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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第14回 地域福祉の理論と方法

 皆さん、こんにちは。梅雨どきで寒暖の差が激しい日が続きます。体調を崩しやすい季節ですから、健康管理に留意しながら学習を進めていきましょう。

 今回は「地域福祉の理論と方法」を取り上げていきます。近年難易度が高くなっている傾向にありますので、しっかりと対策を立てていきたいですね。まず前回の課題の解説をしておきたいと思います。

第18回 精神保健福祉士国家試験 「現代社会と福祉」

問題22 エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen, G.)の「レジーム」理論に関する記述として、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 福祉国家は、社会的階層化のパターン形成に重要な役割を演じる。
  • 2 脱商品化とは、労働者が労働能力を喪失することである。
  • 3 脱家族化とは、単身世帯の増加のことである。
  • 4 福祉レジーム概念は、福祉国家の否定から生まれた。
  • 5 雇用・労働市場は、福祉レジームの在り方に影響しない。

正答1

解答解説

  • 1 正しい。社会的階層化とは、職業、階級、性別などによる地位や権利、経済的な面での格差が固定することをいいます。保守主義レジームは社会保険制度を基本としており、給与に応じた保険料拠出により、年金等の給付額も各所得階層に応じて行われるので、階層が固定化し、社会的階層化を進める役割を演じています。
  • 2 誤り。労働力の脱商品化とは、「労働力が商品としてみなされる必要のないこと」で、労働が不可能な状況に置かれても、所得を失わない状態が保障されていることをいいます。社会保険や税による所得保障が充実していれば、労働が不可能であっても生活が保障されますから、労働力の脱商品化が進んでいることになります。
  • 3 誤り。脱家族化とは、家族が、介護や福祉等の担い手から解放されている度合いのことをいいます。家族が、介護や福祉等の担い手から解放されているほど、脱家族化が進んでいるということができます。政府や市場原理を活用して、家庭での育児や介護を、どの程度軽減できるかという指標で、そのためのサービス活動量、子供のいる家庭への補助の度合い、公的保育の充実度、高齢者へのケアの提供の度合いなどで測られます。
  • 4 誤り。福祉レジーム概念は、福祉の枠組みや制度のあり方を分類するために生まれた概念です。エスピン-アンデルセンは、福祉レジームを、福祉が生産され、それが国家、市場、家族の間に配分される総合的なあり方であるととらえ、福祉レジーム、すなわち福祉の枠組みや制度のあり方の相違が、福祉国家の類型を決定するとしました。
  • 5 誤り。雇用形態や労働市場は、福祉レジームのあり方に、大きな影響を与えています。正規雇用が多いのか非正規雇用が多いのか、雇用の流動性や解放性はどうかなど、雇用形態や賃金体系等は、福祉レジームの類型に大きな影響を与えています。

 いかがでしたか。「現代社会と福祉」は、深い理解力が求められ対策に苦慮する科目かと思いますが、この科目をよく理解しておくことで応用力が養われますから、じっくりと取り組んでいきましょう。

 では「地域福祉の理論と方法」について、出題基準に沿って過去問題を分析しながら、対策をたてていきたいと思います。