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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第18回 低所得者に対する支援と生活保護制度

 皆さんこんにちは。西日本の集中豪雨の被害にあわれた方々には心からのお見舞いを申し上げます。1日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

 厳しい暑さが続きます。毎日の忙しさのなかでの学習は困難を覚えることと思います。健康に留意しながら、限られた時間のなかで効率的な学習を進めていきましょう。

 今回は「低所得者に対する支援と生活保護制度」を取り上げます。この科目では、生活保護法をしっかり学習しておけば一定の得点を確保できますので、是非、生活保護法に習熟しておきましょう。

 また、生活保護法の改正、生活困窮者自立支援制度等、低所得者対策について、近年大きな改正や取り組みが進められていますので、特に注意して学習しておきましょう。この講座では、法改正・制度改正については、12月に重点的に取り上げていく予定です。

 では、最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」

問題57 障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 児童福祉施設入所中に18 歳以上となる肢体不自由者が増加する問題に対応するため、身体障害者福祉法が制定された。
  • 2 学生や主婦で任意加入期間中に国民年金制度に加入していなかったために無年金になった障害者を対象に、障害基礎年金制度が創設された。
  • 3 支援費制度の実施により、身体障害者、知的障害者、障害児のサービスについて、利用契約制度が導入された。
  • 4 障害者の権利に関する条約を批准するため、同条約の医学モデルの考え方を踏まえて、障害者基本法等の障害者の定義が見直された。
  • 5 「障害者総合支援法」の施行により、同法による障害者の範囲に発達障害者が新たに含まれた。
  • (注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

正答 3

解答解説

  • 1 適切でない。身体障害者福祉法が制定された背景には、第二次世界戦後の経済的復興を進めていくため、傷痍軍人の職業復帰が重要な課題となっていたという時代背景がありました。また、旧生活保護法では救済できない身体障害者への施策の必要性も認識され、わが国は、1949(昭和24)年に、身体障害者の職業的更生と社会復帰を目的に、身体障害者福祉法を制定しました。
  • 2 適切でない。学生や主婦など、国民年金に任意加入していなかったために、無年金になった障害者を対象に創設されたのは、特別障害給付金制度です。特別障害給付金制度とは、任意加入の期間に年金保険に加入していなかった者が、その期間に障害の原因となる疾病やけがを負い障害者になった場合に救済するための制度で、2004(平成16)年に創設されました。障害基礎年金の受給対象である障害の状態と同様の1級、2級の障害程度の者に対して、障害基礎年金に代わり、税金を財源として、福祉的措置として、特別障害給付金が支給されるという制度です。
  • 3 適切。2003(平成15)年、身体障害者、知的障害者、障害児を対象に、支援費制度が導入されました。身体障害者と知的障害者の施設サービス、在宅サービス、障害児の在宅サービスの利用が、従来の措置から契約による利用に移行しました。この支援費制度では、精神障害者は対象ではありませんでした。
  • 4 適切でない。障害者の権利に関する条約は、社会モデルの考え方を採用しています。わが国は、この障害者の権利に関する条約を批准するために、社会モデルの考え方をふまえて、障害者基本法に社会的障壁の概念を取り入れ、障害者の定義を見直しました。この障害者基本法改正では、障害者の定義に発達障害と難病が追加され、これにより、障害者に関する個別法の障害者の定義が、順次見直されていきました。
  • 5 適切でない。障害者の範囲に発達障害者が新たに含まれたのは、2011(平成23)年の障害者自立支援法の改正によります。この改正で、発達障害が障害者の範囲に含まれることが法律上明記されました。障害者総合支援法では、障害者の定義に難病が追加され、従来の障害程度区分から障害支援区分に移行しました。また、重度訪問介護の対象が拡大され、従来の肢体不自由に、知的障害、精神障害が追加されました。

 いかがでしたか。では今回の「低所得者に対する支援と生活保護制度」について、出題基準に沿って近年の出題傾向を分析し、対策を立てていきたいと思います。