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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

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第34回 障害者に対する支援と障害者自立支援制度

 皆さん、こんにちは。今回は、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を取り上げます。精神保健福祉士は、精神障害者に関する制度だけではなく、障害者全般に関する幅広い知識が求められますので、障害者施策を十分に学習しておきましょう。
 まず前回の課題の解説をしておきます。

第19回 精神保健福祉士国家試験 「社会保障」

問題53 公的年金の給付内容に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 障害等級2級の受給者に支給される障害基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額の1.25 倍である。
  • 2 老齢基礎年金の年金額の算定には、保険料免除を受けた期間の月数が反映される。
  • 3 老齢基礎年金の年金額は、マクロ経済スライドによる給付水準の調整対象から除外されている。
  • 4 遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡した場合に、その者の子を有しない配偶者にも支給される。
  • 5 遺族基礎年金の受給権を有する妻の遺族厚生年金の受給権は、受給権を取得した日から5年を経過したときに消滅する。

正答2

解答解説

  • 1 誤り。障害等級2級の受給者に支給される障害基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額と同額です。障害等級1級の受給者に支給される額が、老齢基礎年金の満額の1.25倍となります。
  • 2 正しい。老齢基礎年金の支給金額は、「保険料納付額」と「月数」に、「算定率」を乗じて算定されます。保険料免除期間には、法定免除期間と申請免除期間があり、法定免除期間は2分の1が、申請免除期間は免除の割合によって一定の比率が、月数に応じて反映されます。
  • 3 誤り。老齢基礎年金の年金額は、マクロ経済スライド方式によります。マクロ経済スライド方式とは、年金の被保険者である加入者の減少や平均寿命の延び、社会の経済状況を考慮して、年金の給付金額を変動させる算出方式です。
  • 4 誤り。国民年金の被保険者等が死亡した場合に、その者の子を有しない配偶者には、遺族基礎年金は支給されません。遺族基礎年金の支給対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた子のある配偶者と子です。「子」とは、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、あるいは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子です。
  • 5 誤り。遺族厚生年金の受給権が受給権を有した日から5年を経過した時に消滅するのは、受給権を有した時に30歳未満の子のない妻です。遺族厚生年金の受給対象者は、死亡した者によって生計を維持されていた、妻、子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)、55歳以上の夫、父母、祖父母です。

 いかがでしたか。「社会保障」は、範囲が広いため基本的な知識を習得するための学習量が求められますが、必須内容を整理して、確実な知識を身につけておいてください。
 では今回の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」に入っていきましょう。

 この科目は、障害者施策の歴史的経緯を法改正や制度改正等の内容とともに理解しておきましょう。障害者総合支援法における障害者自立支援制度については、毎年3問から4問の出題があります。利用決定のプロセス、障害福祉サービスの種類やその内容、障害者支援施設や自立支援医療、地域生活支援事業、審査請求制度等をよく整理しておきましょう。

 また、障害者総合支援法における国や市町村、都道府県のそれぞれの役割、指定サービス事業者の役割、国民健康保険団体連合会の役割なども確認しておきましょう。専門職の役割として、相談支援専門員やサービス管理責任者、サービス提供責任者等についても出題されていますのでよく理解しておくとよいでしょう。

 障害者基本法、障害者虐待防止法、障害者雇用促進法等の障害者関連法や医療観察制度、障害者手帳制度などの制度内容についても整理しておきましょう。
 今回は、障害者総合支援法における「相談支援」と児童福祉法における「障害児相談支援」について取り上げていきたいと思います。

相談支援の種類

 障害者総合支援法に基づく相談支援の種類には、「基本相談支援」「地域相談支援」「計画相談支援」があります。このうち「地域相談支援」と「計画相談支援」は、個別給付である「自立支援給付」に位置づけられています。
 「基本相談支援」は、地域の障害者等の福祉に関する問題について、相談に応じ、必要案情報の提供、助言を行い、市町村や指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整その他の便宜を総合的に供与する働きです。

地域移行支援

 「地域相談支援」には、「地域移行支援」と「地域定着支援」があります。
 「地域移行支援」とは、障害者支援施設、のぞみの園、厚生労働省令で定める施設に入所している障害者または精神科病院に入院している精神障害者、その他の地域における生活に移行するために重点的な支援を必要とする者であって厚生労働省令で定めるものにつき、住居の確保その他の地域における生活に移行するための活動に関する相談その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう、とされています。

地域移行支援の対象

 精神科病院に入院している精神障害者は、原則として、直近の入院期間が1年以上の者が対象ですが、直近の入院期間が1年未満であっても、措置入院者や医療保護入院者で住居の確保などの支援を必要とする者、地域移行支援を行わなければ入院の長期化が見込まれる者も対象となります。

 生活保護施設の救護施設や更生施設、矯正施設である刑務所、少年刑務所、少年院等に収容されている障害者も対象となっています。また更生保護施設に入所している障害者、自立更生促進センター、就業支援センター、自立準備ホームに宿泊している障害者も対象になります。また、児童福祉施設に入所している18歳以上の障害児も対象となります。

地域移行支援の内容

 地域移行支援を行う指定一般相談支援事業所に置かれる相談支援専門員は、これらのサービスを提供するために、地域移行支援計画の作成を行います。

 提供するサービス内容は、障害者が入所中、入院中から、住居の確保や地域生活に移行するための活動に関する相談に対応したり、地域生活への移行のための外出時の同行等を行います。また、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援の障害福祉サービスの体験利用の支援、体験宿泊の支援等を行います。

地域定着支援

 地域定着支援は、居宅において単身等の状況において生活する障害者に対して、常時の連絡体制を確保し、障害者に対して、障害の特性に起因して生じた緊急の事態等の場合に、相談その他の便宜を供与します。

地域定着支援の対象

 地域定着支援の対象は、地域生活を継続していくために緊急時等の支援が必要と認められる障害者で、居宅で単身であるため、緊急時の支援が見込めない状況にある者、居宅において家族と同居している障害者でも、その家族等が障害、疾病等のために、緊急時の支援が見込めない状況にある者です。

 障害者支援施設等や精神科病院から退所・退院した者だけではなく、家族との同居から一人暮らしに移行した障害者、地域生活が不安定な者等も対象になります。ただ、共同生活援助(グループホーム)、宿泊型自立訓練の入居者は対象外となります。これらの施設では、常時の連絡体制や緊急時の対応が可能であると考えられるためです。

地域定着支援の内容

 地域定着支援では、夜間職員の配置、携帯電話等による利用者や家族との連絡体制の確保等による、常時の連絡体制の確保及び、迅速な訪問、電話等による状況把握、関係機関等の連絡調整、一時的な滞在による支援等による緊急時の対応を行います。