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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第19回 精神保健福祉士受験対策講座 第1回

ご挨拶

 精神保健福祉士の受験生の皆さん、昨年度にひき続き、第19回精神保健福祉士国家試験の受験対策講座を担当させていただくことになりました、張と申します。よろしくお願いいたします。

 これから1年間、皆さんとともに精神保健福祉士試験の合格という目標を目指して、受験対策を行っていきたいと思っています。

志の実現に向けて

 今まで、多くの精神保健福祉士の受験生の皆さまと関わらせていただいて感じているのは、精神障害者に対する深い共感と、社会に山積する様々な精神保健福祉に関する諸課題に対して、何とかしなければという、やむにやまれぬ熱い思いです。

 自らの知識と技術を高め、社会の課題に取り組み、精神障害者に寄り添い、その権利を護り、一人ひとりの精神障害者の生涯が輝きに満ちたものとなるようにと願って、精神保健福祉士という資格の取得を目指している受験生の皆さまに出会い、合格のために少しでも役に立たせていただきたいという思いを、年々強くしています。

 精神保健福祉士の国家試験は、専門科目6科目と共通科目11科目の、合計17科目と、科目数が多く、1科目の出題範囲も大変広い試験です。現在大学4年生の方、養成校で受験資格を取得しておられる方、すでに現場で活躍しておられる方等、それぞれ置かれている環境や立場は異なると思いますが、試験勉強は、自分との戦いであり、孤独な闘いです。

 何をどのように学習していったらよいのか、また、本当に合格できるのだろうかと、壁に突き当たったり、不安や挫折を感じることがあるかもしれません。この講座が、そのような皆さまの励ましとなり、不安の解消、学びの一助になることができればと心から願っています。

精神保健福祉をめぐる動向

 近年、障害者を取り巻く環境は大きく変化しています。2006年の国連総会において障害者権利条約が採択されて以降、わが国はこの条約の批准を目指して、2011(平成23)年の障害者基本法改正と障害者虐待防止法制定、2012(平成24)年の障害者総合支援法制定、2013(平成25)年の障害者差別解消法の制定というように、障害者関連法の制定や改正が行われてきました。

 精神保健福祉分野においては、2010年(平成22年)には、精神保健福祉士法が一部改正され、精神保健福祉士に誠実義務、資質向上の責務が追加されたとともに、業務として、地域相談支援の利用に関する相談に応じることが規定されました。

 2013(平成25)年には精神保健福祉法が改正され、保護者規定の削除、精神科病院管理者の退院促進体制整備、精神医療審査会の委員規定の改正が行われ、退院後生活環境相談員の配置規定が盛り込まれ、精神障害者の退院促進が政策的に進められるようになりました。

 精神障害者の退院促進は施行されており、実践現場ではすでに様々な取り組みがなされています。本年度からはいよいよ、障害者差別解消法と障害者雇用促進法の改正が施行され、本格的に始動していきます。これらの制度改正により、精神保健福祉士の占める役割は、従来以上に一層重要性を増してきています。

 さらに社会全体をみると、経済の停滞と社会構造の変化により、非正規職員の増加と国民の格差の拡大、貧困の連鎖、地域や家族関係の脆弱化、いじめの陰湿化や児童虐待等の増加、ブラック企業や貧困ビジネス等の課題が山積しています。

 また、グローバリズムの進展により、世界経済や政治情勢の不安定化が直接わが国の社会全体に大きく影響を与え、自然災害や原発事故のリスク、頻発するテロは社会不安をあおっています。精神保健福祉士は、相談援助を行う者として、常に社会の動向を把握し、現実の生活課題との関係を洞察する力が求められてきています。

 このような現代社会において、精神保健福祉士に求められている期待と役割は、極めて大きくなってきています。精神障害者の地域移行や社会復帰支援、医療観察制度における社会復帰調整官、職場のメンタルヘルス、貧困や児童虐待、スクールソーシャルワーカー、精神医療審査会委員等にとどまらず、様々な社会生活の場面において、精神保健福祉士への期待が、一層強まっています。

 受験生の皆さまには、是非実践力のある、政策全般にも明確な意識をもって関わることのできる精神保健福祉士として活躍するソーシャルワーカーとなっていただきたいと願っています。そして、そのための基本的な資格としての精神保健福祉士の資格取得のために、皆さんと共に学んでいけることを、大変嬉しく思っています。

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