んで理解する、次に福祉小六法や社会福祉用語辞典を読んで理解するということを繰り返していました。
 社会福祉士の受験勉強では、19科目150問という科目数・問題数の多さが壁となることがあります。1問ずつ解き、1問ずつ解説を読んで理解して進めていくことを考えると、1回分150問の問題を解いて理解するだけでかなりの時間がかかってしまいます。
 完璧にやろうとするとどこかで行き詰ってしまいそうだし、1問1問に同じ労力をかけるのは非効率に感じてしまう。このジレンマを感じると、受験勉強を投げ出しそうになってしまうので、私は「間違えてもいい」「カンでもいい」と決め、問題を解くこと、問題に慣れることを優先しました。

1か所にこだわりすぎないことが重要

 過去問は、解説を読まずに数日かけて問題を解き、その後に1問ずつ見直し、間違っていた問題や理解しにくい問題を中心に、解説や福祉小六法、社会福祉用語辞典を使って理解しました。理解できている問題には時間をかける必要はありません。というか、時間をかけていられません。
 問題や解説が理解しきれないからと1か所にこだわりすぎると、時間効率が非常に悪くなってしまいます。少し考えてつっかかってしまうようであれば、「あとで先生や友人に聞けばいいや」くらいの気持ちで飛ばしてもいいと思います。
 私は、理解しきれない部分を厚生労働省に電話して調べたことがありますが、時間がかかったわりに1問分しか理解が進んでおらず、「あまり効率がいいやり方ではなかった」と後から感じました。

朝を勉強のゴールデンタイムに!そして禁酒・・・

 夜は、眠くなったら寝てしまうことにし、朝勉強するようにしていました、もっとも、年末までは風呂上りのビールを欠かさなかったので、自然と眠くなってしまったというのが実情です。ただ、朝早く起き、仕事に行く前に1時間から2時間勉強するというのは、私にとても合う勉強方法でした。朝は、静かで邪魔の入らない時間で、一番身につく勉強ができた時間でした。  そして、試験1か月前に限っては自分に禁酒を課しました。風呂上りのビールを何よりの楽しみとしている者としては辛かったですが、飲みすぎた次の日への影響を考えると仕方ありません。合格した自分をイメージし、「今辛い思いをすれば必ず春が来る」と自分に言い聞かせました。

励みになったこと

 私にとっては、専門学校のクラスの仲間が受験勉強を続ける支えとなりました。LINEやメール、電話で毎日のように連絡を取り合い、勉強の進み具合を言い合ったり、わからないところを教えあったり、励ましあったりしました。
 LINEで問題を出し合っているうちに自然と仲間が増え、顔を見たこともない受験生とも会話するようになり、“チーム社福”の輪が大きくなっていったことには驚きましたが、みんな頑張っていることが伝わってきて連帯感も生まれ、励みになりました。

試験直前の心持ち

 試験前の時期は、禁酒など体調管理にはもちろん気を配っていましたが、心持ち、気の持ちようを前向きにしていました。つまり、「自分が勉強したことが必ず出題される」「これだけ勉強したのだから間違いなく合格する」と言い聞かせながら勉強をしたのです。
 ちなみに、私は模擬試験を3回受けましたが、一度も合格水準に達したことはありませんでした。本格的な受験勉強が模試の実施時期に間に合っていなかったということもありますが、模試は本試験に比べて難しいと感じました。模試の結果に一喜一憂しても仕方ありません。間違えた部分は、まだ伸ばせる部分だと気持ちに余裕をもたせて勉強しました。

合格後の日々

 国家試験に合格して社会福祉士の資格を取得した現在は、転職し、障害者グループホームで生活支援員・相談員として働いています。転職したばかりですが、利用者の皆さんやご家族の笑顔に触れることができた時、「自分がお役に立てているのだな」と感じます。

これから受験を控えた皆さんに

 これから受験される皆さんにアドバイスがあるとすれば、「合格する」という強い気持ちを持ってほしいということです。合否をわけるギリギリのところは、気持ちの勝負になるかもしれません。受験者は、誰もが不安を持っているし、自信があるわけではないのです。そのなかで、「自分は後悔しないだけの勉強をした」「自分が勉強したところが必ず出題される」と強い気持ちを持って合格を手繰り寄せてください。
 試験当日は、お守り代わりの受験本の一冊でも持っていって気持ちを落ち着けてください。合格することを信じて、受験が終わる最後の最後まで諦めずに頑張ってください。

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