メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第7回 精神保健福祉の理論と相談援助の展開(2)

 皆さんこんにちは。
 今回は、「精神保健福祉の理論と相談援助の展開(2)」を取り上げたいと思います。現場で相談援助を実践していくための、具体的な援助技術に焦点を当てていきたいと思います。
 では最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第19回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」

問題36 次のうち、精神保健福祉に関する法律と関連する事項の組合せとして、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 精神病者監護法 ────── 都道府県立精神病院の設置
  • 2 精神病院法 ──────── 私宅監置の廃止
  • 3 精神衛生法 ──────── 任意入院の創設
  • 4 精神保健法 ──────── 精神医療審査会の設置
  • 5 「精神保健福祉法」 ──── 精神障害者保健福祉手帳制度の創設

(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

正答4、5

解答解説

  • 1 誤り。精神病者監護法は、相馬事件を契機に1900(明治33)年に制定された精神障害者のためのわが国の最初の法律で、監護義務者による私宅監置を規定したものです。私宅監置制度とは、精神障害者を社会にとって危険なものとみなし、座敷牢と呼ばれる監禁を家族に実質的に義務化させ、座敷牢を私宅監置として合法化する、治安的な要素の強い法律でした。都道府県立精神病院の設置を規定したのは、1919(大正8)年に制定された精神病院法です。
  • 2 誤り。精神病院法は、呉秀三らの調査によって精神病者の実態と改善を訴えた『精神病者私宅監置ノ実況』を契機に制定された法律で、都道府県に公立精神病院を設置することが明示されました。ただ、予算の不足と戦争の開戦前夜という時代背景により、公立精神科病院の設置はなかなか進まないまま、戦争に突入してしまいました。
  • 3 誤り。精神衛生法は、第二次世界大戦終了後の1950年(昭和25)年に、従来の精神病者監護法と精神病院法を廃止して制定された法律で、精神障害者に適切な医療や保護を行うことを目的としたものです。この法律により従来の私宅監置制度は禁止され、都道府県に精神病院を設置することが義務化されました。また、精神衛生審議会の設置、精神衛生鑑定医制度の創設、措置入院制度・同意入院制度の新設、保護義務者制度の創設等が規定されました。
  • 4 正しい。1984(昭和59)年の宇都宮病院事件を契機に、精神障害者に対する人権侵害が問題になり、1987(昭和62)年「精神衛生法」が「精神保健法」に改称・改正されました。精神障害者の人権と適正な保護、社会復帰の促進を中心とした改正で、精神科病院の入院患者の人権擁護の仕組みが規定され、精神医療審査会が設置され、本人の同意に基づく任意入院制度の創設、入院時の書面告知の義務づけ、精神衛生鑑定制度から精神保健指定医制度への変更、精神科病院への厚生労働大臣による改善命令規定、応急入院制度の新設が行われました。
  • 5 正しい。1995(平成7)年に、「精神保健法」が「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に改称・改正されました。従来、医療の対象とみなされてきた精神障害者施策が、福祉の対象としての視点が取り入れられた施策へと転換し、精神障害者の自立と社会参加が盛り込まれ、精神保健福祉手帳制度が創設されました。また、社会復帰施設として精神障害者福祉ホームが創設されました。

 いかがでしたか。精神保健福祉の歴史について、ポイントを押さえておきましょう。では今回は、前回に引き続き、「精神保健福祉の理論と相談援助の展開(2)」として、出題基準と過去の出題傾向の分析をもとに対策を立てていきたいと思います。