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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第13回 現代社会と福祉

 皆さん、こんにちは。学習は進んでいますか。学生の皆さんは、実習等でなかなか学習の時間が取れないかもしれません。また働いている皆さんも仕事に追われ、時間との戦いの日々だと思います。体調に気をつけながら、自分の学習ペースを作っていってください。

 今回は「現代社会と福祉」を取り上げます。福祉政策論をはじめ、ニーズと資源、福祉と経済の関係等、理念的な内容についての理解が求められます。苦手な方が多いと思いますが、共通科目の基盤となる科目なので、他の科目を理解する前提として押さえておくべき、基本的な福祉の考え方と枠組みについて十分学習しておきましょう。

 では最初に、前回の課題を解説しておきたいと思います。

第18回 精神保健福祉士国家試験 「社会理論と社会システム」

問題16 消費社会に関する代表的な社会理論についての次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 ロストウ(Rostow, W.W.)によれば、社会の関心は、供給から需要、生産から消費へと移っていく。
  • 2 ガルブレイス(Galbraith, J.K.)によれば、生産よりも消費が経済成長の原動力となるので、生産部門が消費部門に依存する依存効果がみられるようになる。
  • 3 リースマン(Riesman, D.)によれば、内部指向型の社会的性格に基づいて、スタンダードパッケージとしての個性的な商品が多品種少量生産されるようになる。
  • 4 ヴェブレン(Veblen, T.)によれば、多くの人々が同じ商品を購入するようになるので、見せびらかしの消費としての誇示的消費の意義は失われる。
  • 5 ボードリヤール(Baudrillard, J.)によれば、モノの記号的意味の消費から、生理的・機能的欲求に基づくモノの実質的機能の消費へと移っていく。

正答1

解答解説

  • 1 正しい。ロストウは、経済発展5段階説を提唱し、この中の第5段階を高度成長大衆消費時代としました。この時代は、国民全体の所得水準が上昇し、精巧な化学製品や電気製品、サービス部門に対する需要が増加し、消費に対する需要構造に変化が生まれて、社会の関心が、供給から需要、生産から消費へ移っていくとしました。
  • 2 誤り。ガルブレイスは、『豊かな社会』を著わし、豊かな社会は、生産者の宣伝や広告等により、消費者の欲望を刺激することによって消費が生み出されると指摘しました。消費者の欲望は、生産者の宣伝や広告等に依存しているとし、これを「依存効果」と名づけました。
  • 3 誤り。リースマンは、資本主義の発展によって生まれた高度大衆消費社会の社会的性格を、他人指向型と分類し、周囲の他人やマスメディアの動向に左右され、周囲から受け入れられるかどうかを、行動の基準する社会であるとしました。この高度大衆消費社会の消費形態は、他人への同調としての役割をもつようになり、周囲の人がもっているものと同じものをもっていたいという、スタンダードパッケージとしての、標準化された商品やサービスが、消費の中心を占めるようになると指摘しました。
  • 4 誤り。ヴェブレンは産業が発展し、富を所有する有閑階級が発展してくると、富の有効性の象徴としての「誇示的消費」が出現したと指摘しました。誇示的消費とは、自分が財産家で、金銭上高い地位にあるということをみせびらかすために、富や財を消費する、という消費形態です。
  • 5 誤り。ボードリヤールは、消費社会においては、そのモノ自体の実質的な価値による消費から、そのモノの、記号的意味の消費に移っていく、「記号的消費」という概念を提示しました。商品そのものがもつ特別なコード、すなわち「記号」に価値があるので消費するという考え方です。

 いかがでしたか。「社会理論と社会システム」は、範囲が広く概念的な理解が求められますので、内容を良く理解して学習していきましょう。

 では、「現代社会と福祉」を取り上げていきたいと思います。出題基準に沿って対策を立てていきましょう。