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私はこうして合格しました!

国家試験を突破して精神保健福祉士の資格を取得した合格者の皆さんに、合格までの道のりをご紹介いただきます。効果的な勉強法や忙しいなかでの時間のつくり方、実際に資格を手にして思うことなど、受験者が参考にしたい話が満載です。

第57回 Aさん

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動機について

 もともとは社会福祉士の資格取得を第一に考えていました。福祉系の大学に入学した後、あわせて精神保健福祉士の課程も履修できる専門コースがあることを知り、チャレンジできそうなら狙っていこうと考えました。ガリガリ勉強していたわけではありませんが、学内ではわりと成績がよくて、年次を進めるなかで自然と両方の資格が視界に入ってきた感じです。ダブルで受験した人のほうが合格率は高いなんて耳に入ってくる情報も、背中を押したと思います。それと、1年生から一般科目でも教えてくれる精神医学の内容が興味深く、授業が終わった後にインターネットで調べたりしているうちに、社会福祉士よりむしろ精神保健福祉士が働いている現場のほうに関心を持つようになりました。見たこともない精神障害者の人たちってどんな感じなんだろうという、きわめて率直な好奇心です。

 はじめに社会福祉士の資格を取ろうと思ったのは、正直に言ってしまえば、なんとなくかっこよさそうなというか、仕事としてスマートなイメージがあったからです。困っている人、福祉を必要としている人の相談にのるというと、それなりの立場を想像させましたし、人助けを仕事にできるんならいいんじゃないか、そんな動機です。中学、高校の成績はお世辞にもよくはなく、選択しうる進路や学部といった現実も前にして、光明が感じられたのが社会福祉士だったということもあります。

 ただ、福祉といっても、介護の仕事、たとえばおむつを交換したり食事を介助したりする仕事はできないと思いました。うまくいえないのですが、そういうことを人にされるのは自分だったらやっぱり嫌だと思います。それを他人からされざるをえないことに恥ずかしさや情けなさを感じているだろう方に、若造の自分なんかがそれはできないという気持ちと、排せつや入浴といった行為に立ち入ることへの抵抗と、両方ありました。その意味で、若い人で介護職を目指している人はすごいなというか、自分の感覚ではよくわからないというのが本当のところです。

日常の勉強について

 大学の授業で出される課題をこなす、定期試験を無難にこなす、そのための必要最小限の努力すら惜しむという、決してお手本にしてはいけない模範例だと思います、私は。しかしながら、大学生というのは大なり小なりそういうもんでもあります。理工系のように専攻している分野の単位取得の難しさや、法学系のように先々の難関資格に強い志望動機がある場合は、日々の勉強こそが軸になる生活になると思われますが、福祉系ではそれはありません。ありませんといったら怒られるので、それは希少と言い方をゆるめておきましょうか。

 私の場合はもっぱらアルバイト、それと大学はサークル活動がメインでした。サークルは某国文化研究を看板にしていましたが、テーマを作って一緒に出かけたり飲み会やったり、要は仲間と楽しく過ごす場をいろんな形でつくることにけっこうな力を注ぎ込んでいました。学部生のなかには作業所のボランティアなど福祉現場とのつながりを持っていく人もいましたが、私はあまりそちらには入っていきませんでした。

 毎日のタイムスケジュールの中に勉強時間がきちんと組み込まれているなどということはなく、授業に出るのとそこで出される課題を切羽詰まってからぎりぎりこなすのが日常でした。

資格と就職について

 社会福祉士、精神保健福祉士の専門課程を学び進めていくうちに、だんだん受験を意識するようになりました。私の場合は2資格だったので、大学3年の夏から実習が始まりました。実習先を考えるのは将来の職業を考えることにもつながり、この頃から資格取得とあわせて就職のほうを漠然と意識するようになりました。

 実は当時、精神障害に興味はあったものの、現場の関係機関は自分が就職する先としてそれほど魅力を感じておらず、2つの専門資格を取得した状態で別の何かがないだろうかと考えました。卒業生の就職実績を見て、公務員試験を受けることも考えました。自治体によっては福祉の専門職採用を行っているところがあり、先々にやりたいことが具体的に見つかったときも動きを起こしやすいように思えました。ほかでは、リワークとか精神障害の一般就労とか、一般企業に身をおきながら資格を活かせる仕事も考えました。

 ただ、これといったツテもなく、またこのような、あったらいいな、できたらいいな、を漫然と考える時間というのはけっこう速く流れていくもので、気がつくと4年生を迎えようとしていました。

受験勉強について

 4年生になると途端に、という表現がぴったりと思います。第一に先生が、それにつられるように学生が、急速に受験を意識させられるようになりました。小テストの数が増え、学内で受験対策講座が設けられ、学外の対策講座も案内され、過去問やワークブックの受験対策本が紹介され、模擬試験の受験を勧められ、実習と報告書作成で卒業後を意識させられてと、受験モードは否が応にも喚起されていくわけです。

 友達関係など自分がふだんどういうグループに属しているかも、勉強のスタート時期やモチベーションに影響すると思います。運動部に入っていたりすると、後輩の面倒見もあって秋まで第一線ですし、ゼミによっては卒論の作成で冬休み前まで受験勉強に手がつかない例もあったようです。一方、バイト一色で学内のつき合いが少ないと、情報がなくて危機感を煽ってくれる人もいなくて出遅れたなんて話も実際にありました。

 私の場合は、やたら心配性のゼミ仲間がいて、その彼女がいろいろ情報を持ってきてくれたので、模擬試験を含めほとんどのイベントに乗っかりました。毎日、自分の机に向かって決めた時間を勉強するようになったのは12月に入ってからです。卒論に手間取って遅めの本格スタートになったわけですが、周囲には冬休みから始める友人もけっこういました。ここからの勉強のはかどり具合を左右するのは、それまでの予備知識というか、土台となる状態がどのレベルにあるかだと思います。授業やテストから要領よく知識を蓄えてきた人は、それほど多くの時間をつぎ込まなくても、成績が上がっていくように見えました。もともとの頭のよさというと元も子もありませんが、そういうのもあると思います。

私の秘訣=「すでにわかっていることを勉強する」

 私はそれほどできるほうではなく、自信をなくして落ち込むのが嫌だったので、冬休みが明けてからは、重要といわれていること、それでいて知っていることを中心に勉強していました。方法としてはあまりよくなかったかもしれません。ただ、知らないことを自分の中に入れなければ不安にならず、わかっていることをわかっていると確認できると自信も出てくるので、精神的には安定しました。特に共通科目の社会保障や保健医療サービスは最後まで知らないことだらけでしたが、知っていることの繰り返し学習をしていると大丈夫なんじゃないかなと思えました。

 試験本番は、知っていること、学んだことがほとんど出ていないようにまず思いました。でも必死ですから問題を解いていくと、直接学んだ内容ではないのに、なんかわかるという感触がありました。問題がやさしいのかとも思いました。
 試験後に自己採点したら、精神保健福祉士のほうはちょうど100点でどう考えてもできすぎでした。結果は97点で、それまでの成績からするとやっぱりできすぎでした。社会福祉士のほうも安全圏といえる得点で、2資格獲得の完全勝利でした。

 私が試験中に感じたことというのは、自分が勉強してきたことが試験に出ないなら、それまでがんばってきたのは無意味じゃない?ということですが、そもそも実際の試験問題はそういうもののようにも思います。国家試験に過去問とまったく同じ問題が出るわけはありませんし、自分が学んだことがないと思った内容は自分が学んできたことのどこともつながっていない、別個に存在しているなんてこともないと思います。

 ということで、私の受験勉強の秘訣は、「すでにわかっていることを勉強する」「わかっていることを繰り返し復習して安心する」です。効果をうむ勉強法の一つと考えて、お役立てください。

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