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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

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第22回 精神保健の課題と支援

 皆さんこんにちは。いよいよ9月になりました。まだまだ暑さが残りますが、学習時間等の制約があるなかで、健康に留意しながら、学習の手ごたえを感じ取っていってください。

 今回は「精神保健の課題と支援」を取り上げます。この科目は、精神保健のさまざまな分野における法律や制度、また各分野の統計が出題されますので、専門科目のなかでも苦手な受験生が多いのではないでしょうか。ただ、出題される分野はある程度決まっていますので、頻出分野に気をつけて学習しておくことで、十分対応できます。

 精神科病院の入院患者の実態等については、精神保健福祉資料や患者調査等で、必要な内容を押さえておきましょう。データについては、細かい数字を暗記するよりも、その数字の意味するところと、データの推移状況を理解しておくという学習方法が良いでしょう。

 ではまず、前回の課題の解説をしていきたいと思います。

第19回 精神保健福祉士国家試験「精神疾患とその治療」

問題6 次の精神疾患と症状の組合せのうち、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 血管性認知症 ────────────── せん妄
  • 2 うつ病 ───────────────── 誇大妄想
  • 3 統合失調症 ─────────────── 健忘
  • 4 強迫性障害 ─────────────── パニック発作
  • 5 全般性不安障害 ───────────── 情動脱力発作

正答 1

解答解説

  • 1 正しい。せん妄は、意識障害に分類されます。意識障害には、意識が混濁した状態だけを症状とする「単純な意識障害」と、視野狭窄や意識変容を示す「複雑な意識障害」の2種類があります。せん妄は、複雑な意識障害の「意識変容」の代表的なもので、意識混濁に、錯覚や幻覚、不安、まとまりを欠いた、不穏な多動等の精神運動興奮を伴う状態のことです。せん妄は、アルコール依存症、脳血管障害、脳血管性認知症等でみられ、脱水症状や心因性で現れることもあります。
  • 2 誤り。うつ病は、誇大妄想ではなく、微小妄想を呈します。妄想は思考障害の一つで、思考内容の異常の代表的なものが妄想です。うつ病で多くみられる微小妄想とは、自分を実際より低く評価する妄想で、自分は悪い罰せられるべき存在であると思い込む罪業妄想や、実際は金銭的に困ってはいないにもかかわらず、お金がなくて非常に困っていると思い込む貧困妄想、実際は病気ではないのに病気になっていると思い込む心気妄想等があります。誇大妄想がみられるのは、双極性障害におけるそう病相や統合失調症で、自分を本来の自分以上に過大に評価して確信してしまうことです。自分は王家の出身であると思い込んでしまう血統妄想、自分は宗教の教祖の子孫であると思い込んでしまう宗教妄想等があります。
  • 3 誤り。統合失調症は、妄想のなかの、被害妄想が多くみられます。被害妄想には、何者かに悪意をもって追跡されていると思い込む追跡妄想、他人から変な目で注意深く見られていると思い込む注察妄想、病的に異様なほどの嫉妬感情に支配される嫉妬妄想、本来は関係のない人の行動や動作を、すべて自分に関係づけて受け止めてしまう関係妄想等があります。健忘は、ある事柄やある一定の期間のことを思い出せない状態のことです。健忘には、脳の損傷などによる器質的疾患によるものと、極度のストレス等の心因性や精神疾患等の精神的な原因によるもの、薬物によるもの、アルコールによるアルコール性健忘等があります。
  • 4 誤り。強迫性障害では、パニック発作はみられません。強迫性障害では、強迫観念と強迫行為がみられます。強迫観念とは、無意味であるとわかっている考えが、意思に反して繰り返して生まれてくることで、強迫行為は、この強迫観念によって現れた行動のことです。手をいくら洗っても細菌が取れていないと思い込んでしまうため、数時間手を洗い続けなければいられないなどのように、強迫観念によって生まれるのが、強迫行為です。パニック発作は、特別なはっきりした理由がないのに、急に不安や恐怖が起こり、激しい動悸や発汗、頻脈や息苦しさ、死の恐怖等が襲うという症状です。原因は、大脳の機能異常、脳内物質や大脳の作動の異常、パニック障害、うつ病、PTSD等の精神疾患でみられます。身体疾患や内分泌障害等でもみられます。
  • 5 誤り。全般性不安障害では、情動脱力発作は起こりません。全般性不安障害は、さまざまなことを過度に心配し、慢性的に不安な状態で生活に支障をきたす症状を呈します。過度な不安なために不眠、集中力の減退し、緊張性の頭痛や発汗、頻脈がみられます。情動脱力発作とは、笑ったり、怒ったり、驚いたりなどの喜怒哀楽の一時的な感情が強く現れた時に、全身が脱力してしまう症状で、ナルコレプシーの特徴的な症状です。ナルコレプシーは、日中、場所を選ばず急に強い眠気が襲う睡眠障害で、この睡眠発作や入眠時幻覚、情動脱力発作が見られます。入眠時幻覚とは、入眠時に、実際に体験しているような鮮明な幻覚をみることです。

 いかがでしたか。「精神疾患とその治療」では、代表的な精神疾患の特徴的な症状とその治療方法や、精神科治療における人権擁護の視点をよく学習しておきましょう。

 では今回の「精神保健の課題と支援」に入っていきましょう。今回は、薬物依存症対策と、アルコール依存症対策について取り上げていきたいと思います。