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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第23回 精神保健福祉相談援助の基盤

 皆さん、こんにちは。あれほど暑かった夏も終わり、急に秋めいてきましたね。学習は進んでいますか。焦らずに着実に進めていくことが合格の秘訣です。一緒に頑張っていきましょう。

 今回は、「精神保健福祉相談援助の基盤」を取り上げます。相談援助の対象・価値・理念・意義や、関連専門職、権利擁護、チームアプローチなど、精神保健福祉士として押さえておくべき価値や権利擁護が、大きなテーマになっている科目です。

 では最初に、前回の課題を解説しておきましょう。

第18回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健の課題と支援」

問題13 「子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き(平成22年)」(文部科学省)に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 学校への教育委員会のサポートは、自殺が発生して3日目以降が望ましい。
  • 2 「学校再開日」には、校長が全校集会で出来事を詳細に説明する。
  • 3 自殺の連鎖の防止には、数日間の休校が望ましい。
  • 4 自殺の事実を文書で保護者に知らせる場合には、あらかじめ遺族に文案を示して了承を得る。
  • 5 教職員がスクールカウンセラーに相談したいときは、管理職に申し出る。
(注)「学校再開日」とは、「発生後に初めて子どもが登校する日」のことである。

正答 4

解答解説

  • 1 誤り。学校への教育委員会のサポートは、自殺が発生して3日以内に求められます。発生後最初の3日間は、教育委員会は、実務経験のある職員を含む、常時複数の職員を派遣し、助言とともに、学校では手が回らない部分をサポートします。臨時に教師の補充が必要な場合には、教育委員会が速やかに対応することが求められます。
  • 2 誤り。全校集会を開いて校長から伝える際は、出来事を詳細に説明せずに、集会は短く終えて、すぐに各クラスで対応します。校長は感情をこめすぎないようにし、感情表現はクラスで行います。また、学校再開のために、子どもたちの反応に対処できるように、心配なクラスや保健室には、補助の教師とスクールカウンセラーなどを配置します。
  • 3 誤り。自殺の影響が学校全体に及ぶと、自殺のリスクのある子どもに後追い自殺等の連鎖が起こる可能性がありますので、自殺の連鎖の防止のためには、休校は避け、学校の日常活動を、段階的に早期に平常化させるのが基本です。
  • 4 正しい。自殺の事実を公表するにあたっては、多くの場合、遺族は自殺であることの公表を望まないので、あらかじめ遺族から了解をとるよう努め、遺族の意向を尊重しつつ進めます。
  • 5 誤り。教職員がスクールカウンセラーに相談したいときは、管理職を通さずに自由に相談できることを保障しておくことが望まれます。教職員の健康管理として、「ほとんど眠れない」が3日以上続く場合は、医療機関の受診が勧められます。

 いかがでしたか。「精神保健の課題と支援」では、自殺、児童虐待、薬物対策、精神障害者の実態等についても、幅広く学習しておきましょう。

 では、今回の「精神保健福祉相談援助の基盤」に入っていきたいと思います。この科目は、精神保健福祉士法、精神保健福祉士の専門性、日本精神保健福祉士協会倫理綱領、国際ソーシャルワーカー連盟倫理綱領等の価値や倫理に関する内容、関連専門職とのチームアプローチ、自己決定、権利擁護システムなどが出題基準としてあげられています。権利擁護のためのエンパワメントやアドボカシーの概念など、援助の基本的姿勢をよく理解しておきましょう。

 今回は、精神科ソーシャルワーカーの歴史について取り上げていきたいと思います。