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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第4回 精神保健の課題と支援

 皆さんこんにちは。新年度を迎え早くも1か月が過ぎ、毎日忙しい日々を送っておられることと思います。学習の態勢は整ってきましたか。毎日少しずつでも学習する習慣を身につけましょう。着実な積み重ねが大きな力になります。

 今回は、「精神保健の課題と支援」を取り上げていきたいと思います。現代社会は多くの精神保健福祉の課題が山積しています。社会生活のあらゆる分野を対象とするため、この科目は範囲が広く、苦手意識があるかもしれませんが、問題を解いてみると、常識の範囲で解答を導きだせるものが多くみられます。基本的な知識をしっかりと身につけておくことで得点が可能です。着実な学習を重ねて合格の力を身につけていきましょう。

 では最初に、前回の課題の解説をしておきたいと思います。

第18回 精神保健福祉士国家試験 「精神疾患とその治療」

問題3 ICD-10における精神および行動の障害に関する次の組合せのうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 症状性を含む器質性精神障害 ─────────────────── 広汎性発達障害
  • 2 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害 ─────── 急性一過性精神病性障害
  • 3 気分(感情)障害 ─────────────────────── 統合失調感情障害
  • 4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害 ────────── 摂食障害
  • 5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 ────────── 性同一性障害

正答 2

解答解説

  • 1 × 広汎性発達障害は、「心理的発達の障害」(F8)に分類されます。「症状性を含む気質性精神障害」(F0)には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、その他の疾患の認知症等が該当します。
  • 2 ○ 急性一過性精神病性障害は、「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」(F2)に該当します。この分類にはこのほか、持続性妄想性障害、感応性妄想性障害、統合失調感情障害、その他の非器質性精神病性障害、詳細不明の非器質性精神病などが該当します。
  • 3 × 統合失調感情障害は、「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」(F2)に該当します。「気分(感情)障害」(F3)に該当するのは、躁病エピソード、うつ病エピソード、反復性うつ病性障害、持続性気分(感情)障害、その他の気分(感情)障害、詳細不明の気分(感情)障害です。
  • 4 × 摂食障害は、「生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群」(F5)に該当します。「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」(F4)に該当するのは、広場恐怖、社会恐怖、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)、解離性健忘、多重人格障害、ガンザー症候群、身体化障害、心気障害、疼痛障害等です。
  • 5 × 性同一障害は、「成人のパーソナリティおよび行動の障害」(F6)に該当します。「生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群」(F5)に該当するのは、摂食障害、ナルコレプシー等の非器質性睡眠障害等です。

 いかがでしたか。ICD-10のF0からF9までの分類と、それぞれに該当する疾病を押さえておきましょう。

 では、今回の「精神保健の課題と支援」に入っていきましょう。分野ごとに過去の出題傾向を分析しながら、出題率の高い分野を中心に取り上げて、対策を立てていきたいと思います。

精神の健康と、精神の健康に関連する要因及び精神保健の概要

 健康の定義として、アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルスケアやオタワ憲章のヘルスプロモーションの概念、公衆衛生の定義等が出題されています。第18回試験では、WHOのメンタルヘルスアクションプラン2013-2020における、メンタルヘルスの定義が出題されました。

 発達課題として、第17回では注意欠陥多動性障害が、第18回ではエリクソンの発達理論が出題されました。共通科目の「心理学理論と心理的支援」と重なる内容ですから、並行して学習しておくとよいでしょう。

 生活習慣と精神の健康としては、第15回で我が国の平均の睡眠時間が出題されています。実際のデータを正確に理解していなくても、日ごろ取り上げられているニュース等に注意していれば、常識の範囲で対応できるものでした。

 この科目は、日ごろから、メディアが取り上げて報道している様々なニュースにアンテナを張り巡らせておく習慣を身につけておくと、暗記ではない、応用力を培うことができます。

 ストレスと精神の健康として第17回では、燃え尽き症候群(バーンアウト)の主たる症状が出題されています。この分野の出題基準の小項目には、このほか、破綻の現れ方、心の傷が挙げられていますので、よく学習しておくとよいでしょう。

 自殺予防の分野では、自殺の実態、自殺総合対策大綱等が出題されています。自殺対策基本法、自殺予防などとともに、自殺の実態等を把握しておきましょう。自殺の実態は、内閣府による「自殺対策白書」で確認することができます。