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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第9回 精神障害者の生活支援システム

 皆さん、こんにちは。学習に励んでおられることと思います。今回で専門科目は最後になりますね。各科目の出題範囲と出題傾向を頭に入れながら、ポイントを絞って学習を続けていきましょう。

 今回は、「精神障害者の生活支援システム」を取り上げます。この科目は、精神障害者の生活を支援するために必要な居住支援や就労支援のシステムと、精神保健福祉士の役割についての知識が求められています。精神障害者を地域で包括的に支援するための具体的な方法について、諸制度を含めて十分に学習しておきましょう。

 では最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第19回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉に関する制度とサービス」

問題61 「精神保健福祉法」に規定されている入院に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 精神科病院の管理者は、精神障害者を入院させる場合、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない。
  • 2 任意入院は、精神保健指定医の診察により、24 時間以内に限り退院を制限することができる。
  • 3 医療保護入院は、本人の同意がなくても、家族等のうちいずれかの者の同意に基づき行われる。
  • 4 医療保護入院は、患者に家族等がいない場合、都道府県知事の同意により入院させることができる。
  • 5 措置入院は、自傷他害のおそれがあると認めた場合、警察署長の権限により入院させることができる。

正答1、3

解答解説

  • 1 正しい。精神保健福祉法では、入院形態のうちの、任意入院を基本的な形態としています。任意入院は、本人の同意に基づく入院形態です。精神病院の管理者は、精神障害者を入院させるときには、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならないと、努力義務として規定しています。
  • 2 誤り。任意入院者が退院を申し出た場合、原則として退院させなければなりません。ただし、精神保健指定医の診察の結果、必要ならば72時間に限り退院させないことができます。特定医師の診察による場合は、12時間です。
  • 3 正しい。医療保護入院とは、本人の同意が得られない場合で、1名の精神保健指定医の診察の結果、精神障害者であり、かつ医療及び保護のため入院の必要があると診断された場合、家族等の同意によって行う入院形態です。やむを得ない場合に限り特定医師の診察のもと、最長12時間に限って入院が認められています。
  • 4 誤り。医療保護入院は、家族等がいない場合、あるいは家族等の全員がその意思表示をできない場合は、市町村長同意による入院になります。家族等のうち、本人に対して訴訟をしている者、または訴訟した者、その配偶者・直系血族は医療保護入院の同意を行うことはできません。また、医療保護入院患者については、1年ごとに、任意入院に移行できない理由、病識や治療への取り組みを記入した定期病状報告を提出しなければなりません。また医療保護入院者に関しては、医療保護入院者退院支援委員会を開催することが義務づけられています。
  • 5 誤り。措置入院は、自傷他害のおそれがあると認めた場合、都道府県知事の権限により入院させることができます。都道府県知事は、指定する2人以上の指定医の診察を経て、精神障害者であって医療及び保護のために入院させなければ、自身を傷つけまたは他人に害を及ぼすおそれがあると認めることについて、各指定医の診察の結果が一致した場合、国等の設置した精神科病院または指定病院に入院させることができます。

 いかがでしたか。では今回の「精神障害者の生活支援システム」について、出題基準と過去の出題実績をもとに、頻出分野を中心に傾向と対策を見ていきたいと思います。