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石橋先生の受験対策講座

石橋 亮一(いしばし りょういち)

忙しい日々の中で効率よく勉強するにはどうしたら?とお悩みのあなたに、ぴったりのガイド役となるのがこのコーナーです。介護の現場にも詳しい石橋亮一先生が受験勉強のポイントを講義します。

プロフィール石橋 亮一(いしばし りょういち)

社会福祉法人同胞互助会にて特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターに、株式会社ベネッセコーポレーションにてホームヘルプサービスなどに従事。
現在は、地域や学校、介護サービス事業者や施設の研修講師、アドバイザー、介護認定審査会委員、東京都第三者評価員、介護サービス情報の公表制度調査員などを兼務。介護福祉士などの受験対策講座も数多く行っている。 (介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級、介護予防主任運動指導員)

中央法規の『介護福祉士受験対策セミナー(直前対策講座)』
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  • 大阪会場:2018 /1/14 (日)  


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第16回 認知症の理解(1)~原因疾患別の認知症の特徴~

 7月に入り、暑さも厳しくなりました。利用者だけでなく、皆さん自身も、熱中症などに気をつけながらお過ごしください。

 前回まで「発達と老化の理解」を学習しました。今回から、「こころとからだのしくみ」領域の「認知症の理解」という科目を学びましょう。

 認知症高齢者が増えている今日、認知症の理解については、介護サービスの現場だけでなく、身近な暮らしの中でも重視されています。そうした状況を受けて、第24回試験以降のカリキュラム(本講座第4回参照)では、「認知症の理解」は独立した科目として設定されました。

 認知症を正しく理解し、利用者、そして家族の支援に役立たせていきたいですね。

認知症とその症状

 認知症は、「いったん正常に発達した知能が、何らかの理由で持続的に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態」をいいます。その症状である中核症状と行動・心理症状(BPSD)についてよく出題されますので、把握しておいてください。

  • 中核症状:多少の差はあるものの、認知症になると誰でも認められる障害をいい、記憶障害、見当識(けんとうしき)障害、判断力の低下、失行(目的に沿った動作ができない状態)、失認、失語、実行機能障害(計画を立てて段取りをすることができない)などに相当する(第24回、25回、27回、29回に出題。第26回では見当識障害について事例的に出題)。
  • 行動・心理症状(BPSD):妄想や幻覚、興奮、徘徊、感情失禁(感情を抑えられない)、不眠(十分に眠ることができない)などをいい(第25回、26回、27回に出題)、介護者側の対応(ケアの方法)が適切ではないために起こることもある(第28回に出題)。どのような場面でみられるのかを十分に観察し、認知症の利用者の言動に、受容的な態度で接することが大切である。

原因疾患別の認知症の特徴

 認知症は、さまざまな疾患(病気)によって引き起こされます。認知症の介護は、原因疾患の特徴をふまえることが大切で、本試験でも出題されますので押さえておきましょう。以下に、認知症全体の8割を占める、アルツハイマー型認知症と血管性認知症について記します。両者については、例えばアルツハイマー型認知症は女性に多く、血管性認知症は男性に多いなどの違いも、テキストで整理してください(第25回に出題)。

  • アルツハイマー型認知症は、脳の大脳皮質の神経細胞が減少し、脳の萎縮が進行するアルツハイマー病によって起こる認知症をいう。記憶障害(同じことを何度も繰り返して言う、先ほどの出来事をすっかり忘れる、〔初期の段階では〕自分で片づけたことを忘れて誰かに盗(と)られたと思い込み介護者に疑いをかける「もの盗られ妄想」など)、見当識障害(「時間→場所→人」の順で障害されていく)、失行、失認、失語のほか、思考と判断の障害(調理の手順がわからなくなるなど、物事を理解して適切な判断ができなくなる)などがみられる(第24回に出題)。
  • ○ 運動機能が保たれた状態で、本人の自覚症状がないまま、障害が全体的に、ゆっくりと確実に進行していく。軽度のアルツハイマー型認知症では、炊事の自立困難などがみられる(第29回に出題)。途中、徘徊や興奮などの症状が現れることもあり、平均8年くらい(3年程度から20年くらいまでと幅がある)で自発性が低下し、寝たきり状態となる末期に至る。
  • 血管性認知症は、脳出血やくも膜下出血、脳梗塞など脳血管疾患により、脳の神経細胞や組織が障害されることにより生じる認知症をいう。記憶障害や見当識障害などのほかに、感情失禁、意識障害の一種であるせん妄(もう)などの症状や、言語障害、知覚障害、片麻痺などの神経症状を伴うこともある。判断力は比較的保たれ、人格の変化も少ない(第28回に事例問題として出題)。
  • ○ 血管性認知症では初期の段階で、もの忘れやめまいなどの自覚症状があり、よくなったり悪くなったりしながら進行していく傾向がある。また、障害の現れ方にはむらがあり、「まだら認知症」とも呼ばれる(第25回、29回に出題)。

 第29回では、アルツハイマー型認知症の薬物療法や、軽度のアルツハイマー型認知症のもの盗られ妄想への対応に関する事例問題が、出題されました。また、第26回では、リアリティ・オリエンテーション(現実の感覚や認識を確認して、見当識に働きかける療法)、第28回では、認知症の人に豊かな情動をもたらすことが期待できる回想法について、出題されました。

 なお、上記にあるせん妄という症状は、薬剤や高熱によって引き起こされることもあり、認知症と比較した場合、日内変動を認めることが多いと、第25回、26回、27回で出題されました。

 次回も引き続き、「認知症の理解」を学びましょう。