メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第8回 精神保健福祉に関する制度サービス

 皆さんこんにちは。今回は、「精神保健福祉に関する制度とサービス」を取り上げます。精神保健福祉法をはじめ、医療保険制度や年金保険制度、介護保険制度等の社会保障制度、更生保護制度、医療観察制度等のさまざまなサービスについて、現場で精神障害者を支援する際に必要な、総合的な諸制度やサービスに関する理解が求められる科目です。

 まず、前回の課題の解説をしてから、出題基準と過去問の分析に基づいて詳しく取り上げていきましょう。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」

問題43 次の機関における地域移行・地域定着支援に関わる専門職の支援として、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 精神科病院では、地域移行に向けて個別事例のケア会議の開催を調整する。
  • 2 指定特定相談支援事業所では、地域移行のための外出時の同行支援を行う。
  • 3 基幹相談支援センターでは、地域の体制整備に係るコーディネーターの役割を担う。
  • 4 指定一般相談支援事業所では、介護給付のための障害支援区分の認定を行う。
  • 5 救護施設では、地域生活支援のためのサービス等利用計画を作成する。

正答 1、3

解答解説

  • 1 正しい。精神科病院では、医療保護入院者に対しては、退院後生活環境相談員が医療保護入院者退院支援委員会の開催を調整し、医療保護入院者以外の入院者に対しては、退院支援相談員が退院支援委員会の開催を調整します。診療報酬上の位置づけとして、精神保健福祉士が関係職種と共同で退院支援計画を作成し、関係機関と連携して在宅療養に向けた調整を行った場合に、精神保健福祉士配置加算が算定されます。このように、精神科病院では、精神保健福祉士などの専門職が地域移行を目的として、個別事例のケア会議の開催の調整や地域のさまざまなサービスを紹介することが、重要な役割として位置づけられています。
  • 2 誤り。指定特定相談支援事業所は、基本相談支援と計画相談支援を行う事業所です。計画相談支援は、サービス支給決定前のサービス等利用計画案の作成、支給決定後のサービス等利用計画の作成、利用調整などを行う「サービス利用支援」と、サービス等利用計画が適切であるかどうかを一定期間ごとに検証し、必要に応じて見直し、変更を行う「継続サービス利用支援」を行います。地域移行のための外出時の同行支援を行うのは、指定一般相談支援事業所です。
  • 3 正しい。基幹相談支援センターは、地域における相談支援の中核的な役割を担う機関として、相談支援に関する業務を総合的に行います。地域の相談支援事業者に対する専門的な指導・助言、情報収集・提供、人材育成の支援、権利擁護、虐待防止、地域移行に向けた取り組みとして、地域の体制整備に向けたコーディネーターの役割も担っています。
  • 4 誤り。指定一般相談支援事業所は、基本相談支援と地域相談支援を行います。地域相談支援は、居住の確保や地域生活に移行するための活動に関する相談、外出の際の同行、障害福祉サービスの体験的な利用支援、体験的な宿泊支援などを行う地域移行支援と、障害者との常時の連絡体制の確保、障害特性に起因する緊急時対応などを行う地域定着支援を行います。介護給付のための障害支援区分認定を行うのは、市町村です。
  • 5 誤り。救護施設は、生活保護施設で、精神および身体に著しい障害があるため日常生活が困難な要保護者を入所させる施設です。地域生活支援のためのサービス等利用計画を作成するのは、指定特定相談支援事業所です。指定特定相談支援事業所は、地域相談支援を必要としている利用者のために、地域移行支援や地域定着支援を利用できるためのサービス等利用計画案を作成し、支給決定後サービス等利用計画を作成しサービス等の利用調整を行います。

 いかがでしたか。「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」では、精神保健福祉士の実践における援助として、すべての科目が総合的に出題されます。ケースワーク、グループワーク、コミュニティソーシャルワーク、権利擁護活動等、多様な援助技術を実践に活かせるような学習をしておきましょう。

 では今回の「精神保健福祉に関する制度とサービス」について、出題基準と過去問の出題傾向を分析しながら、頻出分野を中心に対策を立てていきたいと思います。