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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第12回 社会理論と社会システム

 皆さん、こんにちは。今回は「社会理論と社会システム」を取り上げます。この科目は出題範囲が広く理論的な理解が求められるので、苦手意識をもっている受験生が多いかもしれませんが、社会変動に伴う社会の仕組みの変化やそれぞれの時代に生きる人々の意識の変化、ライフスタイルの変化、現代社会の諸課題など、現代に生きる私たちにとって、とても身近な科目です。

 現代社会がもつ、さまざまな問題の影響を受けて困難を抱えている人々を援助する精神保健福祉士として、社会に対してより深い洞察力と分析力を養い、よりよい援助者となるために学ぶ楽しさを体験していただき理解を深める一助となればと願っています。

 では最初に、前回の課題を解説していきましょう。

第19回 精神保健福祉士国家試験 「心理学理論と心理的支援」

問題10 感覚・知覚に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 明るい場所から暗い場所に移動すると、目が慣れるのに時間がかかる。これを明順応という。
  • 2 中空にある月より地平線に近い月の方が大きく見える。これは錯視による。
  • 3 コップの飲み口を斜め上から見ても丸く見える。これを大きさの恒常性という。
  • 4 電光掲示板の文字が動いているように見える。これは近接の要因による。
  • 5 風景を眺めていると奥行きを感じる。これは知覚的体制化による。

正答2

解答解説

  • 1 誤り。明るい場所から暗い場所に移動すると目が慣れるのに時間がかかることは、暗順応といいます。人はさまざまな環境の変化に、次第に慣れて適応していきますが、これを順応といいます。視覚における順応には、明るさに次第に慣れる明順応と、暗さに次第に慣れる暗順応があります。
  • 2 正しい。視覚でとらえたものを、脳の中枢での推論過程の影響や、対象の刺激の物理的要因の影響を受け、実際のものとは異なった形で、眼が錯覚して受け止めることを、錯視といいます。例えば、中空にある月より、地平線に近い月のほうが大きく見えるようなことで、これをポンゾ錯視といい、地平線や水平線に近い程大きく見えるという錯視です。
  • 3 誤り。コップの飲み口を斜め上から見ても丸く見えるのは、知覚の恒常性のうちの、形の恒常性といいます。コップの飲み口を、斜め上から見ると実際は円形には見えないはずですが、コップの飲み口は丸く変化しないという概念があるので、受け取る知覚としては、丸く見えます。大きさの恒常性とは、遠いところにあるものは網膜上には小さく見えますが、大きさを知っている場合は、それが小さくなったとは知覚せず、本来の大きさとして知覚することです。
  • 4 誤り。電光掲示板の文字が動いているように見えることは、仮現運動といいます。仮現運動とは、静止画像を連続して提示すると動いているように見えることです。
  • 5 誤り。風景を眺めていると奥行きを感じるのは、奥行き知覚によります。例えば、平行線がある場合は、手前の平行線程広く見え、遠くにいくほど狭くみえますから遠近の距離感がわかります。このように、私たちの視覚は、平面の画像からでも、立体的な画像を知覚できる、奥行き知覚という性格をもっています。

 いかがでしたか。「心理学理論と心理的支援」は、記憶、学習理論、発達理論、ストレス、心理検査、心理療法などの頻出分野についても、十分に学習しておきましょう。

 では、今回の「社会理論と社会システム」に入っていきましょう。出題基準に沿って、過去問の出題傾向を分析しながら分野ごとに対策を立てていきたいと思います。