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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第5回 精神保健福祉相談援助の基盤

 皆さんこんにちは。5月を迎えさわやかな初夏の光が輝く季節になってきました。学習は進んでいますか。忙しさのなか、わずかな時間を有効に使って着実に力をつけていきましょう。
 今回は「精神保健福祉相談援助の基盤」を取り上げていきたいと思います。この科目は、精神保健福祉士としての相談援助の理念や価値という、援助の根幹にかかわる内容になります。社会情勢の多様な変化に対して精神保健福祉士に求められている範囲や役割も一層広がり、重要になってきています。精神保健福祉士の法律上の位置づけや役割をしっかり押さえておきましょう。

 では最初に、前回の課題の解説をしていきたいと思います。

第20回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健の課題と支援」

問題14 いじめ防止対策推進法に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 学校外で生じた児童生徒同士のトラブルも、いじめに該当することがある。
  • 2 背景にいじめが疑われる自殺が生じた場合の調査についての規定がある。
  • 3 児童生徒から教員に対して向けられる暴力の防止についての規定がある。
  • 4 学校長に対する罰則の規定がある。
  • 5 インターネット上に書き込まれた悪口は、いじめの定義から除外されている。

正答 1

解答解説

  • 1 正しい。いじめ防止対策推進法では、いじめを「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」としており、いじめが学校内で行われているのか学校外で行われているのかは、問いません。法第3条の「基本理念」においても、いじめ防止対策は、「学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない」としています。
  • 2 誤り。いじめが原因と疑われる自殺や不登校に対しては、調査が義務づけられています。「いじめにより当該学校に在籍する児童等の、生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」「いじめにより当該学校に在籍する児童等が、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」を「重大事態」と規定し、これらに対処し、その「重大事態」と同種の事態の発生の防止のため、速やかに、学校に組織を設け、質問票の使用等の適切な方法によって、事実関係を明確にするための「調査」を行わなければならないとされています。
  • 3 誤り。いじめ防止対策推進法には、児童生徒から教員に向けられる暴力の防止についての規定はありません。児童生徒によるいじめが、犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは、所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、その学校に在籍する児童等の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならないとされています。
  • 4 誤り。いじめ防止対策推進法には、学校長に対する罰則規定はありません。在籍児童等がいじめを行っている場合で、教育上必要があると認めるときは、校長及び教員は、適切に当該児童等に対して、懲戒を加えるものとすると規定されています。また、市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して、児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとするとされています。
  • 5 誤り。いじめの定義に「インターネットを通じて行われるものを含む」とされています。学校は、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、効果的に対処することができるよう必要な啓発活動を行うとされており、国と地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関・関係団体の取組を支援し、インターネットを通じて行われるいじめに対処するための体制を整備することが努力義務とされています。

 いかがでしたか。では「精神保健福祉相談援助の基盤」について、出題基準と過去問題の出題実績を分析しながら、頻出分野を中心に受験対策について取り上げていきたいと思います。