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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第12回 社会理論と社会システム

現代社会の理解

 「社会システム」の分野では、社会現象をシステムとしてとらえる考え方や、社会の文化や規範、社会の構造や発展に伴う社会意識の変化等についての理解を深めておきましょう。第16回試験ではマルクスの階級論、階層移動、階層帰属等が、第17回では社会指標が、第18回ではウェーバーの支配類型論が出題されています。

 階級と階層の分野では、階級と階層の概念の違い、社会移動における垂直移動、水平移動、世代間移動、世代内移動等の意味を、また経済指標と社会指標の違い、社会指標を用いた調査の目的等についても学習しておきましょう。第19回では、所得格差についての出題がありました。

 「法と社会システム」の分野では、法と社会規範、法と社会秩序について理解しておきましょう。第17回試験ではホッブズ問題、合法的支配、ノネとセルズニックの法モデルが、第18回試験では、ウェーバーの支配類型論が出題されています。

 私たちの生活の秩序と、法がどのようにかかわっているのか、合法的支配や法治国家の意味について、また抑圧的法、自律的法、応答的法の意味についてよく学習しておくとよいでしょう。

 「経済と社会システム」の分野では、市場や交換・互酬性の概念、現代社会における働き方、成果主義や均等処遇、裁量労働制やフリーター、ワーク・ライフ・バランス等の概念を理解しておきましょう。

 グローバル化や産業構造の仕組みの変化に伴って、労働形態、労働環境が大きく変化しています。時代の変化に伴って生まれてきているさまざまな労働形態について把握しておきましょう。

 第18回試験では、消費社会について、ロストウ、ガルブレイス、リースマン、ヴェブレン、ボードリヤールの理論が出題されました。

 「社会変動」の分野の出題率は、全体的に低くなっていますが、近代化や産業化、情報化による社会の変化と特質を整理しておきましょう。

 第16回試験では、デュルケム、ヴェーバー、テンニース、ジンメル、ベルが出題されています。社会の変化は、家族やライフサイクル等にも影響を与え変化をもたらしています。社会生活の各分野に、社会変動がどのような影響をもたらしているか、という視点で学習しておくとよいでしょう。

 「人口」については、人口の概念、人口構造の変化、少子高齢化など、現代の人口問題や実態について押さえておきましょう。第18回試験では、日本の人口動向として、少子化と合計特殊出生率、乳児死亡率、平均寿命、65歳以上人口割合等の出題がありました。

 人口統計で用いられる基本用語の定義や人口の実態等についても、社会保障・人口問題研究所などのホームページで確認しておきましょう。

 「地域」については、地域やコミュニティの概念、都市化と地域社会の変化、過疎問題、地域における集団や組織について学習しておきましょう。第16回では都市化について、第17回では限界集落について、第19回では我が国のコミュニティ政策の展開についての出題がありました。

 都市への人口集中による人口の構造変化と地域共同体の崩壊に対する1970年代のコミュニティ再生論、1990年代の地方分権改革とコミュニティ形成論、自治から行政と住民との協働への移行と新たな公共の概念等を理解しておきましょう。

 「社会集団及び組織」の分野では、第一次集団、第二次集団、ゲマインシャフト、ゲゼルシャフト、アソシエーション、官僚制などについて押さえておきましょう。第16回ではウェーバーの官僚制論や官僚制の基本的特性が、第18回ではゲマインシャフト、インフォーマルグループ、第一次集団、コミュニティとアソシエーションが出題されました。

 このほか、非営利組織(NPO)の性格や現代社会における位置づけ、役割等についても理解しておくとよいでしょう。

生活の理解

 「家族」の分野では、家族の概念、時代の変遷による家族の変容、家族構造や家族形態、家族の機能について学習しておきましょう。

 第16回試験では、国民生活基礎調査から、世帯人員別、世帯類型別、65歳以上世帯の特徴等が出題されました。第17回試験では、家族と世帯の定義の違い、国勢調査の単位等が出題されています。

 核家族世帯の定義や現代の家族形態としてのステップファミリー、民法の扶養義務、国民生活基礎調査による我が国の世帯状況等について、把握しておきましょう。

 「生活の捉え方」の分野からは、第17回試験と第19回試験で、ライフサイクル、ライフコース、家族周期、コーホート、ライフイベント等の概念等が出題されています。生活様式の多様化に伴って生まれてきたライフコースの概念や、生活時間や生活の質、消費のとらえ方などについても学習しておきましょう。

人と社会との関係

 「社会関係と社会的孤立」として、現代社会における人間関係の希薄さと孤立に対して、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の概念を理解しておきましょう。第17回試験では、社会関係資本と社会資本の違い、社会関係資本の特徴が出題されています。

 「社会的行為」については、第16回と第19回で、社会的行為の出題がありました。社会的行為の意味、ウェーバーの4つの社会的行為の類型、ハーバマスのコミュニケーション的行為論等について理解を深めておきましょう。今回は後ほど、この分野を取り上げていきたいと思います。

 「社会的役割」としては、第17回と第19回で役割理論の出題がありました。役割期待、役割援護、役割葛藤、役割距離、役割取得、他者や社会から求められる役割と個人の役割遂行との関係、役割と自我の形成との関係を整理しておきましょう。

 「社会的ジレンマ」については、第18回で出題がありました。個人の合理的行為と集団との関係、フリーライダー、創発特性、選択的誘因、共有地の悲劇、囚人のジレンマ等について、それぞれの意味をよく理解しておきましょう。

社会問題の理解

 「社会問題の捉え方」では、犯罪や逸脱の捉え方についての理解を深めておきましょう。第18回では構築主義アプローチによる捉え方が、第19回ではラベリング理論についての出題がありました。社会病理や逸脱の考え方、分化学習理論なども理解しておきましょう。

 「具体的な社会問題」では、ジェンダー、環境問題、貧困問題、失業、非行、社会的排除、ハラスメント、DV、児童虐待、いじめなど、現代の社会のおける諸問題についての出題があります。第16回では、貧困の概念と測定方法が出題されています。ラウントリーやタウンゼントの貧困の概念、ジニ係数、相対的貧困率などの定義や意味、実態を把握しておきましょう。

 以上全体を概観してきましたが、今回は社会的行為について取り上げていきたいと思います。