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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第28回 心理学理論と心理的支援

 皆さんこんにちは。受験の手続きも終わり、いよいよ本格的な体制で受験に取り組む方も多いことでしょう。学習時間の確保に悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。効率よく、必要な内容をもらさずに学習することができるよう、もう一度学習計画を見直して、確保できる学習時間と、やるべきことを整理して、合格のための最も効果的な学習を進めていきましょう。

 今回は「心理学理論と心理的支援」を取り上げます。この科目は、範囲が広く慣れない用語が多いので、苦手とする受験生が多いようですが、自分の心理も含め身近な事柄として理解すると、大変興味深く学習することができます。今回は、心理療法について重点的に取り上げていきたいと思います。

 では最初に、前回の課題の解説をしておきましょう。

第18回 精神保健福祉士国家試験 「人体の構造と機能及び疾病」

問題7 精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)の「躁病エピソード」に記載されている症状はどれか。正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 易怒的
  • 2 睡眠過多
  • 3 幻覚
  • 4 疲労感
  • 5 強迫行為

正答1

解答解説

  • 1 正しい。躁病エピソードの診断基準は、「異常かつ持続的な高揚し、開放的または易怒的な気分、そして異常で持続的な、増大した目的志向性の活動または活力が、一日のうち殆どほぼ毎日存在する、いつもと違った期間が、少なくとも1週間持続する」となっています。
  • 2 誤り。躁病エピソードの診断基準に、睡眠欲求の減少はあげられていません。躁病エピソードでは、睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)があげられています。睡眠過多の症状は、大うつ病性障害の診断基準に、「不眠または睡眠過多」としてあげられています。
  • 3 誤り。躁病エピソードの診断基準に、幻覚はあげられていません。幻覚は、統合失調症の診断基準として、「(1)妄想、(2)幻覚、(3)解体した会話(例:頻繁な脱線または滅裂)(4)ひどくまとまりのないまたは緊張病性の行動、(5)陰性症状(例:感情表出の減少や意欲欠如)のうち、2つ以上、各々が1か月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくともひとつは(1)か(2)か(3)である」とあげられています。
  • 4 誤り。疲労感は、躁病エピソードの診断基準にあげられていません。大うつ病エピソードでは、易疲労性、気力の減退があげられています。
  • 5 誤り。強迫行為は、躁病エピソードの診断基準にあげられていません。強迫行為は、強迫関連障害の「強迫性障害」に「馬鹿馬鹿しくて無意味だと分かっている思い込みの『強迫観念』やそれを実際に行動化してしまう『強迫行為』に苦しめられて日常生活・社会生活が障害されてしまう精神疾患」としてあげられています。

 いかがでしたか。「人体の機能と構造及び疾病」では、このほか、身体・精神の成長と発達、老化による身体の変化、疾病と障害の概要、健康づくりと生活習慣病対策などもよく学習しておきましょう

 では、「心理学理論と心理的支援」に入っていきましょう。この科目は、欲求・動機づけと行動、感覚・知覚・認知、学習・記憶・思考、人格・性格、集団、適応、発達、ストレス、心理検査、心理療法等の分野がありますが、今回は、心理療法について取り上げていきたいと思います。
 心理療法は、治療の対象により、様々な理論を基盤として、多様な治療法が編み出されてきました。その中で、過去に出題されている代表的な治療法を取り上げていきましょう。