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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第6回 精神保健福祉の理論と相談援助の展開(1)

 皆さんこんにちは。緑が冴えわたるさわやかな季節になってきました。学習は進んでいますか。忙しいなかで、わずかな時間でも確保して学習の習慣を身につけていきましょう。

 今回は、「精神保健福祉士の理論と相談援助の展開」を取り上げていきます。範囲が広いので、今回と次回の2回に分けて進めていきたいと思います。

 この科目は、援助を実践していく力を養う大変深い内容になっていますので、学習を進めていけばいくほど、楽しさを体験できることと思います。私たちが精神保健福祉士として、援助の理念に基づいてどのように具体的にさまざまな援助を行っていくことができるのか、是非、将来の精神保健福祉士としての実践場面を思い浮かべながら学習してみてください。

 ではまず、前回の課題の解説をしておきましょう。

第19回 精神保健福祉士国家試験  「精神保健福祉相談援助の基盤」

問題29 精神科医療チームにおける多職種連携のモデルや機能に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 インターディシプリナリ・モデルは、他のモデルより課題達成のために多職種間で役割を横断的に共有することが多い。
  • 2 マルチディシプリナリ・モデルは、階層構造の中で医師の指示・指導の下に各職種がそれぞれの専門性を発揮する。
  • 3 トランスディシプリナリ・モデルは、階層性はないが各職種の役割はおおむね固定されている。
  • 4 メンテナンス機能は、目的の一致、役割と責任の相互確認及び情報共有を基本にチームの維持を図ることである。
  • 5 タスク機能は、チームの中に生じる誤解や葛藤に対応するコンフリクトマネジメントをすることである。

正答 2、4

解答解説

  • 1 誤り。インターディシプリナリ・モデルは、専門職間のコミュニケーションが重視されるモデルで、多職種が協働することが特徴です。専門職間で情報を共有し、一定の目標に向かって、専門職相互が十分なコミュニケーションを取りながら意思決定を行います。それぞれの専門職の役割分担はできていますが、時に応じて役割の開放性が一部あります。多職種間で役割を横断的に共有するのはトランスディシプリナリ・モデルです。
  • 2 正しい。マルチディシプリナリ・モデルは、権威モデルともいわれるもので、役割が明確化された専門職が、それぞれ高度な専門性を駆使して治療を進めていくモデルです。専門性に階層性があり、それぞれの課題は専門職別に達成していくことが求められるため、役割の開放性はありません。医師等の指示によって、チーム内の専門職がそれぞれの役割を果たす、救急医療や手術時に行われるモデルです。
  • 3 誤り。トランスディシプリナリ・モデルは、チームとしての共通の目標のもと、他の専門職の知識や技術を相互に吸収し共有する、専門職相互の役割の代替可能性が高いモデルです。専門職間の階層性はなく、知識や技術について相互に教え合い、職種間で意図的に役割を重複したり役割の共有が行われます。ACT等が代表的なモデルです。
  • 4 正しい。メンテナンス機能とは、チームを維持し強化する機能です。チームを維持するためには、チームのメンバー相互間のコミュニケーションが必須になります。また、多職種のもつ価値や視点の違いからチーム内に発生してくる、さまざまな葛藤に適切に対処していく機能です。チームにおけるこのメンテナンス機能を向上させていくと、チーム自体を成長させていくことができます。
  • 5 誤り。タスク機能とは、目的達成のための課題遂行機能です。チームとしての目標を明確にし、その目標達成のために課題を明確化し、課題達成を目指してチームとして取り組んでいく機能です。

 いかがでしたか。「精神保健福祉相談援助の基盤」では、このほか、ノーマライゼーション、エンパワメント、アドボケイト等の援助の理念を、実践の現場でいかに適用していくかという視点で学習しておきましょう。

 では、今回の「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」について、近年の出題傾向を分析し受験対策のポイントを取り上げていきたいと思います。