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伊東先生の実技試験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

 筆記試験が終わると次は実技試験が待っています。試験委員が見守るなかでの実技試験は、緊張してしまってなかなか思いどおりにできないものです。
 実技試験の効果的な試験対策は? 評価のポイントは? 試験直前には何をしたらよい?
 伊東利洋先生が、第27回介護福祉士実技試験に向けて4回にわたって講義します。

プロフィール伊東 利洋(いとう としひろ)

有限会社いとう総研 代表取締役
 長年の介護現場、介護研究において身に付けた、「魅せる介護」の研修で多くの支持を得てきた。現在は、経営から接遇研修まで介護企業をサポートする活動に従事している。
 介護福祉士試験の実技試験対策では、緊張下でも実践できる独自の研修プログラムで、ほとんどの受講生が合格してきた。
 著書に、『介護福祉士国試ナビ』(中央法規出版)、『社会福祉士国試ナビ』(中央法規出版)、『ケアマネジャー試験合格指南書』(日総研出版)、『社会保障制度指差しガイド』(日総研出版)などがある。

第4回 演技力を身につけよう!

問題文を短時間でとらえるトレーニングをしよう!

 実技試験の問題文には、一定のパターンがあります。そのパターンを10分間で整理し、介護内容を早くイメージできる訓練をしましょう。

●例えば、第21回試験で整理してみると・・・・
 田村としさん(79歳)は右上下肢に麻痺があります。つかまれば立位はとれますが、歩行はできません。衣服の着脱や車いすへの移乗には一部介助が必要です。車いすの移動は全介助です。
 昼食時に食べこぼして上衣が汚れました。自室に戻って着替えることを望んでいます。
 食堂のいすに座っている田村さんを自室まで車いすで移動介助し、上衣を着替えるまでの介助をしてください。
 なお、車いすの点検は済んでいます。田村さんは「はい」または「うなずく」のみです。


利用者
情報
名前・年齢田村としさん・79歳
心身の状況右上下肢に麻痺あり。つかまれば立位はとれるが、歩行はできない。
衣服の着脱や車いすへの移乗には一部介助が必要。
車いすの移動は全介助。
「始点」

「終点」
現在の状況

介護内容
昼食時に食べこぼして上衣が汚れた。自室に戻って着替えることを望んでいる。現在、田村さんは、食堂のいすに座っている。
自室まで車いすで移動介助し、上衣を着替えるまでの介助をする。
注意事項車いすの点検は済んでいる。田村さんは「はい」または「うなずく」のみ。

 問題文には、最初に
 (1)利用者情報が書かれています。
  どんな名前? どんな心身の状況?  を整理し、
 (2)今どんな状況で、その人にどのような介護をするのか?
 を「視覚的」にイメージしていきましょう。

 注意事項の最後には、必ず「利用者は、『はい』または『うなずく』のみです」という記載があります。

 質問方法は、「閉じられた質問」を基本に、介護しやすいように「はい」で導く、とスムーズに進行していくかもしれません。


セリフをパターン化しよう

 実技試験は、非常な緊張下で行われます。ですから、事前に「パターン化」できるところはパターン化して、体に覚えこませることがスムーズに行う秘訣です。
 特に、「声かけ」は、どのような問題でも共通しているので、無意識でも声が出るようにセリフ化していきましょう。

 場面セリフ例 など
身だしなみをチェックする「髪型」「爪」「装飾品」など、介護に適した制服かどうかを確認しましょう!
日常の業務で使用している「制服」を着用すると、ハロー効果が働くのでお勧めです。
試験会場入室
  • ・受験番号○○、××です。よろしくお願いします。
  • ・はじめます!
第一印象がのちの採点に影響を与えるともいわれています。笑顔であいさつを心がけましょう!
利用者と顔を合わせる
  • ・○○さん、こんにちは。
  • ・××です。どうぞよろしくお願いします!
    (自己紹介をすると心象が良い)
緊張して力を発揮できない人は、モデルさんの目を見て話していないことが多いようです。
最初の挨拶で、モデルさんの目を見て緊張をときましょう!

事前の説明と承諾
  • ・「○○をしますが、よろしいですか?」と事前に説明する。
  • ・利用者の「はい」または「うなづき」の承諾を確認する。
    (事前の説明、承諾は、得点になるので「行為の都度」必ず行うこと)
緊張すると早口になってしまい、モデルさんが聞き取れないことがあるそうです。ゆっくり大きな声で説明する訓練をしましょう!

健康状態の把握
  • ・ご気分は悪くないですか? 大丈夫ですか?
    (動作ごとに、体調確認すること)
緊張するとつい忘れてしまいがちになります。採点基準に入る項目ですので、繰り返し訓練しておきましょう。

選択する場面
  • ・○○と△△がありますが、どちらがよろしいですか?
    (衣服や飲み物など複数のものがあれば、利用者本人に選択してもらう)
選択する場面がなくても、利用者本人に確認することが大切です。
課題終了時
  • ・今日はありがとうございました。
    (モデルさんと監督さんにお礼を言って、静かに退室)
感謝の気持ちを伝えると「好感度」がアップします。礼儀正しく退室しましょう!

第27回試験の出題予想!

 過去の出題パターンから、第27回試験の出題予測をしてみたいと思います。


年度身体状況種別場面 
第1回右上下肢麻痺ベッド上設定なし 
第2回右半身麻痺移乗設定なし
第3回右手首骨折・左上肢振戦ベッド上設定なし
第4回右手首・指が硬直移乗設定なし
第5回視覚障害歩行『食事』 
第6回認知症+右上下肢麻痺歩行設定なし 
第7回左上下肢麻痺移乗『移動』 
第8回左上下肢麻痺移乗『排泄』
第9回左片麻痺ベッド上設定なし
第10回左麻痺移乗設定なし
第11回全身倦怠感ベッド上設定なし
第12回右上下肢麻痺移乗『保清』
第13回左片麻痺移乗『排泄』
第14回右片麻痺歩行設定なし
第15回左半身麻痺ベッド上設定なし
第16回右半身不全麻痺移乗『移動』
第17回左上下肢麻痺歩行『移動』
第18回左片麻痺移乗『移動』
第19回左半身麻痺歩行『保清』
第20回右半身麻痺歩行『食事』
第21回右上下肢麻痺移乗『食事』
第22回左上下肢麻痺移乗『排泄』
第23回右上下肢麻痺歩行『移動』
第24回左上下肢麻痺移乗『移動』
第25回右上下肢麻痺移乗『移動』
第26回視覚障害歩行『食事』
26回試験は21年ぶりに視覚障害が出題
第27回
  • ○右上下肢麻痺 40%
  • ○左上下肢麻痺 40%
  • ○認知症 20%
  • ○歩行 40%
  • ○移乗 40%
  • ○ベッド上20%
  • ○移動の場面 50%
  • ○保清の場面 10%
  • ○排泄の場面 10%
  • ○食事の場面 10%
  • ○設定なし  10%
27回試験は21年ぶりに認知症が出題か?

 第27回試験は、21年ぶりに視覚障害者の問題が出題されましたので、今年は、オーソドックスに「片麻痺」の利用者の「歩行」又は「移乗」の介護が出題される可能性が高いといえます。

 また、第26回試験は食事の場面でしたので、第27回試験では、外出や居室へ「移動」する場面が出題される可能性が高いと思われます。

 出題の可能性は低いと思われますが、昨年同様、「21年ぶり」に「認知症」の設定になる可能性がありますので、心の準備をしておくと万全だと思います。

 何が出題されるかは、当日までわかりませんが、何が出題されてもいいように、すべてのパターンをシミュレーションしておきましょう。


俳優になろう!

 「旅の恥はかき捨て」と言われるように、「試験の恥もかき捨て」と言えます。
 実技試験では、どんなにベテランの介護福祉士も、緊張してしまうと100%の力は発揮できません。
 緊張をなくすというより、「緊張を楽しもう!」と発想を変えることも大切です。「俳優」になって、「5分間の舞台」を楽しんで下さいね!

ito

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