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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第17回 障害者に対する支援と障害者自立支援制度

 皆さんこんにちは。猛暑が続く毎日ですが体調はいかがでしょうか。集中豪雨で被災された皆様には、心からのお見舞いと、必要な助けが1日も早く十分届きますよう、復旧を心よりお祈り申し上げます。

 今回は「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を取り上げていきますが、この科目では、近年の障害者関連法制度の改正に、十分注意して学習しておきましょう。

 では、まず前回の課題の解説をしていきたいと思います。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「社会保障」

問題52 公的年金制度の沿革に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 社会保障制度が本格的に整備されるようになった第二次世界大戦後、厚生年金保険制度が創設された。
  • 2 国民年金法が1959 年(昭和34 年)に制定され、自営業者等にも公的年金制度を適用することにより、国民皆年金体制が実現することになった。
  • 3 オイルショックに伴う急激なインフレに対処するため、1973 年(昭和48 年)改正により、厚生年金の給付水準を一定期間固定することとした。
  • 4 持続可能な制度にする観点から、2004 年(平成16 年)改正により、老齢厚生年金の支給開始年齢を段階的に65 歳から67 歳に引き上げた。
  • 5 将来の無年金者の発生を抑える観点から、2012 年(平成24 年)改正により、老齢基礎年金の受給資格期間を25 年から30 年に延長した。

正答 2

解答解説

  • 1 適切でない。厚生年金保険制度が創設されたのは、第二次世界大戦後ではなく、第二次世界大戦前です。わが国の最初の年金保険制度が創設されたのは、1941(昭和16)年の労働者年金保険法の制定によります。この法律は、工場等に勤務する男性労働者だけを対象としたものでした。この労働者年金保険制度の対象が、事務職と女性にも拡大されて、労働者年金保険法を改称し改正されたのが、1944(昭和19)年の、厚生年金法です。
  • 2 適切。昭和30年代、人口の都市集中や核家族化が進行し、将来の高齢化社会が予測されるという時代背景のもと、全国民を対象にした老後の所得保障を求める声が高まっていき、防貧政策の必要性が認識されるようになりました。自営業者や農林漁業従事者等を対象とした公的年金制度はありませんでしたので、1959(昭和34)年に、公的年金制度を自営業者にも適用するために、国民年金法が制定されました。これによって、国民皆年金体制が実現することになり、1961(昭和36)年には、全面施行されました。
  • 3 適切でない。オイルショックに伴う急激なインフレに対処するため、厚生年金の給付水準に、物価スライド制が導入されました。物価スライド制とは、年金額の実質価値を維持するために、物価の変動に応じて年金額を改定するという制度のことです。
  • 4 適切でない。老齢厚生年金の支給開始年齢は、65歳以上であり、支給開始年齢の引き上げはされていません。2004(平成16)年の年金制度改正では、基礎年金の国庫負担が、従来の3分の1から2分の1へ引き上げられ、国民年金保険料は、2017(平成29)年に1万6900円で固定されることになり、厚生年金保険料率も18.3%で固定されることになりました。またこの改正で、マクロ経済スライド制が導入されました。マクロ経済スライド制とは、現役人口の減少や平均余命の伸び方に合わせて、年金の給付水準を、自動的に調整する仕組みです。
  • 5 適切でない。従来、老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が、原則として25年以上必要でしたが、納付した保険料があるにもかかわらず無年金者になってしまうことを防ぐため、2017(平成29)年8月から、年金受給資格期間が短縮され、10年以上あれば、老齢年金を受け取ることができるようになりました。

 いかがでしたか。年金保険以外の、医療、介護、労災、雇用の各社会保険についても、学習を深めておきましょう。では、今回の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」について、出題基準に沿って、過去問題の出題傾向を分析し、対策を立てていきたいと思います。