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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第31回 地域福祉の理論と方法

 皆さん、こんにちは。試験まであと約3か月になりました。模擬試験等の結果が出てくる頃でしょうか。あまり得点が伸びなかった科目や予想外に難しかった問題等に落ち込んでしまうかもしれませんが、模擬試験は自分の実力を知るのと同時に、自分の弱点を把握してそれを克服するのが目的です。
 できなかった問題は、なぜ解けなかったのか、理解が浅かったのか、知識量が少なかったのか、知識の確実性に欠けていたのか等、今からでも十分間に合いますから、よく分析して対策を立てていきましょう。

 今回は「地域福祉の理論と方法」を取り上げます。この科目は、社会福祉法に規定されている地域福祉計画、社会福祉協議会、共同募金や、民生員法による民生委員などをはじめ、地域福祉のニーズ把握と資源調整、地域福祉人材などについて学習しておきましょう。今回は、介護保険制度の地域支援事業について取り上げていきたいと思います。
 では最初に、前回の課題の解説をしておきましょう。

第19回 精神保健福祉士国家試験 「現代社会と福祉」

問題27 個人の福祉ニードに関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 利用者のフェルト・ニードとは、専門職が社会規範に照らして把握する福祉ニードのことである。
  • 2 人々の心身機能の状態が同一であれば、福祉ニードも同一である。
  • 3 経済的な福祉ニードは、相談援助の対象とはならない。
  • 4 サービス供給体制の整備に伴い、潜在的な福祉ニードが顕在化することがある。
  • 5 福祉サービスの利用を拒んでいる人の福祉ニードは、専門職の介入によって把握されることはない。

正答4

解答解説

  • 1 誤り。利用者のフェルト・ニードとは、利用者によって自覚されているニードのことです。このニードは、個人の感じ方によって左右されるニードであるため、本来のニードを感得できない場合と、必要のないニードを感得してしまう場合とがあり、真のニードを把握するためには限界があります。
  • 2 誤り。人々の心身機能の状態が同一であっても、福祉ニードが同一であるとは限りません。利用者の置かれた状況や環境、利用者の思い、希望等あらゆる要因を勘案して、ニードを把握すべきです。
  • 3 誤り。相談援助の対象となるのは、経済的な福祉ニードを含めた、生活を送るうえでの総合的なニードです。貧困、疾病、障害、社会的参加、地域における人々とのつながり、教育や文化に対するニーズ等、相談援助は、生活にかかわるすべての分野を含みます。
  • 4 正しい。潜在的ニーズとは、表面には顕れずに潜在化しているニーズです。本人の自覚がなくても生活課題の解決が必要な状態で、一定のサービス基準からかけ離れた状態のまま表面化していない潜在的ニーズは、サービス自体がないために潜在化されていることもあり、サービスの供給体制が整備されることによって、顕在化していくことがあります。
  • 5 誤り。福祉サービスの利用を拒んでいる人々のニーズは、専門職の介入によって把握され顕在化されていくことがあります。福祉サービスがあってもその情報を知らされていないためにニーズが潜在化されていることがあるため、福祉サービスの情報提供や、専門職によるリーチアウトによって顕在化していく可能性があります。潜在的ニーズを、いかに顕在化させてそのニーズを満たしていくかが、福祉専門職に求められている役割であるといえるでしょう。

 いかがでしたか。「現代社会と福祉」では、福祉の原理論、福祉の歴史的発展の経緯、福祉政策、福祉国家論等についても理解を深めておきましょう。
 では地域福祉論に入っていきましょう。今回は、介護保険制度における地域支援事業について取り上げていきたいと思います。