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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第22回 精神保健の課題と支援

 皆さんこんにちは。まだまだ暑さが残りますが、学習時間等の制約があるなかで、健康に留意しながら、学習の手ごたえを感じ取っていってください。

 今回は「精神保健の課題と支援」を取り上げます。この科目は、精神保健のさまざまな分野における法律や制度、また各分野の統計が出題されますので、専門科目のなかでも苦手な受験生が多いのではないでしょうか。ただ、出題される分野はある程度決まっていますので、頻出分野に気をつけて学習しておくことで、十分対応できます。

 ではまず、前回の課題の解説をしていきましょう。

第18回 精神保健福祉士国家試験「精神疾患とその治療」

問題10 「精神保健福祉法」による入院に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 任意入院では、精神保健指定医が必要と認めれば72 時間に限り退院を制限できる。
  • 2 医療保護入院では、2名の精神保健指定医が認めれば家族の同意は不要である。
  • 3 措置入院では、家族の同意が得られた時点で速やかに医療保護入院に切り替える。
  • 4 緊急措置入院では、精神保健指定医の診察なしで72 時間に限り入院させることができる。
  • 5 応急入院では、自傷他害のおそれがあると認められ、急速を要する場合、72 時間に限り入院させることができる。
  • (注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

正答 1

解答解説

  • 1 正しい。任意入院は、本人の同意による入院ですから任意入院者が退院を申し出た場合、病院の管理者は原則として退院させなければなりません。ただし、指定医の診察の結果、必要ならば72時間に限り退院させないことができます。特定医師による診察の場合は、12時間に限られます。
  • 2 誤り。医療保護入院は、1名の精神保健指定医の診察の結果、医療及び保護のため入院の必要がある者で、本人の同意が得られなく、家族等の同意がある場合の入院形態ですから、家族等の同意は必要です。
  • 3 誤り。措置入院とは、医療および保護のために、入院させなければ、その精神障害のために、自分を傷つけ、または他人に害を及ぼすおそれがあると、2名以上の指定医の診断により認められたとき、知事が入院措置を行う入院形態です。
  • 4 誤り。緊急措置入院は、精神保健指定医の診察がなければ入院させることはできません。2名以上の指定医の診断が得られない場合は、1名の指定医の診察がある場合に、72時間に限って緊急措置入院が行われます。
  • 5 誤り。医療及び保護のために入院の必要があるにもかかわらず、本人の同意が得られなく、また、家族等の同意が得られない場合で、急速を要する場合は、1名の精神保健指定医の診察による入院が可能です。これを応急入院といい、入院期間は72時間以内に制限されます。自傷他害のおそれがあると求められた場合の入院形態は、措置入院です。

第20回 精神保健福祉士国家試験「精神疾患とその治療」

問題9 次の記述のうち、精神科病院に入院中の者を隔離する場合の処遇の基準として、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 隔離の理由は症状軽快後に説明する。
  • 2 一つの隔離室への入室は二人までとする。
  • 3 精神保健指定医以外の医師が隔離を行う場合は、12 時間までの制限がある。
  • 4 本人の意思により閉鎖的環境の部屋に入室させる場合も隔離である。
  • 5 隔離室入室中、医療スタッフはできるだけ患者との会話を避ける。

正答 3

解答解説

  • 1 誤り。患者に隔離を行う場合は、その理由を隔離する際に知らせるよう努めなければなりません。また、隔離を行った事実、理由、隔離を開始した日時、解除した日時を、診療録へ記載しなければなりません。
  • 2 誤り。一つの隔離室への入室は、一人までとされています。隔離を行っている閉鎖的環境の部屋に、さらに患者を入室させてはなりません。また、すでに患者が入室している部屋に、隔離のため他の患者を入室させてはなりません。
  • 3 正しい。12時間を超えない隔離については、精神保健指定医の判断は必要ありませんが、精神科医師の判断を必要とします。12時間を超える隔離については、精神保健指定医の判断を必要とします。
  • 4 誤り。本人の意思によって、閉鎖的環境の部屋への入室が行われる場合は、隔離に当たりません。ただし、この場合は、本人の意思による入室であるという、書面が必要になります。
  • 5 誤り。隔離の間は、臨床的観察や、適切な医療や保護を確保し、隔離中の衛生に配慮する義務があります。また、隔離中は、適切な声かけや会話を行い、十分な観察を行う必要があります。医師には、原則毎日一回、診察することが義務づけられています。

 いかがでしたか。「精神疾患とその治療」では、代表的な精神疾患の特徴的な症状とその治療方法もよく学習しておきましょう。

 では今回の「精神保健の課題と支援」に入っていきましょう。今回は、職場のメンタルヘルスについて取り上げていきたいと思います。